Kコース講座紹介

法の責任と個人の責任ー価値選択と法

                  

【担当講師】 丸田 隆関西学院大学名誉教授・元司法研究科教授

講義概要

今回のテーマは学部やロースクールの授業ではお目にかかれないライフワークスクールならではのものです。多様な問題について一方的講義ではなく皆さんに積極的に考えを言ってもらう授業です。

講義のポイント

一人で離れ小島に住む場合は別として、私たちは、家族であれ、友人であれ、隣人であれ、他者とのかかわりなく生きて行くことはできません。この人との関わりにおいて私たちがすべきこと、すべきでないことの決定は第一義的にはそれぞれの価値観に任されています。他方で、法律のような国家的規範がこの個人の価値観と衝突する場合があります。法はいかなる場合も絶対なのか、人の価値観が法を超える場合があるのかなどについて具体的な事例を検討することで一緒に考えていきましょう。

2025年度後期 K.G.ライフワークスクール パンフレット

受講料・定員

〇受講料/12,700円(卒業生11,700円) 〇定員/30名 

各回の講義予定

開催場所:大阪梅田キャンパス

日程      時間 講座内容
1 11/7(金) 13:20

14:50
はじめに―救助義務と個人の責任 1 この授業テーマの目的
2 トロッコケース
3 不法行為法の構成
4 救助義務と責任―人はどこまで他者を救うべきか
2 11/14(金) 弁護士のジレンマ―法と倫理 1 民事弁護士の苦悩―何でも依頼者の指示に従うべきか
2 刑事弁護人の苦悩
3 弁護士倫理と依頼者の利益の相克
3 11/21(金) 医療の場の自己決定権 1 医療の場の自己決定権
2 患者の希望と医師の決断
3 医療倫理と医師としての使命感の相克
4 12/5(金) 公務員無責の構造 1 上司の命令は絶対か
2 取り調べと人権の保護
3 公務員の免責性とは
4 司法関係者の責任と国家賠償訴訟の構造
5 12/12(金) お金で幸せを買えるか 1 自由市場主義の特徴
2 臓器や血液の売買
3 お金で買えるもの・買えないもの
4 むすびーまとめに代えて

講師プロフィール

アメリカに留学してから陪審制度に関心を持ち、学部教員時代には授業に模擬陪審裁判を取り入れ、学生たちに人前で自分の考えを明確に表現する能力の鍛錬を30年以上にわたって行ってきました。実務では、刑事裁判(被疑者弁護、国選弁護人)のみならず民事(契約・雇用問題、離婚、相続)及び国際法務(国際契約や日本人や日本企業のアメリカでの訴訟活動補佐)を行っています。私は、アメリカの法制度の現実を、ミシガン・ロースクール、ハーバード・ロースクール、コロンビア・ロースクール、ニューヨーク(NYU)・ロースクール客員研究員等の体験を通じて学んできました。著書としては、『陪審裁判を考える』(中公新書)、『裁判員制度』(平凡新書)、『アメリカ陪審制度研究』(法律文化社)、『アメリカ民事陪審制度』(弘文堂)、『アメリカ法の考え方:現代アメリカ法入門』(日本評論社)及び『アメリカ憲法の考え方』(日本評論社)があります。

お申込み・オンライン決済について

  ★お申込みは先着順とさせていただきます。
  ★締切日は各コースによって異なります。
  ★お支払方法はクレジットカードもしくはコンビニ決済(現金払い)からご選択ください。
   なお、コンビニ決済の場合は受講料に加えてシステム利用料が発生します。
  ★コンビニ決済に必要なコード等の有効期限は申込日の2日後の23:59までです。

こちらから「申込・決済」へお進みいただくことができます。 オンライン申込・決済となりますので、クレジット決済をご希望の方はお手元にクレジットカードをご準備のうえ、お申込ください。  ※コンビニ決済[現金払い]可能。

その他注意事項

◆お申込みが一定数に満たなかった場合、原則としてそのコースは不開講となります。
 不開講となる場合は、速やかにメールでお知らせします。
◆よくあるご質問はこちらをご覧ください。
  https://www.kwansei.ac.jp/lifelonglearning/kglifeworkschool#10004