2021.10.09.
【実施報告】災害支援フォーラム「継続的な活動が生み出した学生と被災者の新たな支援の形」~『熊本地震現地ボランティア』4年間の活動を振り返って~

10月9日(土)、オンラインで関西学院大学主催の災害支援フォーラムを開催し、活動に取り組んだ学生や卒業生、ボランティアを受け入れた熊本の関係者、災害支援に関心がある学生・教職員・一般の方々など、約80人が参加しました。
関西学院大学では、2016年度~2019年度の4年間、熊本地震現地ボランティア活動に取り組んできました。計15回の活動に参加した学生数の合計は延べ302名。多くの学生と取り組んできた現地ボランティアでは、学生と被災者による新たな支援の形が生まれました。
このフォーラムでは、活動を振り返りながら、継続的な関わりだからこそできること、大学や学生が関わるからこそできること、そしてこれからの災害支援について皆さんと共に考えました。
下記ページ内でのご紹介に加えて、KGニュースでも詳報を掲載しているのでご覧ください。
被災地に寄り添った4年間~熊本地震現地ボランティアを振り返る災害支援フォーラムを開催 | 関西学院大学 (kwansei.ac.jp)

見逃し配信(アーカイブ)

※公開期間は2022年3月31日までです。
※第3部は見逃し配信を行っていません。

第1部 私たちと益城町の4年間

第1部では、熊本地震現地ボランティアに参加した学生と卒業生から活動報告を行いました。熊本地震の概要、現地ボランティアのはじまり、具体的な活動内容、伝えたいことなどを写真や資料を用いて発表しました。最後に伝えたいこととして、学生だからこそ「やりたいことを実現できる時間と環境」があるので活動に継続して参加することができ、活動する中では「地域と世代を超えたつながり」をつくることができることなどをお話しました。

https://youtu.be/m3u95SvzxKI?t=418

第2部 継続的な活動が生み出した学生と被災者の新たな支援の形

第2部では、パネルディスカッションとして下記の皆様にご登壇いただき活動を振り返りながら、継続的な大学と学生による活動の意義についてそれぞれの視点からご意見を伺いました。
・室崎 益輝 氏(兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科長・教授)
・佐藤 忍 氏(熊本YMCA 元・木山地域支え合いセンター、現・益城町総合運動公園担当)
・宮﨑 律子 氏(益城町住民 元・馬水東道仮設団地集会所館長)
・関 嘉寛(ヒューマン・サービス支援室長・社会学部教授)
・堀之内 有希 氏(2016~2019年度 ヒューマン・サービス支援室ボランティアコーディネーター)
・第1部に登壇した学生、卒業生

宮﨑さん・佐藤さんからは学生たちが来ることを住民の皆さんが楽しみにしていたこと、人とのつながりの絆ができたことを感じ取っていてくれたら嬉しいということなど、益城町の皆さんが学生たちにどのような思いで接していたかを伺うことができました。また、関室長や堀之内さんからは、大学として「何かしたい」という学生の後押しをすることで、学生たちの人生が変わるほどの大きなきっかけができること、支援する人-される人ではなく、個人-個人の関係性がうまれ、そのような人との出会いを通じて大学と被災地が共に学生を育てることなど、大学として活動を継続することや学生が支援に関わることの意義が対話の中から見えてきました。

https://youtu.be/m3u95SvzxKI?t=2393

第3部 私たちが紡ぐ未来~学生ボランティアができること~

第3部では、Zoomのブレークアウトルームの機能を用いて、「学生ボランティアだからこそできる災害支援活動」「これから、自身や周囲の方と取り組みたいこと」についての意見交換会を行いました。

【学生ボランティアだからこそできる災害支援活動 として出た意見(一部抜粋)】
・大人でも子供でもない間なので、どの世代にも受け入れてもらいやすく、多世代と交流できる
・名刺や肩書がないので、個人対個人のフラットな関係性で話すことができる
・フットワークが軽く、時間の調整がしやすいので「とりあえず現地へ行く」ことができる
・身近な場所で災害が起こった時に自分事にでき、大学周辺を支えられる
・大学の施設等を利用することで学生同士が集まりやすく、準備や打合せ、振り返りがしやすい

※第3部は見逃し配信を行っていません。

第4部 学生ボランティアが被災地に関わる意味

第4部では、室崎先生に全体のまとめとして「学生ボランティアが被災地に関わる意味」についてご講演いただきました。重要なポイントとして5つのキーワードをもとにお話していただきました。
➀ 共感と信頼
② 現場で学んだことを 大学に・社会に・人生に 活かす
③ 下ごしらえと振り返り(ボランティアサイクル)
④ 支援の多様性と自発性
⑤ 人のつながりとチームプレー

https://youtu.be/m3u95SvzxKI?t=5222

大交流会

オプション企画として、現地ボランティアに参加したことがある学生・卒業生と益城町の佐藤さん、宮﨑さんで交流する時間を設けました。
当時一緒に折り紙を折った話やダンスを踊った話、仮設住宅で住民の方々に実施した企画についてサポートしていただいた話など思い出話に花が咲きました。当時のことを懐かしむとともに、「コロナ禍が落ち着いたら会いに行きたい」という学生や卒業生の声に宮﨑さんや佐藤さんからは「待ってるから、いつでもおいで」と温かいお言葉をいただきました。

フォーラムにご参加いただいた皆様、そして熊本地震現地ボランティアに関わってくださったすべての皆様、本当にありがとうございました。
これで終わり、ではなく、これからに繋げることができるようにヒューマン・サービス支援室は学生の皆さんと共に災害支援の歩みを続けていきたいと思います。


◎詳細
日程:10月9日(土)13:30~16:15
場所:Zoom会議にてオンライン開催
主催:関西学院大学
参加費:無料
参加者:約80名