2018年度のFD活動報告

[ 編集者:高等教育推進センター       2019年3月29日   更新  ]

2018年度FD活動報告

関西学院大学では各研究科、各学部・教育研究機関等が独自に工夫を凝らしたFD活動に取り組んでいます。以下に各研究科、各学部・教育研究機関等の取り組みを報告します。

神学研究科

 神学研究科では、研究科スタッフを対象に次の研修会を開催した(いずれも神学部と合同)。
 第1回(2018年6月6日)テーマ「アクティブ・ラーニングの導入:高等学校における学習環境の変化と大学教育」
 高等教育推進センターよりスタッフを招き、高等学校での学習状況の変化と大学への接続について学んだ上で、本研究科における受講生とアクティブ・ラーニングの適用、「カレッジ・コミュニティ調査」、主体的な学びについて活発な意見交換を行った。
 第2回(2018年11月7日)テーマ「高等学校における教育改革及び大学入学者選抜改革への取り組み」
 高大接続センタースタッフからの、教育改革の背景、主体性評価及び高等学校でのポートフォリオ記入、高大接続のあり方などにおける発題をもとに、研究科教育の観点からも実りある学びの機会となった。なお、この日には、研究活動上の不正行為防止への取り組みに関する研修も行った。
 また、3月4日には、2019年度に授業を担当する非常勤講師を対象に、シラバス第三者チェック及びシラバス記入のポイントを説明の上で、各担当授業における現状と課題について情報を共有した。

文学研究科

 3年前より義務化した研究進捗状況報告書提出を今年度も継続し、大学院生の研究進捗状況を把握し、各教員が担当学生の指導を有効に行うための指針としている。年に2回実施される「学生による授業評価」アンケートに関しては、領域毎に回答者の数にかなりばらつきがあるが、学生と教員の関係は研究分野によって異なることもあり、活用法に関しては再度検討の余地がある。博士学位(甲号・乙号)取得に関して、取得者の人数は昨年度とほぼ同数であるが、今後は質の向上を目指すことがより重要な課題である。昨年度制度化した文学研究科独自の大学院生への研究支援制度、国内学会等参加のための旅費補助は、今年度も順調に運用を行った。大学院生と教員間の学術交流の活性化のための院生・教員合同研究会の定期開催は検討課題のまま残っているが、文学部には領域数が多く、目的意識を共有することが難しいといえる。

社会学研究科

 社会学研究科では、主に以下の三つの活動を行った。
⑴これまで量的方法に偏りがちであった研究科における「多様な研究方法」の可視化を狙い、実際に多様な研究方法を身につける機会を充実させるために、次年度から「質的調査」のための授業を開講することとした。
⑵科目履修者を対象とし、授業に関するアンケートを春学期と秋学期に各一回実施した。当該アンケートは授業、カリキュラム構成、学習環境の現状ならびに今後に向けた課題を明らかにすることを目的としたものである。アンケート結果を集計した後、院生会の代表者と研究科副委員長・研究科委員長補佐との間で年度内に計二回の会合を持ち、アンケート結果をめぐる話し合いならびに授業等に関する意見や要望について意見交換する機会を設けた。アンケートの結果および院生会との話し合いの内容について、研究科委員会で情報共有を行った。その結果、次年度に向けて、大学院生の研究をより深化させる環境にすべく、重複履修可能な科目数を増やすことを決定した。中でも、外国語文献講読科目については、重複履修を可能としただけでなく、これまで履修者がいないために不開講になっていたドイツ語やフランス語の文献講読科目を開講することとし、同時に教育研究内容の随時更新をより積極的に行う必要性について担当者と認識を共有した。
⑶年度末に「大学院生研究成果発表会」を開催することを通じて、博士課程後期課程に在籍する大学院生の学位取得に向けた研究進捗状況を研究科として把握する機会を設け、各大学院生がより多くの教員からコメントや意見を得られる機会を保障した。また、同時に研究科出身研究者を招いてキャリアパスについての意見交換を行った。

法学研究科

 法学研究科は2018年11月14日(水曜日)16時30分から17時30分の間にFD研究会を開催した。内容は春学期に大学院生を対象に行ったアンケート結果の確認と、7名の大学院生を招いての意見交換であった。
 授業・カリキュラム関連の意見としては、①他研究科履修手続きの簡略化要望、②授業水準(専門性が高すぎるものがある、受講生によって授業のレベルが変動する)、③他研究科科目履修時の感想、④教職科目に関する要望などがあった。学習環境については①資料室の管理、②印刷環境の改善、③休憩スペースの要望、④演習室設備の改善などについての要望が出された。
 これらにつき教員側からも応答や院生への質問などが出された。会の雰囲気はきわめてリラックスしたもので、院生との意思疎通は良好であった。
 以上については院生の意見や要望に対する教員からの応答もあわせて大学院問題検討委員会が把握し、適宜議題化したり、研究科副委員長が他研究科との意思疎通を図ることなどを通じてカリキュラムや学習環境の改善に努めている。

経済学研究科

 2018 年度の経済学研究科のFD 活動としては、春と秋の2回、定期試験終了後にFD 委員会を開催した。FD委員会では授業アンケートの集計結果を踏まえ、FD委員会メンバーや授業担当者が参加し、カリキュラム体制、授業運営における改善点、アンケートの実施方法の問題点等について懇談を行った。授業アンケートの結果を見る限り、ほぼすべての科目で5点満点中4点以上の評価を獲得しており、全体として授業内容に大きな問題点はなかったと判断できる。しかし今年度はアンケートに回収率が例年と比べ大幅に低下したため、その要因や対策について重点的に検討を行う機会をもった。また少人数授業が中心であり、アンケート等で学生の声を拾いあげることには限界があり、学生の声を拾い上げるための適切な手段についても懇談を行った。
 大学院の在籍者数の減少は続いており、学部定期試験監督業務や院生研究会への影響は引き続き起こっているが、院生数を急激に増やすことは難しいため、なかなか解決の方法は得られていない。この問題については、学部と大学院を一体化したカリキュラム体制の構築が不可欠であり、すでに設立されたカリキュラム改革WG で検討を重ねる予定である。

