2020.10.06.
第 3 回手話学コロキアム「学校・家庭内におけるフィールドワーク研究」を開催しました【オンライン】

去る 9 月 27 日(日)関西学院大学手話言語センター主催の手話学コロキアムをZoom(ウェビナーおよびミーティング)で行ないました。この手話学コロキアムは、手話使用者に手話研究の意義や魅力を伝えることを目的にし、昨年より開催されたもので、第 3 弾となる今回は「学校・家庭内におけるフィールドワーク研究」というテーマで、金沢大学の武居渡先生と宮城教育大学の松﨑丈先生をお迎えし、講演やワークショップを行ないました。 第1部 60 名、第2部 20 名の定員が、受付開始からわずか1日で定員に達し、関心の深さを感じました。 第1部の講演は Zoom ウェビナー形式で行なわれ、武居先生からは「手話獲得研究の方法論」と題し、未就学の高齢ろう者の姉妹が家庭や地域で使用しているホームサインの研究事例を通して、研究手法を分かりやすくお話していただきました。実際の事例の中で、指差しや身振りをどのように数値化し、分析していくかなど具体的なお話があり、とても参考になりました。
       
参加者の感想を一部紹介します。
・初心者にもとてもわかりやすいお話でした。もっと手話分析の方法論について学べるところが増えるといいなと思いました。
・大変わかりやすいご説明で、研究の「面白さ」を十二分にお伝え頂きました。

松﨑先生からは「ろう重複障害の子どもたちの手話をどう捉えるか」というテーマで、ろう重複の子どもの手話を分析した事例をお話していただきました。具体的なお話を通して研究手法や研究姿勢を示してくださり、「一見、曖昧や未熟に見える行動でもその人なりの秩序がある」という言葉が印象的でした。
参加者からも、
・先生の知見が広がり、先生のような分析や研究する方、専門家が増えること、そして日々格闘している私達のような現場の者に、ヒントを多く頂けるようになることを願っています。
・手話研究が教育現場でどのように役立てられているかが明瞭に伝わるご講演であったように思いました。
といったコメントをいただきました。

第2部は、Zoom ミーティングを活用し、ろう者グループと聴者グループに分かれ、それぞれ講師を囲んでワークショップ(ディスカッション)を行ないました。 各グループで様々な質問や議論が飛び交い、時間がいくらあっても足りないほど大いに盛り上がりました。

以下、参加者の感想(一部抜粋)です。
・オンラインでの初めての感覚で、講師交代で話せるなんて良いと思いました。
・第一部の研究方法だけでなく、第二部で研究者自身の考え方をも聞けたことが私にとっては大きいです。
・大変有意義な時間でした。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。