2019年度大学主催秋季人権問題講演会とワークショップ(広瀬浩二郎 氏)

日時:
2019年11月14日(木) 13時30分 ~ 2019年11月14日(木) 15時00分
場所:
西宮上ケ原キャンパス 大学図書館ホール

西宮上ケ原キャンパス開催

■総合テーマ: Towards the Realization of Human Rights
         -人権保障の実現を目指して(2015~2019年度)

■講   師: 広瀬 浩二郎 氏(国立民族学博物館 グローバル現象研究部・准教授)

■題   目:「『未開の知』に触れる-2020東京オリパラを迎える前に 」


<講演内容>
 東京オリンピック・パラリンピックの開催が来年に迫り、各方面で障害者に対する関心が高まっています。「インクルーシブ」「ユニバーサル」などの語もよく耳にするようになりました。オリパラのお祭り騒ぎを単なる一過性のブームで終わらせないためにも、「障害」を異文化として積極的にとらえる視座が大切なのではないでしょうか。
 20世紀、人類はアビリティ(能力=できること)をひたすら拡張してきました。その流れの中にオリンピックがあるともいえます。アビリティを追い求める発想から必然的に零れ落ちてしまうのがディスアビリティ、すなわち「障害」です。既存の社会システムに「障害」を取り入れることにより、人間が依拠するアビリティの定義は再考を迫られるでしょう。
 本講演では「未開の知」をキーワードとして、全盲の私自身の体験談を紹介しつつ、「障害」の意味を多角的に考えます。


<講師紹介>
 自称「座頭市流フィールドワーカー」、または「琵琶を持たない琵琶法師」。1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。現在はグローバル現象研究部・准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。『障害者の宗教民俗学』『目に見えない世界を歩く』『さわって楽しむ博物館』(編著)『知のスイッチ』(共編著)など、著書多数。


【一般参加可・申込不要・入場無料】

*本講演会では手話通訳・パソコンテイクによる情報保障を予定しています。
 また、録音、録画を行い図書館資料として保存しますのでご活用下さい。


≪ワークショップ開催≫
無視覚流で世界の感触を楽しもう!-「野生の勘」を取り戻すために

◆日時:2019年11月21日(木)
     ①午後1時30分~午後3時00分
     ②午後3時10分~午後4時40分
◆定員:各回20名(事前申込制/先着順)
◆申込方法:参加希望の回(①か②)、お名前(ふりがな)、メールアドレス、電話番号を記載し、
      human-rights@ (@以下はkwansei.ac.jp)(関西学院大学人権教育研究室)までメールをお送りください。

■ワークショップ内容
 近代とは視覚優位、視覚偏重の時代です。近代化のシンボルとして成立・発展したミュージアムでは、視覚的に「見る/見せる」展示が大前提とされています。近代人が当たり前としてきた見識・見解を問い直し、新たな世界観・人間観を提示するのが「ユニバーサル・ミュージアム」です。
 本ワークショップでは関学博物館が所蔵する資料にさわる体験を通じて、「ユニバーサル=感覚の多様性が尊重されること」の意義を楽しく学びます。人類が本来持っていた「野生の勘」を取り戻すことができれば、私たちの日常生活はユニバーサルなものになるでしょう。関学の「豊かな感触」をじっくり味わうことから、私たちのユニバーサル化の第一歩が始まります!


■お問い合わせ
人権教育研究室
TEL 0798-54-6720  E-mail human-rights@ (@以下はkwansei.ac.jp)

2019年度大学主催秋季人権問題講演会(広瀬浩二郎氏)・ワークショップ ちらし[ 291.27KB ]PDFリンク