[ 建築学部 ]教員紹介

山根 周
教授

宮崎市生まれ
1991年 京都大学工学部建築学科卒
1993年 京都大学大学院工学研究科建築学第二専攻修士課程修了
1996年 京都大学大学院工学研究科建築学第二専攻博士後期課程研究指導認定退学
1996年~2012年 滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科
2012年~2021年 関西学院大学総合政策学部都市政策学科
2021年~ 関西学院大学建築学部建築学科
博士(工学)(京都大学)

 大学院時代に研究室の調査研究でパキスタンを訪れたことをきっかけに、イスラーム都市の空間構成に関心を持ち、インド、パキスタン地域における歴史都市の空間構成に関する研究で博士号取得。その後、アジアを中心に対象地域を広げながら、地域生活空間計画の視点から歴史都市、伝統的住居に関する調査研究を続けるとともに、国内では地域生活空間計画の実践として古民家再生プロジェクトなどに取り組んでいる。
 また、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスをデザインしたアメリカ人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズについての研究を展開する建築学部の「ヴォーリズ研究センター」に所属し、ヴォーリズ建築に関する研究にも取り組んでいる。

【連絡先】
yamane.s(at)kwansei.ac.jp
※ (at) は @ に置き換えて下さい。

専門領域:建築計画、地域生活空間計画、アジア住居論、アジア都市論

 地域生活空間計画とは、建築計画を基礎としながら、地域に固有の(ヴァナキュラーvernacularという用語を用います)生態環境、歴史、文化、社会、技術などに着目し、それぞれの地域における、サステナブルで、より豊かな生活空間の計画方法について考える分野です。
 世界のヴァナキュラーな生活空間の多様な形態、構成を知るために、アジアを中心とした地域において、ヴァナキュラーな建築空間、都市空間、居住空間の構成を、現地でのフィールド調査によって明らかにし、空間構成の原理についてさまざまな観点から考察しています。これまでに調査で訪れた地域は、中国、モンゴル、東南アジア、インド、イラン、中央アジア、中東地域、東アフリカ沿岸部、ヨーロッパ、南北アメリカなど、30カ国以上の広範な地域にわたっています。
 研究によって得られた知見を基礎として、それぞれの地域において地域のコンテクスト(文脈)を読み取りながら、時代にマッチし、快適で美しくサスティナブルな生活空間を創造していくことが地域生活空間計画の実践です。私の研究室では、そのような実践の試みとして、学生と一緒に古民家再生プロジェクトなどに参画しています。


中国・青島の都市景観

イラン・カーシャーンの住居

インド・ジャイサルメルの町なみ

研究テーマ:
①アジアの伝統的住居・歴史都市の空間構成に関する研究
②ウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築空間に関する研究

①については、これまで継続してきたアジアにおける歴史都市、伝統的住居に関する研究として、現在は以下のような具体的テーマに取り組んでいます。
・「東南アジアにおける港市、ショップハウスの形成と変容に関する研究」:マレーシア、シンガポール、ミャンマーなど
・「中国・青島(チンタオ)市における里院建築、里院街区の形成と変容に関する研究」
・「漂海民族バジャウの定住空間に関する調査研究」:マレーシア、フィリピンなど

②については、「ヴォーリズ研究センター」の一員として、現在「W. M. ヴォーリズのキャンパスデザインに関する研究」というテーマで、アメリカのキャンパス計画や建築デザインの系譜におけるヴォーリズのキャンパスデザインの位置づけやその空間的特質について研究しています。

keywords

地域生活空間計画、アジア、ヴァナキュラー建築、歴史都市、伝統的住居、保存再生

教育目標

「Regional Life Space Planning:ヴァナキュラーな空間の新たな可能性を求め、地域に根ざした建築・都市・生活空間を創造する」ということをテーマに、さまざまな地域の伝統的住居や歴史的都市空間の構成について関心を持ち調査研究をおこなったり、それらの保存再生に関する計画や実践に意欲的に取り組む学生を育てていきたいと思っています。

担当科目

建築計画A 建築計画B アジア建築史 建築・都市類型論 建築・都市演習「関西の都市と建築空間」 建築計画演習

研究風景/授業風景


マレーシアでの研究調査風景


演習授業での古民家改修作業風景