商学研究科

 2018年度の商学研究科においては、大学院ファカルティ・ディベロップメント(FD)委員会を中心にFD 活動を行うとともに、専任教員参加によるFD研究会(講演会)を行った。
 大学院FD委員会は、学部FD委員会と合同で、2018 年7月11日(水)に開催された。コンビーナーの寺地孝之教授より、「シラバスの検証結果について」に関して、資料を基に説明があり、これについて質疑応答がなされた。全体的に必要な記載事項は概ね適切に記載されていたものの、ごく少数ではあるが、改善の余地のある科目が見られた。なお、参加者は43名であった。欠席者に対しては、本研究会での寺地教授の説明を録音した音声データと資料を配布し、これらを基に各自が研修を行い、報告書を提出した。
 大学院FD研究会についても学部FD研究会と合同で、2018年12月5日(水)に開催され、高等教育推進センター時任隼平専任講師より、タイトル「今更聞けない!LUNAの活用方法」として講演があった。講師から、LUNAで使用できる以下の四つの機能、①教材・資料のアップロード、②ペーパーの自動読み取り、③学習に対するフィードバック、④学生同士のコミュニケーション、について実際の画面を用いて説明された。なお参加者は39名であった。欠席者に対しては、説明の上、本研究会での資料を配布し、これらを基に各自が研修を行い、報告書を提出した。

理工学研究科

 理工学研究科では2012年度より理工学研究科FD委員会を設置し、カリキュラムワーキンググループや理工学部FD委員会と連携し、組織的に教育環境向上と教員の教育能力向上を目指した取り組みを推進している。2018年度は、主に、1)FD講演会、2)シラバス質向上に向けた取り組みを実施した。FD講演会は、FD活動の経験者や有識者を招いて講演会を開催するもので毎年開催している。昨年度に引き続き、時任隼平専任講師(高等教育推進センター)が講師としてご担当いただき、「反転授業で何が変わるのか?~先行事例から学ぶ、反転授業の特徴と留意点~」と題して、反転学習の定義から実践までのエッセンスをご紹介いただいた。講演においては、反転学習が単なる自宅と教室での学習順序の反転という物理的意味ではなく、反転による効果付与に必要な取り組みや現状での効果の評価や課題についても丁寧な説明があった。教員の大半が聴講し、講演後には反転学習の意義や具体的な導入を想定した質疑応答が様々な視点から行われた。シラバス向上に向けた取り組みでは、品質の向上と保証にむけた表記方法の整理や英語表記の追加に向けFD委員会内で理工学部での在り方について検討し、理工学部独自のシラバス作成のガイドラインを作成し、教員で共有した。英語表記の追加に関しては、理工学部内での承認を受け、英語科目担当教員との連携強化の目的も含め、英語表記の作成に当たっては、担当教員の作成と英語科目教員による協力により実施した。

総合政策研究科

 総合政策研究科では、FD・入試制度・カリキュラム検討委員会を計6回(持ち回り1回を含む)開催し、FD活動などに関する議論を行ってきた(研究科執行部会である学部長室委員会でも再度検討)。2018年度における研究科の主な活動は以下の通りである。
⑴FD研修会を計3回開催した(学部と共催)。本年度のテーマは、教育・研究におけるコンプライアンスに関する理解の促進(研究推進機構から講師招聘)、シラバスの作成に関する理解の促進とシラバスの教員間での相互評価・相互チェックの実施などであった。
⑵各教員の研究内容や授業方法の紹介等を目的とした研究発表会を計4回実施した。新任教員4名が、研究・教育の内容や方法を報告し、質疑を行うことができた。
⑶「授業に関する学生アンケート」を実施した。昨年度、内容や方式の見直しを行ったが、本年度はそれを踏襲した。結果について研究科委員会などで共有した。回収率の低さなどを踏まえ、来年度に向けて内容・方法を検討した。
⑷学生の研究活動支援の活動を改善するために、ベーツ第1種支給奨学金、外国人留学生奨学金などの制度を再検討し、選考基準などの見直しを行った。
⑸研究科委員会で、研究科のディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーについて検討を行い、部分的な見直しを行った。

言語コミュニケーション文化研究科

 言語コミュニケーション文化研究科においては、FD活動の一環として、研究科執行部と、言語科学、言語文化学、言語教育学、日本語教育学の全4領域の大学院生代表によるFD 研修会を年に1回開催している。本研究科のカリキュラム構成、授業内容、教授法、設備、施設等に関して学生の意見を聴取し、教員との間で議論を交わすことによって、本研究科における教育・研究環境の全般的改善に結びつけることがその目的である。
 2018 年度のFD 研修会は12 月18 日に実施され、執行部教員3名、学生4名の出席を得て、活発な議論が交わされた。学生からは、学会発表補助費、共同研究室図書の管理、留学生が日本語で執筆するケースを含む、外国語による論文執筆のサポート体制、カリキュラム等、様々な点についての指摘やコメントが出された。特に留学生の日本語による論文執筆への支援は、留学生へのサポートが不可欠であるのみならず、日本の学生に対する負担が大きくなっており、必要性が高い。全学レベルでの検討を求めたい。その他の内容についても、研究科教員全体で共有した上で、学生の教育研究環境の向上のために継続して検討・対応することとした。

