2018.06.29.
リングアパックス・アジア 2018年度国際シンポジウムで発表しました

会場となった筑波大学「大学会館」

会場となった筑波大学「大学会館」

去る6月23日(土)筑波大学において、第10回目となる「リングアパックス・アジア 2018年国際シンポジウム」が開催され、当センター長の山本雅代・専門技術員の川口聖・下谷奈津子がそれぞれ発表をしてまいりました。

今年のテーマは「待ったなしのバイリンガル教育:バイリンガリズムとバイリンガル教育における喫緊の課題」。朝9時から夜6時半まで、バイリンガルにまつわる学術的な発表やディスカッション、計4セッションが組まれ、加えてポスター発表もありました。
当センターは、最後の1セッションを担当させていただきました。このシンポジウムに「手話言語」に関する発表が加わったのは今回が初めてということで、何とも光栄なこの機会を与えてくださった、主催の「リングアパックス・アジア」の皆様には本当に心から感謝するばかりです。

山本雅代センター長の発表「Bilingualism in Japan」

山本雅代センター長の発表「Bilingualism in Japan」

まずはバイリンガリズムを専門とする山本雅代当センター長の発表でした。これまでバイリンガルというと、音声言語ばかりが注目されてきましたが、「言うまでもなく、手話も言語です」という力強いメッセージがスクリーンに出され、「そして音声言語と手話言語のバイリンガルという人たちがいます」という締めくくりのバトンを受け取り、ろう者の立場から専門技術員の川口聖が、聴者の立場から下谷奈津子が、それぞれの第二言語習得について発表させていただきました。

川口専門技術員の発表「私は歩けるようになる前からろう者です。私の母語は何ですか?」

川口専門技術員の発表「私は歩けるようになる前からろう者です。私の母語は何ですか?」

さらに、当シンポジウムの使用言語は英語または日本手話ということで、英日通訳・手話通訳・英語文字通訳と、3種の情報保障を設定しました。

下谷専門技術員の発表「2つの違うモダリティを持つ第二言語たち」

下谷専門技術員の発表「2つの違うモダリティを持つ第二言語たち」

ここで、参加者からのアンケートの一部を紹介します。
~今回このシンポジウムに手話について取り上げらたことについて~
・It's a great addition to the symposium and I am very interested in the topic.(手話にも大変興味があるので、非常に素晴らしいと思います。)
・As a hearing person studying linguistics, it was very interesting to listen to presentation on sign language.(聴者の言語学者として、大変興味深いお話聞くことができました。)
・Extremely meaningful - The bilingualism of the deaf population should be given more attention.
(これは大変意義深いです。ろう者のバイリンガルについて、今後もっと取り上げられていくべきたと思います。)
・手話のバイリンガルの方々がいらっしゃるということに関しては少し知っていたが、実際にお話を聞く機会がなかったので、今回大変興味深く拝聴しました。

手話言語研究センターの紹介ポスターも掲示させていただきました!

手話言語研究センターの紹介ポスターも掲示させていただきました!

今回、こうした貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。
また、当センターのPRポスターも同時に掲示させていただいたことも、重ねて感謝申し上げます。

最後に、準備に当たり多大なるご協力をいただきました、筑波大学の関係者の皆様、日英通訳の皆様、手話通訳の皆様、文字通訳の皆様に心からお礼を申し上げます。