スパニッシュ・ミッション・スタイル

本来はアメリカ・カリフォルニア州の太平洋沿岸のEl Camino(王の道)と呼ばれる要路にそって点在する、18世紀から行われたカトリック伝道の拠点となったミッション(修道院)の建築様式にちなむもので、クリーム色外壁とスペイン風赤瓦を特色としています。 1929年、上ケ原にキャンパスを移転する際、設計者のW.M.ヴォーリズにより校舎の統一基本デザインとして採用されました。 以後、上ケ原さらに神戸三田キャンパスの各校舎のデザインもほぼこれによってなされ、関西学院両キャンパスの一体感を生み出すものとなっています。

スパニッシュ・ミッション・スタイル

ヴォーリズ建築の息吹を感じる

上ケ原キャンパスの時計台は、1929年の移転に際して図書館として建てられました。W.M.ヴォーリズによるキャンパス構想の基点として大学全体を一望できる中心的存在に位置づけられています。建築様式はスパニッシュ・ミッション・スタイルを基調とし、各所には美しい意匠が施されています。時計台塔上部にはモザイクタイルの小ドームを据え、頂きに学院のシンボルマークの新月を冠したクロス、さらに建物に入ると1階ロビーには愛らしい模様のタイルが敷き詰められています。正面の階段を上ると吹き抜けの空間があらわれ、2階展示室(旧図書館閲覧室)には白塗りの高く美しい天井が広がっています。ぜひ建物の細部にも着目してください。

時計台は2009年6月19日に「登録有形文化財」に登録されています。