人間福祉研究科

 2018年度、人間福祉研究科では、大学院諸問題検討委員会と大学院FD委員会を同時開催で計4回、大学院・学部合同FD委員会を1回開催し、FD活動の充実に向けた検討を行った。2018 年度における主な活動は以下のとおりである。
⑴大学院生による授業評価の実施
春・秋学期ともに実施。いずれも各授業について、回答数はそれほど多くはなかったが、授業評価は概ね良かった。
⑵前期課程中間報告会、後期課程成果報告会の開催
前期課程の中間報告会は2018年5月に、後期課程成果報告会は2019年2月に行った。いずれの報告会とも、大学院生が研究の進捗状況を発表することにより、知見を教員や院生等と共有するとともに、質疑を通して今後の研究に資する報告会を開催した。
⑶研究業績の調査
人間福祉研究科在籍の大学院生全員を対象に調査を実施し、研究業績を纏めるとともに、本研究科ホームページに業績を掲載した。
⑷修士論文の成績評価の見直し
修士論文の成績評価の見直しを2017年度に行い、2018年度より実施した。
⑸シラバス勉強会
2018年11月に大学院FDの一環として、「授業シラバス執筆方法と変更の趣旨と留意点」というテーマでシラバス勉強会を実施した。
⑹シラバスチェックの実施
昨年度に引き続き、次年度の開講科目のシラバスにつき、授業目的及び到達目標、さらに英文の授業目的と到達目標を重点的にチェックした。

教育学研究科

 本年度のFD研究会は3回開催した。第1回FD研究会は2018年6月27日(水)(17:00~18:30、1号館会議室1・2)に行われた。テーマは1、クリッカー操作について(山口達也氏、キーパッド・ジャパン)、2、ICカードリーダーについて(大槻貴司氏、高等教育推進センターFD担当職員)、3、K.G.ポートフォリオの説明(永井良二氏、高等教育推進センター事務長)であった。
 第2回FD研究会は2018年7月18日(水)(17:30~18:30、1号館会議室1・2)に開催された。テーマは1、厚生労働省の動向と学部の動きについて(橋本真紀教授)、2、文部科学省の動向の動きについて(冨江英俊教授)3、研究倫理規程について(井頭均教授)であった。新しい器具や装置の導入法や文部科学省の動向などについて学ぶことができ、有意義なひと時となった。
 第3回FD研究会は2019年2月16日(土)(15:00~17:30、1号館会議室1・2)に開催された。テーマとしては1、後期課程コースワークの結果報告(井頭均教授)、2、ESDについて(日浦直美教授、副学長)の2つ。本学部がこれまでに目指してきた教育とEducation for Sustainable Development には共通する部分があり、今後の教育を考えるうえで参考になる内容であった。

国際学研究科

 国際学研究科のFD活動としては、学部と合同での①FD研修会、②教員相互受業参観、③学生インタビュー、を行っている。院生は学生インタビューに全員参加のため言いにくい点もあったかもしれないが、率直な意見を聴取できた。少人数(しばしば1対1)の授業が多いので、院生の関心に授業内容を合わせてくれる教員の対応に対する評価が高かったが、これが行き過ぎると学生のレベルへの迎合となりかねないので、大学院授業の質の保持のために教員の間での情報の共有が必要であると認識した。また、設備面に多少の不満があることを聞き取ったので、改善できるところは改善を図りたい。修士号学位論文の中間報告会には昨年同様、指導教員以外も多く参加し活発な助言が行われた。学生数が少ないため不開講科目が多く研究科全体でのFD活動は行いにくいが、その分、院生の論文指導は指導教員任せでなく、研究科全体で行っていくという姿勢は研究科の伝統としていきたい。

司法研究科

 司法研究科長を含む5名の教員からなる「自己評価・FD委員会」を原則毎月1回開催。以下のFD活動を実施した。
⑴授業評価:学生による授業評価アンケート及び授業担当者の自己評価アンケートを各学期終了間際に実施した。アンケート結果及び分析結果の報告書を作成し、全体概要を研究科HP上にて公開、科目ごとの詳細データを教職員・学生に公開した。
⑵授業参観:各学期中に複数授業を指定して参観を実施した。参観後、参観教員と受講生との間で懇談を行った(授業担当教員は退出)。その後、参観教員と授業担当教員との間で意見交換を行い、授業方法等の改善を図った。⑶中間アンケート:授業第6週目時点で学生アンケートを実施した。これは授業評価とは違い、後半の授業運営に向けて即時的な改善を狙った取組である。
⑷学生との個別面談の実施:各学期成績発表後、学生が自己の学修状況の確認や悩みについて相談する機会として、担当教員と学生(原則全員)との個別面談を実施した。
⑸FD研修会:研究科の教育力向上を目的として、全教員を対象に年2回のFD研修会を実施した。各科目の担当教員が講師となり、各自の授業内容や指導方法、成績評価の仕方を紹介し、その後教員間で意見交換や情報共有を実施した。
⑹法科大学院認証評価:2018年度に (公財)日弁連法務研究財団による認証評価を受審した。現状からさらなる改善・改革を図るべく継続的に努力している点が評価され、法科大学院として適格であると認定を受けた。
⑺『FDニュース』発行:1年間のFD活動に関する『FDニュース』を作成し、教員及び学生に配布した。

