Eコース(Olivier Birmann先生)講座紹介
19世紀フランス小説の文体・文章を原文で愉しむ
【担当講師】 Olivier Birmann関西学院大学元文学部教授
※授業はフランス語で行いますが、テクストの日本語訳もお渡しします。日本語でのコメントや質問も歓迎です。頑張って答えてみます。
講義概要
文体研究:スタンダール、バルザック、フローベール。彼らが表現する人生のさまざまな価値観、世界と言葉の力の認識を明らかにすることを目指します。講義のポイント
私たちは音楽を聴くとき、ほんの数節を聴くだけで、それを作曲したのが誰であるのか(バッハなのか、モーツァルトなのかなど)を認識することができます。音楽(声)には作曲家それぞれの個性があり、音楽を聴く私たちはそれぞれ、あちらよりこちらの作曲家をより好む、ということがあります。それによって自分の「嗜好・美的感覚」(goût)が明らかになり、自分自身をより深く理解できるようになります。それは文学でも同じで、スタンダール、バルザック、フローベールそれぞれに「小さな音楽」があり、それぞれに価値観や世界、言葉の力の認識があります。それを明らかにすることがこの講座の目標です。
2025年度前期 K.G.ライフワークスクール パンフレット受講料・定員
〇受講料/15,300円(卒業生14,000円) 〇定員/30名各回の講義予定
開催場所:大阪梅田キャンパス
回 | 日程 | 時間 | 講座内容 | |
---|---|---|---|---|
1 | 6/03(火) | 11:00 ~ 12:30 |
『感情教育』 |
作品全体の構成、話の運び方を分析する。連続性を絶対に保つという選択。 |
2 | 6/10(火) | 『感情教育』 (フローベール)その2 |
作品全体の文章・文体の特徴を分析する。幾何学的かつ音楽的に構築された小説。 | |
3 | 6/17(火) | 『アンリ・ブリュラールの生涯』 (スタンダール)その1 |
スタンダールの作品における価値観、世界と言葉の力の認識。 | |
4 | 7/01(火) | 『アンリ・ブリュラールの生涯』 (スタンダール)その2 |
作品全体の文章・文体の特徴を分析する。不連続性、飛躍とスピードの選択。 | |
5 | 7/08(火) | 『谷間の百合』 (バルザック) |
バルザックの作品における価値観、世界と言葉の力の認識。文章・文体の特異性について。 | |
6 | 7/15(火) | 「嗜好・美的感覚」 (goût)について考える |
個々の文学作品の特異性を理解することによって「自分自身の内面を読み取る」ことについて考察する。 |
講師プロフィール
私には二つの学生生活がありました。一つ目の学生生活では、パリで文学と哲学の研究、とりわけ19世紀から20世紀のフランス詩 — ボードレールからジャコテまで — の研究をしました。二つ目の学生生活は30代で、日本語と日本語学を学び、特に日本の文学作品における間接話法のさまざまな形式について研究しました。その後、関西学院大学の教員になり、フランス文学の授業やフランス語学の演習を担当しました。現在、私は大阪の関西日仏学館でフランス文学(ここ10年は主にスタンダール、バルザック、フローベールの小説)を教えている他、日本文学のフランス語への翻訳の講座も担当しています。なぜ私が30歳ごろに日本語と日本文学に飛びついたのか自分でもよくわかりせんが、フランスを離れて、新しいビタミン(栄養素)の存在を感じた別の土地(territoire)に行きたいという欲求が第一にあったのだと思います。漢字と仮名の「雨」の線を繰り返し上から下までたどり、線と線のつながりによって意味がどのように構築されるかを観察することが、今日までずっと私を魅了し続けていることです。
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