2014.03.29.
【栗田ゼミ】2013夏 5期生 農村フィールド調査 @ケニア(農村調査を通して)
~農村調査を通して~
2013年8月7日、ケニアのナイロビ集合から始まったケニア実習。
3日間、ケニアのリフトバレー州ウアシンギシュ県にてアンケート調査を行いました。学生1~2人で現地通訳とともに、一家庭ずつまわり、アンケートを収集します。始めての調査で、一家庭に約2時間もの時間を要してしまいます。わずか3日間でより多くのデータを収集するため走りまわりました、時間との闘いでした。
門前 美沙希さん
「途上国は貧しいから、きっと不幸せなんだろう…」ケニア人と話す前にこんなイメージが自分の中にありました。彼らは私たちみたいにモノに恵まれている訳でも、毎日ごはんが必ず食べられる訳でもありません。ですが、農村調査のアンケート項目に含まれていた「あなたは幸せですか」という問いに、「幸せだよ」と笑顔で答える人に多く出会いました。その理由は、家族と一緒だから、または生きているから。日本で何不自由なく過ごす私にとっては、それらはもはや当たり前すぎて幸せの理由とは程遠いものでした。彼らに驚きと尊敬の意を持ち、なぜそう思えるのだろうと疑問を持ちました。
貧困下にあり、明日どうなるのか分からないからこそ1日1日を必死に大切に生きる彼ら。そんな彼らだからこそ、今ここに存在することに幸せを見出せる。「生きることはすごいこと」そんな大切だけれども、普段忘れてしまいがちなことを彼らから教えてもらいました。
岡井 友紀さん
まず初めに、訪れた農村の首都ナイロビとの環境の違いに驚きました。電気や水道は当然のように通っておらず、夕方に降るスコールの影響で道はぬかるみ車も動けなくなってしまうほど不便な場所でした。実際に調査が始まると、農村の方々はとても優しく、慣れていない最初の方だと2時間をも超えることがあった私たちの質問に、文句など言わず付き合ってくれました。質問項目の中には、とてもコアな部分を聞くものもあったのですが、それにも答えてくれ最後には「会いに来てくれてありがとう」と言ってくれた方もいました。
見ず知らずの日本人に家庭のことを話してくれたうえに、そんなことまで言ってくれとても嬉しかったです。農村の方たちはとにかく笑顔で私たちを迎え入れてくれました。私たちからみると、とても不便な場所で暮らしているけれど、それを不便だと思わせないような立ち振る舞いやのんびりした感じに、お金や綺麗な服、住まいが全てではなく、家族と暮らすことがなによりも幸せなのだということが伝わってきました。二度とできないであろう、このような農村調査を経験することができて本当によかったです。
劉 曉燕さん
実際の現地での農村調査を通じて感じたことがたくさんありました。まず、事前準備が不十分でした。実際に農村調査に入ると、アンケートのミスをたくさん見つけました。その多くは来る前にちゃんと避けられるものでした。また、ほかチームのアンケートの内容の理解は十分ではありませんでした。ケニアに来る前にちゃんと他チームのアンケート内容および目的を理解ないまま、調査に入るのが非常に無責任な行為でした。そのため、アンケートを取るとき、相手の回答を判断できず、正確なデータをとることができなくなりました。
また、現地の農民は協力してもらうことに感謝な気持ちを込めて、調査する前、その村の習慣などちゃんと調べ、そして従うことも非常に大事だと思います。そのため、家を訪問するとき、礼儀を正しく守リ、常に感謝な気持ちを込めて、行うことが非常に大事だと感じていました。
竹内 浩也さん
我々が農村調査に訪れたキアンバ村は選挙後暴動というものでたくさんの人が亡くなった村です。兄弟や両親を目の前で殺されたという辛い過去を遠くから来た見ず知らずの私たちに聞かせてくれました。我々が聞いただけでもショックを受ける話を彼らは目の前で経験し今もそれを背負い生きている事実にとても強い衝撃を受けました。
そんな彼らがこれからさらに豊かに生活していけるために論文を書くということでしたが、逆に彼らから学びました。実際彼らはインフラの整わない村で不便に感じることや困ることもたくさんあると言っていました。その生活を少しでも楽にしてあげたいという思いは当然浮かびました。この先のキャリアでは、そんな彼らや彼らと同じような生活を送る人の役に立てるような仕事に就きたいと考えています。