経営戦略研究科

 経営戦略研究科では、2018年度のFD活動として、2回のFD委員会と2回のFD研修会を実施した。
【FD委員会】
 第1回FD委員会(6月27日)では、過去のFD活動を確認し、2018年度に2回のFD研修会を実施すること、及び第1回FD研修会の開催内容を決定するとともに、第2回FD研修委員会のテーマについて意見交換を行った。第2回FD委員会(1月16日)では、意見交換の上、第2回FD研修会のテーマを確定した。
【研修会】
 [第1回]2018年9月19日(水)に、研究推進社会連携機構のご協力を得て新日本有限責任監査法人大阪事務所より公認会計士の宮本香氏をお招きし、「大学教員が留意すべきコンプライアンス意識とは―不正の起こらない研究環境づくりを目指して―」と題したコンプライアンス研修を実施した。具体的な事例を交えて、様々な角度からご講演いただいた。質疑応答も活発であった。〔第2回〕2019年2月13日(水)に、「国際共著論文作成のための国際研究ネットワーク形成」をテーマに、石原俊彦経営戦略研究科教授にご講演いただき、意見交換を行った。いずれの会も欠席者に対して書面研修を実施した。

国連・外交統括センター

国連・外交統括センターでは、2018年度に以下のFD活動を実施した。
⑴大学院「国連・外交コース」内容改善のための学生ヒアリングおよびアンケート実施
新たな試みとして、12月に国連・外交コース学生に対する座談会形式でのヒアリングを実施した。授業やカリキュラムの内容、教員の指導、インターンシップ派遣、募集方法などについて、履修生の感想や意見をセンター職員との懇談を通じて聞き取り、結果をセンターで共有して改善策を協議した。また、学生アンケートも年2回(春学期7月、秋学期2月)実施し、集計結果は改善リポートにまとめ、次学期の授業シラバス作成時に反映している。
⑵シラバス検討ミーティングの実施
大学院副専攻「国連・外交コース」および大学MS「国連・外交プログラム」の2019年度開講科目について、9月25日と12月18日にシラバス検討コアミーティングを実施した。全授業代表教員が出席し、前学期の学生アンケートの回答も参考に、新規科目も含めた全科目の内容充実のアイデアや改善点を共有して、シラバスに反映した。

神学部

 神学部では、2018年6月6日に高等教育推進センターより教職員スタッフをお招きし、「アクティブ・ラーニングの導入:高等学校における学習環境の変化と大学教育」と題してレクチャーを受けた上で、学部特有の問題に関しての質疑応答の時を設けました。知識習得が主要の目的となる講義におけるアクティブ・ラーニングの在り方、反転授業のシミュレーション、ルーブリックを活用した評価等、今後の教育の質向上に資する重要な情報を得ました。一方で、各高等学校でのアクティブ・ラーニングへの試みの程度に違いがあり、学生の講義に対する姿勢や期待に大きな差がある等の課題も分かち合われました。また11月7日に開催された第2回のFD研修会では、高大接続センターより職員をお招きし、「高等学校における教育改革及び大学入学者選抜改革への取り組み」についてレクチャーを受けた後、入学希望者の主体性を測る学部独自の入試方法の導入等の問題を教員のあいだで共有しました。さらに、研究活動上の不正行為防止への取り組みとして、個人研究費等の公的資金の取り扱いに関するあるべき姿勢を確認しました。

文学部

 文学部では2018年度シラバスの第三者チェックを終えたのち、シラバス改善への関心が高まった。これをうけて、11月21日に「授業シラバスの実質化に向けての変更点と第三者チェックについて」というテーマでFD研修会を実施した。高等教育推進センターの時任隼平専任講師による解説を通して、新しいシラバスの理念を学び、さらにはシラバス英語化の問題も含めて議論をおこなった。また、1月16日には毎年恒例の人文演習Ⅰ担当者連絡会を開催した。入学直後の基礎演習をどのようにデザインするか、担当者それぞれの情報交換を目的とするものであるが、今年度は新任教員から前任校での興味深い取り組みが紹介された。授業担当者全体のスキルアップにつながることが期待される。なお、この人文演習Ⅰに関しては、アカデミック・ライティングを学ばせる科目としての側面を強化することが喫緊に求められている。現在、その方策を検討するワーキンググループを組織し、初年次教育をさらに充実させることを目指している。

社会学部

 社会学部ではカリキュラム検討委員会およびFD部会が中心となり、FD活動への取り組みをおこなっている。今年度は、2回のFD研修会、1回の学部懇談会を開催し、学部の抱えている課題について教員間で情報共有すると共に、課題解決に向けた議論をおこなった。
 9月10日の第一回FD研修会では、パンフレット『研究費の不正使用防止、研究活動上の不正行為防止への取り組み』等を活用した研修を実施し、知識を共有した。
 12月12日の第二回FD研修会では、「新カリキュラムにおける研究演習の運営について」と題してパネルディスカッション形式で研修を実施し、教育効果を高めるためのゼミ開講方針を検討した。
 2月8日のカリキュラム検討委員会では、初年次教育・語学教育・方法論教育を所管するそれぞれの部会から年度の振り返り報告をおこない、課題を共有した。
 3月5日の学部懇談会では、「新カリキュラムの現状と課題」と題し、履修データや入学時調査データ等を活用して新カリキュラムがその策定意図に沿って機能しているか検討した。

法学部

 当該年度においては、学部及び研究科におけるシラバスの改善・向上を主眼として、FD活動を行った。第一回(2018年7月11日)は、法学部所属のほとんどの教員が参加するFD研修会において、3月に実施されたシラバス第三者チェックの結果が報告された。すなわち、法学部では独自のチェック基準に基づいて担当委員会による第三者チェックを行い、とくに評点の低い教員に対しては、担当委員会から当該評点の通知と改善要請をすることになっている、それらの実施結果を踏まえて、チェック基準ついての再検討を行い、必要な変更がなされた。第二回(2018年10月17日)は、次年度から予定されているシラバス英語化に備えて、形式上の多数の変更点を確認するとともに、シラバス記載内容について教員の周知を徹底するため、教務機構から提供された小冊子を用いてFD研修会を行った。参加した教員からは活発な質問がなされ、次年度からのシラバス英語化に向けて具体的な取り組み方法を確認することができたと考える。

