2017.05.16.
手話言語研究センター「文化イベント」を開催しました

 去る5月14日(日)、関西学院大学梅田キャンパスにおいて、「文化イベント ~手話落語の世界をのぞいてみよう~」を開催いたしました。当日は定員の80名を超える参加があり、大盛況のうちに終了する事ができました。

古典落語『江戸つる』を披露する櫻鶯亭球箱(おうおうてい ぼるぼっくす)さん

古典落語『江戸つる』を披露する櫻鶯亭球箱(おうおうてい ぼるぼっくす)さん

 
 まずは前座として、関西学院大学甲山落語研究会から、櫻鶯亭球箱(おうおうてい ぼるぼっくす)さん・櫻鶯亭右蝶(おうおうてい うちょう)さんのお2人に来ていただき、それぞれ『江戸つる』『蝦蟇の油』を披露いただきました。

古典落語『蝦蟇の油』を披露する櫻鶯亭右蝶(おうおうてい うちょう)さん

古典落語『蝦蟇の油』を披露する櫻鶯亭右蝶(おうおうてい うちょう)さん

 
 日本語の古典的表現に学生の元気な語り口が見事にマッチし、大変面白く、関学甲山落語研究会の実力がうかがえる素晴らしい席でした。

上方手話落語代表 デフ一福さん

上方手話落語会代表 デフ一福さん

 続いて、上方手話落語会代表のデフ一福さんをお招きし、手話落語にて古典落語『芝浜』と創作落語『大仏のほくろ』を披露いただきました。手話落語を初めて間近で見た方も多かったのではないでしょうか。デフ一福さんの全身から溢れるエネルギーと巧みな手話表現に、会場は笑いの渦に包まれました。
 

古典落語『芝浜』、創作落語『大仏のほくろ』の手話落語を披露いただきました

古典落語『芝浜』、創作落語『大仏のほくろ』の手話落語を披露いただきました

 「落語」という共通の伝統技能を通じて、日本語と日本手話、また聴者の文化とろう者の文化を感じることのできた全公演だったと思います。

 その後、落語愛好家でもある関西学院大学名誉教授の根岸紳先生をお迎えし、演者の三方にも入って頂いて、森本当センター副長司会のもと対談をおこないました。デフ一福さんからは、手話落語との出会い、これからの手話落語について興味深いお話をいただけました。ろう者の手話落語に初めて触れられたという根岸先生は、デフ一福さんが全身で語られる姿や顔の表情に大変感心されたご様子でした。また、櫻鶯亭球箱さん・櫻鶯亭右蝶さんのお2人も、手話と言う言葉と所作を同じ手で表現しなければならないという点に感動された様子でした。

左から 根岸紳関西学院大学名誉教授、デフ一福さん、櫻鶯亭右蝶さん、櫻鶯亭球箱さん、森本当センター副長

左から 根岸紳関西学院大学名誉教授、デフ一福さん、櫻鶯亭右蝶さん、櫻鶯亭球箱さん、森本当センター副長

 ろう者として初のプロ落語家として、ろう者にも日本の古典落語を理解して笑ってもらうために日々手話表現などの研究をされているデフ一福さん。夢を熱く語られる姿に会場から拍手が湧き起りました。

お越しいただきました皆様、本当にありがとうございました。
今後のイベントも是非お楽しみに。

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