2018.11.13.
文化イベント「デフリンピックを知ろう」を開催しました

文化イベント「デフリンピックを知ろう」のご報告(前半)

【文化イベント「デフリンピックを知ろう」を開催しました】

 去る11月3日(祝・土)、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスにおいて、手話言語研究センター主催「文化イベント『デフリンピックを知ろう』」を開催しました。ちょうどこの日は本学の大学祭「新月祭」期間中で、キャンパス内は朝から屋台やバンド演奏で大賑わいでした。その新月祭に乗っかり、我々もキャンパス内の総合体育館で1日イベントを行いました。

 全体の総合司会は、本学人間福祉学部の溝畑潤先生が担当してくださいました。溝畑先生はデフラグビーの国際試合審判を務めたことがある方です。
 イベントは四部構成になっていましたので、各部を順番に紹介していきます。まずは第一部と第二部です(第三部と第四部は後日アップ予定です)。

<第一部:講演「デフリンピックを知ろう」>
講師:古 隆喜さん(第23回夏季デフリンピック競技大会サムスンデフリンピック2017日本選手団広報担当)

 ご自身もデフリンピック出場経験をもつ古(ふる)隆喜さんに、「デフリンピックを知ろう」と題して講演をしていただきました。デフリンピックの知名度は少しずつ高くなっているものの、パラリンピックやスペシャルオリンピックスに比べるとまだまだ低く、最近の調査でも認知度は12%にも届きません。ですが、実はパラリンピックよりも古い歴史を持つ、ろう者のための国際的なスポーツ大会です。
 古さんからは、デフリンピックの概要や種目についての説明があり、続いて、おそらく聴者が一番疑問を抱くであろう「音が聞こえないのにスタートはどうするのか?」など、「音」やコミュニケーションに関する説明があり、会場からは「なるほど」のうなずきがあちらこちらで見られました。
 具体的には、デフリンピックの出場条件として、補聴器や人工内耳などを全て外して競技に出なければならないため、聴覚はほとんど頼りになりません。つまり、必要な情報は視覚を通して受け取ることになります。例えばスタートでは赤・黄・青のライトが点滅しそれが合図になったり、旗を用いて合図としたり、国際手話が共通言語になっていること、などです。
 その後、昨年開催された「サムスンデフリンピック2017」の様子を、写真を交えながらお話しいただきました。
 最後に今後の課題として、選手は通常のオリンピック選手と違い、旅費や滞在費は自身で負担しなければならないことや、手話通訳者の確保の難しさなどが挙げられました。デフリンピックの知名度が低いために、聴者と同じアスリートでありながら金銭面でサポートが得られなかったり、周りの理解がなかなか進まないのではと思います。デフリンピックの実情を知り、周囲にその存在を伝えていくことで、知名度アップにもつながるのではないかと思いました。
古さん、素晴らしい講演をありがとうございました。

<第二部:バレーボール親善試合   デフバレーチーム vs. 関学バレーボール部>
 デフバレーチーム(男子)対関学体育会男子バレーボール部の親善試合を行いました。始めに、サムスンデフリンピック2017にて、デフバレー男子チームの手話通訳を務めた、当センター専門技術員の平英司より、デフバレーについてのミニ解説がありました。アイコンタクトの大切さや、ろう者ならではのコミュニケーション方法など、聴こえないならではのプレイの仕方がよく分かるお話でした。
 その後、小学生の水野文寧さんと当センタースタッフによる始球式を経て、いよいよ親善試合です。始球式の後3セット対戦し、接戦の末に関学バレーボール部が勝利しました。
 デフバレーチームのコミュニケーションの様子を見ていると、日頃、聞こえる人たちのチームでプレイしている選手もおり、声での掛け声も時々見られましたが、平の解説にもあったとおり、視線を合わせながら手話を交えて指示や合図を送っている様子を眼の前で見ることができました。デフバレーチーム、関学バレーボール部の皆様、審判の方、素晴らしい試合をありがとうございました。

(続く)