経済学部

1.研修会の実施
 2018年9月15日に専門基礎科目担当者会を学部FD委員会が開催し、1年生配当の必修、選択必修科目の担当者で、授業実施方法やその改善について議論した。
2.シラバスの点検
 以下の要領で行った。
⑴点検する科目は専門教育科目(研究演習を除く)。
⑵専門教育科目のうち、基礎科目・入門科目(地域政策入門A・Bを除く)は、基礎教育委員会が点検。
⑶上記以外の専門教育科目のうち各授業担当教員グループに配置されている科目は、グループごとで点検。それら以外の科目については学部長室委員会メンバーが担当。
⑷基礎教育委員会と各授業担当教員グループ、副学部長(教務担当)は学部FD 委員会に点検の結果を報告し、整備が必要な科目については、学部FD 委員会がシラバス入力担当者に検討を依頼。
⑸点検・整備においては、シラバス作成要領に従う。
 以上を実施するための体制の検討を、学部全体で1月~2月に実施した。
3.基礎演習・専門教育検討委員会WG
 11月に全教員に対して基礎演習に関するアンケート調査を行った。その結果にもとづき、カリキュラムの抜本的改革について、同WGにおいて継続的に議論をしている。

商学部

 2018年度の商学部におけるFD活動としては、以下の二回の研究会を開催した。
 第一回目は、2018年7月11日(水)に、商学部第一会議室において開催された。FD研究会コンビーナーの寺地孝之教授より、「シラバスの検証結果について」に関して、資料を基に説明があり、これについて質疑応答がなされた。全体的に必要な記載事項は概ね適切に記載されていた。ごく少数ではあるが、改善の余地のある科目が見られた。なお、参加者は43名であった。欠席者に対しては、本研究会での寺地教授の説明を録音した音声データと資料を配布し、これらを基に各自が研修を行い、報告書を提出した。
 第二回目は、2018年12月5日(水)に、商学部第一会議室において開催された。高等教育推進センター時任隼平専任講師より、タイトル「今更聞けない!LUNAの活用方法」として講演があった。講師から、LUNAで使用できる以下の四つの機能、①教材・資料のアップロード、②ペーパーの自動読み取り、③学習に対するフィードバック、④学生同士のコミュニケーション、について実際の画面を用いて説明された。なお参加者は39名であった。欠席者に対しては、説明の上、本研究会での資料を配布し、これらを基に各自が研修を行い、報告書を提出した。

理工学部

 理工学部FD 委員会では、カリキュラムワーキンググループや理工学研究科FD委員会と連携し、組織的に教育環境向上と教員の教育能力向上を目指した取り組みを推進している。2018年度は、主に、1)FD講演会、2)シラバス質向上に向けた取り組み、を実施した。FD講演会に関しては、FD委員会で講演テーマを募り、最終的に反転学習に関する講演を高等教育センターに要望した。2017年度に引き続き、時任隼平専任講師(高等教育推進センター)が講師としてご担当くださり、「反転授業で何が変わるのか?~先行事例から学ぶ、反転授業の特徴と留意点~」と題して、反転学習の定義から実践までのエッセンスをご紹介いただいた。講演においては、反転学習が単なる自宅と教室での学習順序の反転という物理的意味ではなく、反転による効果付与に必要な取り組みや現状での効果の評価や課題についても丁寧な説明があった。教員の大半が聴講し、講演後には反転学習の意義や具体的な導入を想定した質疑応答が様々な視点から行われた。シラバス向上に向けた取り組みでは、品質の向上と保証にむけた表記方法の整理や英語表記の追加に向けFD委員会内で理工学部での在り方について検討し、理工学部独自のシラバス作成のガイドラインを作成し、教員で共有した。英語表記の追加に関しては、理工学部内での承認を受け、英語科目担当教員との連携強化の目的も含め、英語表記の作成に当たっては、担当教員の作成と英語科目教員による協力により実施した。

総合政策学部

 総合政策学部は、以前よりFD・カリキュラム委員会のもとで、FD 活動とカリキュラムの検討を一体的に推進している。2018年度においては、FD・カリキュラム委員会を実施するとともに、教員による研究報告会を複数回実施した。なおカリキュラムの見直しについては、従来通り、並行して進めている学部将来構想委員会における議論を優先することになっており、今年度は具体的な検討はなされなかった。
 春学期においては例年通り、各教員の専門分野や研究内容、あるいはわかりやすい授業方法の紹介を目的として、新任教員及び海外留学から帰国した専任教員の研究発表会を実施し、情報交換を行った。また、学部長室委員会にてDP, CP, APの内容見直しの検討と内部質保証のあり方の検討を行い、多少の文言の修正はあったが、内容的には特に大きく修正すべき点はないということで、FD・カリキュラム委員会でのさらなる検討は行わなかった。
 FD・カリキュラム委員会は、秋学期に2回開催した。2018年11月21日と12月5日に開催されたFD・カリキュラム委員会では、コンビーナからシラバスの第三者チェックの徹底と、英語化に向けたスケジュールと内容確認について報告があり、具体的にどのような体制でこれを行うかについて議論した。2018年11月21日には学部FD研修会を実施し、「研究費の不正使用防止・研究活動上の不正行為防止への取り組み」に関して講演並びに質疑応答などが行われた。12月5日の学部FD研修会では、昨年度に引き続き、シラバスの書き方やシラバスチェック上の注意点の講習を行った。今年度は特にシラバスの英語化に関しての注意点などが話し合われた。そして、2019年2月16日の学部FD研修会で総合政策学部の全専任教員によって英語化対応を含めたシラバスの第三者チェックが行われた。
 理工学部とのシナジー教育タスクフォースの一環としては、バーチャルな学びとリアルな学びをテーマとした「第5回激論講義 in KSC」が2018年7月に、就活をテーマとして「第6回激論講義 in KSC」が12月に実施され、両学部学生から好評を得た。

