「われら関学経済人」 重名 恬 さん

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2014年4月1日   更新  ]

~関学経済学部生からのメッセージ~「われら関学経済人」

重名 恬さん (1952年卒)

      
      【卒業年月】 1952年3月
      【名前】 重名 恬 (ジュウナ ヤスシ)
      【出身高校名】 旧制芦屋高校(現 芦屋高校)関学大予科
      【研究演習名】 堀 経夫 教授
      【勤務先】 旧 鐘紡株式会社(現在 クラシエホールディングス株式会社)
             元代表取締役筆頭副社長
             現在 関西学院東京丸の内キャンパス統括
      
      ※ 本ページの内容は2010年11月現在のものです。

これまでどんな仕事をされてきましたか?

 カネボウでの58年間の生活、最後は代表取締役筆頭副社長として財務・総合企画を担当して社長を補佐。それ迄の多くの期間はマーケティングの中心にあって戦略の企画立案推進の任に当りました。事業部門では世界の最高級ブランド仏クリスチャンディオール社の日本のソールエージェントとして、世界のディオールと取り組みました。新しくオーナーに就いたアルノー氏(現 ルイヴィトングループ総帥)と日本市場の独占支配権を守るための白熱交渉を行いました。その後イタリアのスポーツブランド「フィラ」の導入も成功してファッションのカネボウ構築の一役を担いました。この時のキーワードはハイイメージ、ハイクオリティ、ハイプライスで彼等の満足を引き出したマーケティング戦略の勝利でした。
 それといまひとつ特記すべきは、入社2年目から5年間携わった鐘紡高砂工場女子ソフトボールの監督時代のことです。関西学院の先輩(硬式庭球の名選手木下順蔵氏)の工場長からの命令で取り組みました。全社挙げての応援もあって5年間の監督生活で全国優勝5回、特に1958年は日本選手権、国体、総合大会と日本で初めて三大会完全優勝を飾り読売新聞の読売スポーツ賞を受賞しました。この5年間に学んだ指導・統率・管理の基礎はその後の社会人生活の基軸となりました。

経済学部ではどんな学生でしたか?

 経済学部の思い出は、堀経夫教授の思い出に尽きます。
 先生には、「学問に情熱を持て、あわせて人格の修養を」を信条としてご指導いただきました。私達を諭される時、目に涙を浮かべ切々と語りかけられる、学生の人格を傷つけず、気付かせる、教育者としてのお姿がそこにはありました。先生は1972年と73年、宮中における「講書初の儀」に進講者として連続して選ばれた、学会の最重鎮のお一人でした。
 しかし、ゼミの教育では質問されるのを恐れて後ろの席に固まる学生に対して自ら進み寄って一言一言丁寧に語られる様子を思い浮かべるとき尊敬の念を禁じ得ません。リカードゥに始まり、リカードゥに終わった堀ゼミ、目をつむりながら静かにしかも早口で講義される先生の学問に対する真摯なお姿から学ばせて頂いたものは限りなく深いものでした。卒業に当たってご推薦をいただいて鐘淵紡績に入社、今日の人生があることに感謝を禁じ得ません。そして結婚の媒酌の労を先生にお願いし、心好くお引き受けいただきました。その時のお言葉は、残念ながら私の記憶にありませんでしたが、後日妻から「あの時先生のお言葉の中に、お褒めの言葉はでなかった」との事、今になってゼミの時代を反省するばかりです。

今の経済学部生にメッセージをお願いします!

 情報が溢れかえる今日、これからの社会人として巣立つ学生諸君にとっては、どこに焦点を絞り学生時代を送るのか大変悩まれていることと思います。
 大学は「社会が求める有為な人材」を創って世に送り出すところ、その原点は社会人基礎知識の修得滋養であり、専門知識の方向を見定めることではないでしょうか。それを可能にするのは4年間、学問に対する情熱を燃やし続けること。更に具体的に言うと、高校時代を通じて学んできた知識に自らの解釈を加えて知恵に転換すること、問題に直面した時知識は解決の役にたたず、答えを自分で探す知恵が必要にとなります。更に知恵を行動に結びつけることが出来れば、そこに自分の哲学があり創造性が生まれます。この循環を大学時代に身につけることです。
 そしてもう一つは、人を愛する心を育てる事、人と人とのコミュニケーションは社会人として第1に役立つ技術。これの原点は相手を尊重する愛の心です。

これから経済学部を目指す高校生にメッセージをお願いします!

 関西学院大学経済学部は75年の歴史の中で多くの優れた経済人を輩出しました。これが今日、社会から認められ、日本の私立大学の中で最も高いレベルの就職率に位置している理由です。
 経済学部は優れた教授陣によって構成され、その授業からは思考の原点である問題の発見、調査分析、論理の構築、論述に至る過程を学び、学外教育活動を通じて実地に体験できる貴重な場です。
 また、関西学院には、スクールモットー“Mastery for Service”が強く根付いています。これは「奉仕のための練達」と訳され、社会に役立つ為には自分を磨き学ぶ努力をしなければならないという、関西学院で学んだ者の持つ社会的見識を示しています。今我が国の問われている倫理観、関西学院は4年間の学生生活のあらゆる場面を通してこれを追及しています。又美しく自然に恵まれたキャンパスライフは友人を得て豊かな心を育んでくれます。これ等は社会人になった時皆さんの誇りとなるでしょう。