大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例

[ 編集者:人権教育研究室       2011年7月21日 更新 ]

太字は平成23年3月22日公布の改正部分をあらわす。

昭和六十年三月二十七日
大阪府条例第二号

最新改正 平成二十三年三月二十二日
大阪府条例第二十二号

目次

第一章 総則(第一条-第四条)
第二章 興信所・探偵社業者(第五条-第十一条)
第三章 土地調査等(第十二条-第十六条)
第四章 雑則(第十七条ー第二十一条)
附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、同和地区に居住していること又は居住していたことを理由になされる結婚差別、就職差別等の差別事象(以下「部落差別事象」という。)を引き起こすおそれのある個人及び土地に関する事項の調査、報告等の行為の規制等に関し必要な事項を定めることにより、部落差別事象の発生を防止し、もって府民の基本的人権の擁護に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 同和地区 歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域をいう。
 二 興信所・探偵社業 府の区域内において、他人の依頼を受けて、個人調査、法人調査その他いかなる名目の調査であるかを問わず、特定の個人についてその信用、資産、経歴、素行その他の個人に関する事項を調査し、かつ、報告する営業をいう。
 三 興信所・探偵社業者 興信所・探偵社業を営む者をいう。
 四 土地調査等 府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告することをいう。

(府、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の責務)

第三条 府は、国及び市町村と協力して、第一条の目的を達成するため必要な啓発に努めるものとする。
2 興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者は、その営業について、社会的責任を自覚し、第一条の目的に反する行為をしないよう努めなければならない。
3 府民は、第一条の目的に反する調査又は調査の依頼をしないよう努めなければならない。

(適用上の注意)

第四条 この条例の適用に当たっては、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の自由と権利を不当に侵害するようなことがあってはならない。

第二章 興信所・探偵社業者

(自主規制)

第五条 興信所・探偵社業者の組織する団体は、その構成員である興信所・探偵社業者に次に掲げる事項を遵守させるため必要な規約を設定するよう努めなければならない。
 一 特定の個人又はその親族の現在又は過去の居住地が、同和地区にあるかないかについて調査し、又は報告しないこと。
 二 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。
2 興信所・探偵社業者の組織する団体は、その構成員である興信所・探偵社業者に前項の規約を遵守させるため必要な指導を行うよう努めなければならない。
3 興信所・探偵社業者の組織する団体は、第一項の規約を設定したときは、速やかに、当該規約の内容その他の規則で定める事項を知事に届け出なければならない。その届出に係る事項を変更し、又はその届出に係る規約を廃止したときも、同様とする。

(届出)

第六条 興信所・探偵社業者を営もうとする者は、あらかじめ、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 営業所の名称及び所在地
2 前項の規定による届出をした興信所・探偵社業者は、同項各号に掲げる事項に変更を生じたとき、又はその営業を廃止したときは、その日から十日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。

(遵守事項)

第七条 興信所・探偵社業者は、その営業に関し、第五条第一項各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
2 興信所・探偵社業者は、その営業に関し従業者に第五条第一項各号に掲げる事項を遵守させるため必要な指導及び監督を行わなければならない。

(帳簿等の備付け)

第八条 興信所・探偵社業者は、規則で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する帳簿及び従業者名簿を備え、規則で定める事項を記載しなければならない。

(指示、営業停止及び聴聞の特例)

第九条 知事は、興信所・探偵社業者が第七条第一項の規定に違反したときは、当該興信所・探偵社業者に対し必要な指示をすることができる。
2 知事は、興信所・探偵社業者が前項の指示に従わないときは、当該興信所・探偵社業者に対し、一月を超えない範囲内で期間を定めて、その営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
3 知事は、前項の規定による処分をしようとするときは、大阪府行政手続条例(平成七年大阪府条例第二号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

(指導及び助言)

第十条 知事は、興信所・探偵社業者の組織する団体に対し第五条第一項の規約の設定について、興信所・探偵社業者に対し第七条第二項の指導及び監督について必要な指導及び助言をすることができる。

(報告の徴収等)

第十一条 知事は、第七条の規定の実施に必要な限度において、興信所・探偵社業者に対しその営業に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、興信所・探偵社業者の営業所に立ち入り、帳簿及び書類(これらの作成又は備付けに代えて電磁的記録(電子方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は備付けがされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。)
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

第三章 土地調査等

(遵守事項)

第十二条 土地調査等を行う者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 一 調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかについて調査し、又は報告しないこと。
 二 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。
2 土地調査等を行う者は、その営業に関し従業者に前項各号に掲げる事項を遵守させるため必要な指導及び監督を行わなければならない。

(指導及び助言)

第十三条 知事は、土地調査等を行う者に対し、前条第二項の指導及び監督について必要な指導及び助言をすることができる。

(報告の徴収)

第十四条 知事は、第十二条の規定の実施に必要な限度において、土地調査等を行う者に対し、必要な事項の報告又は資料の提出を求めることができる。

(勧告)

第十五条 知事は、土地調査等を行う者が第十二条第一項の規定に違反したときは、当該者に対し、当該違反に係る行為を中止し、その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

(事実の公表)

第十六条 知事は、土地調査等を行う者が第十四条の規定による要求に正当な理由なく応じなかったとき、又は前条の規定による勧告に従わなかったときは、その事実を公表することができる。 2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。

第四章 雑則

(規則への委任)

第十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第十八条 第九条第二項の規定による命令に違反した者は、三月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第十九条 第十一条第一項の報告若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による検査若しくは質問を正当な理由なく拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。

第二十条 次の各号の一に該当する者は、科料に処する。
 一 第六条第一項の規定に違反してあらかじめ届出をせず、又は同条第二項の規定に違反して変更若しくは廃止の日から当日以内に届出をしなかった
 二 第八条の規定に違反した者

(両罰規定)

第二十一条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、昭和六十年十月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に興信所・探偵社業を営んでいる者に関する第六条第一項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「昭和六十年十一月三十日までに」とする。

附 則(平成四年条例第三号)

この条例は、平成四年四月一日から施行する。

附 則(平成七年条例第三号)

この条例は、平成七年十月一日から施行する。

附 則(平成十七年条例第四号)

この条例は、平成十七年四月一日から施行する。

附 則(平成二十三年条例第二十二号)

この条例は、平成二十三年十月一日から施行する。