人間福祉学部

 2018年度は、3年前から継続している初年次教育改善の取り組みとして、基礎演習の全クラスで本学部独自に作成した「スタディガイド」を、研究演習Ⅱの全クラスで「卒業研究ガイド」を配布するとともに、2020年度の新カリキュラム開始に向けて改訂版の「スタディガイド」の内容を検討した。また、昨年度に続き、1月初旬に学部専任教員が自由に他の教員の研究演習Ⅱに所属している学生の卒業研究を閲覧できる閲覧期間を設け、今後の卒業研究に対する自らの教育方法の改善にいかすように努めた。
 FD研修会としては、7月11日に「研究費の不正使用防止、研究活動上の不正行為防止に関する取り組み」、11月13日に「授業シラバス執筆方法変更の趣旨と留意点」をテーマとして開催した。また、2月に学部・研究科提供科目のシラバスチェックを実施するために、12月12日には人間福祉学部FD委員会・人間福祉研究科FD委員会合同委員会を開催し、シラバスチェックに関する確認内容及び要点について話し合った。
 なお、新カリキュラムで導入予定の基礎演習の共通カリキュラムを今年度作成したが、この内容を学部の全教員間で共有することを、2019年度のFDの一環として実施する予定である。

教育学部

 今年度は、春学期2回、秋学期1回の合計3回の学部FD研究会を開催した。第1回FD研究会では、山口達也講師(キーパッド・ジャパン株式会社)、永井良二講師、大槻貴司講師(高等教育推進センター)によって、クリッカー操作、ICカードリーダー、K.G.ポートフォリオ等についての紹介及び講習が行われた(6月27日(水)17:00-18:30、西宮聖和キャンパス1号館会議室1・2)。また、第2回FD研究会は大学院との合同開催とし、「厚生労働省の保育関連施策の動向と関西学院大学教育学部の動き」(橋本真紀教授)、「私立大学の教職課程の現状と可能性を考える」(冨江教授)と題して講演が行われた。研究倫理規定について確認の場も設けた(井頭教授)(7月18日(水)17:30-18:30、同会議室)。また、第3回FD研究会も大学院との共催とし、テーマにESD(持続可能な開発のための教育)を取り上げ、大学院における「教育学研究特殊講義 授業報告」(井頭教授)を受けた後に、「教育学部とESD」(日浦副学長・教育学部教授)と題して講演が行われた(2月16日(土)15:00-16:30、同会議室)。講演後は、各教員の担当授業との関連や導入方法、また今後の大学院・学部教育の方向性や工夫などを議論し、課題整理を試みた。今後の教育内容の変革のための具体的な取り組みへの示唆を得る有意義な機会となった。

国際学部

 国際学部のFD活動は、①FD研修会(国際学研究科との合同を含む(以下、院合同))、② 教員相互授業参観(院合同)、③学生インタビュー調査 (院合同)の三つで構成されている。2018 年度FD研修会は、第1回「ライフデザインについて:3 年生・大学院生の就職活動に向けて」(5月30日実施・院合同)、第2回「教室内・指導上におけるハラスメント行為防止のために」(6月27日実施・院合同)、第3回「大学入試改革にむけて 大きく変わる高校教育」(11月28日実施)をテーマとした。第1回FD研修会では、キャリアセンター職員による 2017年度卒業生の進路状況等の報告および最新の動向についての説明を受けて質疑応答がなされ、緊密な情報共有の重要性を確認した。第2回は「特定非営利活動法人アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」より講師を招き、大学におけるハラスメントの歴史的経緯および現在の社会情勢において大学教員が理解していなければならないハラスメントについての知識を講義形式にて学ぶ機会を持った。第3回では高大接続センター次長に講師を依頼し、大学入試改革についての理解を深め学部としての取り組みを検討する土台となる知識を得る機会を持った。

言語教育研究センター

 (英語)全学英語教育FD部会を計4回開催し、2019年度以降の全学TOEICの実施日について、全学TOEICのSGU外国語力スタンダード達成者数について、入門英語の成果の検証方法について主な議題として懇談し、決定した。(仏語)FD部会を兼ねたフランス語教員連絡会において、インテンシブの授業で今年度から使用し始めた教科書の問題点について、授業でのLAの活用について懇談した。また、授業目的ならびに到達目標をより学生が理解しやすくするためのシラバス作成方法を検討した。(スペイン語)スペイン語教授法を向上させるセミナーを開催した。(ドイツ語)全学開講のドイツ語科目について意見交換を行い、改善すべき点を検討した。(中国語)全学提供の中国語科目の共通教科書、共通試験について意見交換を行い、改善すべき点を検討した。センター全体としては、学習の動機づけ、協働学習、カリキュラム・シラバス改善、教材開発に取り組み、一定の成果を得た。

教職教育研究センター

 本年度は3回のFD研修会を行った。第1回は7月10日に「本年度の教育実習の課題と今後の改善と充実」というテーマで、教育実習の現状の課題について意見交換と情報共有を行った。特に話題となったのは教育実習の成績評価票であり、次年度実習から本格的な改善を進めていくことを確認した。第2回は10月13日に「教職実践演習の改善と充実」というテーマで、2013年度から導入されている「教職実践演習」の実施上の課題について意見交換を行った。同科目は多様な授業内容を複数の授業形態を組み合わせて実施するが、後半の授業では出席者の間で課題の洗い出しを行うことを確認した。第3回は12月14日に「『数学科教育法』の実践報告及び本学の教職課程の現状」というテーマで行った。これは非常勤講師などにも参加を呼びかけて行った。数学科教育法の授業の実践報告を受け、課題探究 ・ アクティブラーニングの授業実践の方法について理解を共有することによって、「アクティブラーニングで教えることができる教員をアクティブラーニングで育てる」という可能性について理解を深めることができた。なお、以上の研修会のほかにも、センター連絡会の機会を利用し、専任教員を対象に、研究倫理教育・コンプライアンス教育およびシラバス改善について情報共有と懇談を行った。

共通教育センター

 当センターは2010年4月の設置以来、FDに関する主たる取り組みとして、全学科目体系の整備、初年次教育科目「スタディスキルセミナー」の提供、ラーニング・アシスタント(L.A.)制度の運用を推進してきている。
 2018年度は、2017年度に取り組み、教務委員会で改編概要の承認を得た「PCスキル基礎力の育成」・「表計算・データ分析、プログラミング教育の拡充」を中心とした2020年度からの情報科学科目カリキュラムについて、開講科目の具体的な授業目的、到達目標等の検討を全学情報教育部会にて行い、教務委員会で承認を得た。それを基に2018年度情報科学科目担当の非常勤講師に対して説明会を開き、改編したカリキュラムの内容を報告するとともに、授業運用に関する意見交換を行った。
 また、シラバスの高度化・実質化に向けた2019年度シラバスの第三者チェック・整備に関しては、今年度、高等教育推進センターと共同で作成した『授業シラバス執筆の手引き』を基に、2019年度新規に開講するAI活用人材育成科目も含めたセンター提供の全提供科目のシラバスについて、センター長、センター副長、情報科学科目コーディネータ教員、関係教員でチェックを行い、シラバス公開までの修正を授業担当者に依頼した。

ハンズオン・ラーニングセンター

 2017年4月に当センターが開設されて2年が経過しようとする中で、SGU構想の中核をなすダブルチャレンジの履修を促進するためには、「ハンズオン科目」の更なる開発・充実が必須と感じています。現行に満足せず、プログラムの課題抽出を適宜行い、教職員間でも共有しながら、円滑な授業運営と更なるカリキュラム充実に向けた戦略の検討、「ハンズオン」という言葉が持つ意味や定義に関する議論を行ってきました。以下は主な活動内容です。
⑴FD研修会の実施
 昨年度カリキュラムを改編し、2018年度より新設したライフ・キャリア科目(入門演習・概論等)の担当講師ミーティングを数回実施し、各科目の振り返りと課題を共有したうえで、改善に向けた意見交換を行い、授業に反映していくことを確認しました。
⑵カリキュラムの充実
①ハンズオン・インターンシップ実習
 当センター開講授業である「社会探究実践演習(朝来 ・ 竹田城下町活性化PJ)」との関連性を踏まえて、2019年度より新たに「朝来市」が受入地域に加わることになりました。また、既存の授業名称は市名や地域名(俗称)が混じっていたため、同じ都道府県であっても、授業名称に掲載している地域以外を新たな受入れ先として加えることができませんでした。よって、授業名称を2019年度より「都道府県名」に統一いたしました。
 
②PBL特別演習
 大手外資系コンサル会社出身の起業家に学ぶ科目として「アントレプレナー養成講座」を、2013年以降に正課外プログラムとして実施してきた「KGワークラボ(企業会計編)」を改編して「公認会計士と挑む企業のビジネス課題」を新設しました。また、2019年度より「阪急阪神ホールディングス㈱」の協力のもと、「阪急阪神ホールディングス㈱ 社会課題解決PJ」も新設いたします。
③ライフキャリア リーダーシップ実習
 大学教育の現場においてリーダーシップ教育への関心が高まってきており、導入する大学が増えつつある昨今、学生がライフ・キャリアにおいて重要なコンピタンシーである「リーダーシップ」を身につけることを目的に、2019年度より新設いたします。
⑶シンポジウムの開催検討
 「ハンズオン・ラーニング・プログラム(HoLP)」は、これからの関学の将来を展望したいという思いを込めて取り組んでいる教育プログラムであり、これまで多くの方々のご協力のもと、プログラムを構築してまいりました。2019年度に開設3年目を迎えるにあたって、当センター主催のシンポジウムを5月11日(土)に開催する運びとなりました。「ハンズオン・ラーニング・プログラム(HoLP)」のこれまでの歩みを振り返ることで、「ハンズオン・ラーニングとは何か」を検討する機会といたします。 以上のように、当センターでは今後の「ハンズオン」科目の在り方や、既存カリキュラムの在り方を常に確認・検討しながら、カリキュラムの充実を図ることを通じて、今後も教育の質の向上及びダブルチャレンンジの推進に寄与していきたいと考えています。

スポーツ科学・健康科学教育プログラム室

⑴関西五私大体育研修会への参加
 2018年12月7日(金)立命館大学びわこ・くさつキャンパス スポーツ健康コモンズで開催された関西五私大体育研修会に笹塲育子 人間福祉学部専任講師(室長・副室長の代理出席)、小浪寿文教務機構事務部課長の2名が参加した。本研修会は関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学の五私大で構成された研修会であり、年に一度互いの保健体育教育に関する情報を共有し合うことで、よりよい教育・研究を目指すことを目的に開催されている。
⑵スノーボード研究会への参加
 2019年1月22日~25日まで北海道ルスツで実施されたスノーボード研究会に、河鰭一彦教授、甲斐知彦教授の2名が参加した。スノーボード初心者、初級者、中級者、上級者各々に対する指導上必要な技術に関する実技研修を受けた。また、昨今問題になっている、ゲレンデ内外での事故に対する防止策、対応法に関しても専門家による講義、実技指導がおこなわれ、参加者全員による情報交換もおこなわれた。

人権教育研究室

 人権教育研究室は、人権教育における全学的なFDの推進のために、室長室会が主体となって人権関連の諸活動を実施している。教職員研修プログラムの提供、公開研究会・シンポジウムの開催、啓発キャンペーンの実施など、教職員が自主的、多角的に参画できる人権理解の場の創出に努めるとともに、人権教育科目の授業に各学部の教員が運営委員として出席し、科目代表者とともに授業運営に当たることで、本学の人権教育についての理解を深めている。今年度の主な取り組みは以下のとおりである。
 第1に、4月に新任及び在職教職員の希望者を対象に人権研修プログラムを実施し、本学の人権についての基本的な考え方と実践例についての講演の後、参加者全員で大阪人権博物館にバスで移動し見学を行った。第2に、春季に2回、秋季に1回の人権問題講演会を上ケ原、三田、聖和の各キャンパスで開催し、性的少数者の権利、地区の取組みから学ぶ部落問題、また原発避難者の状況について、多くの学生と教職員の学びと理解を深める機会となった。性の多様性への啓発では、第6回関学レインボーウィーク「『私らしさ・あなたらしさ』を大切にできるキャンパスをつくりたい!」を開催し、教職員が学生とともに問題に出会い、学ぶ機会が提供された。また、全学的な難民問題への取組みの一環として、「Meal for Refugees」活動を後援、「UNHCR難民映画祭」を主催した。第3に、人権教育科目の運営を、各学部からの教員が運営委員となり代表者とともに担うことで、多くの教員が本学の人権教育の内容について研鑽を深めることができた。また、3月には人権教育科目担当者連絡会を開催し、本学の人権保障の取組みに関する報告の後、人権教育科目担当者間で意見交換を行った。
 以上の2018年度の本研究室の活動をさらに精査し、今後の本学における多様性尊重の人権文化の醸成とそれに基づく人権教育を促すFDの取組みへとつなげていきたい。 

国際教育・協力センター

 国際教育・協力センターでは、2014年度に本学への交換学生を主な対象として開講する日本・東アジア研究プログラムの再編に関する検討ワーキンググルーブを設置した。そして、授業調査および実際に協定校から来学している交換留学生を対象にアンケートを実施することで、それぞれの学生の留学目的に合った科目を体系的に提供できる科目群の再構築に取り組んできた。2015年度にプログラム名を「現代日本プログラム」と改め、英語のみでプログラムを修了できるコースを拡充した。開設4年目となる2018年度は、2017年度に実施したアンケート結果に基づき、英語で開講する専門科目の拡充を図るべく、各学部に働きかけ、英語で専門科目が提供される体制を整えた。また、日本語専攻においては、協定校からの要望やこれまでのプレイスメント試験の結果を勘案し、各クラスのレベル設定の見直しを行い、科目名を刷新した。今後も交換留学生数の急速な増加が予想される上に、彼らの日本についての興味も多様化してきており、様々なチャレンジが待ち受けているだろうが、できるだけ満足のいく留学生活を送ってもらえるよう、今後も交換留学生のニーズに耳を傾けながらプログラムの内容を充実させていく所存である。

日本語教育センター

 日本語教育センターは、正規外国人留学生、交換留学生、短期外国人留学生、正規日本人学生を対象とするプログラムを開講している。全学による授業評価と併せて、本センター独自の質問票による授業アンケートを行っているが、2016年度よりアンケートをマークシート化したことで、分析結果を学期末講師会議で共有し次年度の検討に生かしている。本センターの留学生を対象としたプログラムはすべてティームティーチングによって指導しているため、教員間の連絡や情報共有が欠かせない。従って本センターに所属する教員は常にクラスの状況や学生一人一人の勉学上の問題点、お互いの教授方法や進度などの情報を共有するために、学期前と後に開催する講師会(非常勤講師を含む授業担当者全員)や毎月の講師室会(専任、特別契約、常勤講師のみでの連絡会)を開催している。また、本年度3回実施した関学日本語教育研究会では、授業内で学生同士のグループワークや話し合い活動が増えてきた現状を踏まえ、プロのファシリテーターを講師として招聘し、第2回目に「ファシリテーション入門」のワークショップを、第3回目「教員に役立つファシリテーションスキルを体験」するワークショップを開催し、教室での実践における問題点やその解決法について議論を行い、さまざまな知見を得ることができた。

大学宗教主事会

 大学宗教主事会では今年度は計二回FD研修会を実施した。まず、10月5日(金)には文学部のA. ルスターホルツ宗教主事より、文学部における「キリスト教学」他のキリスト教関係科目の実施状況、さらにはチャペルアワーの運営体制について報告していただいた。二回目は2月15日(金)に実施し、教育学部の梶原直美宗教主事より、同様に教育学部におけるキリスト教教育について、教育学部特有の状況も踏まえて報告していただいた。大学宗教主事会では数年前より、各学部の「キリスト教学」の授業のあり方をめぐって(特に統一性と独自性について)議論を重ねて来ているが、今後もこの主題についての話し合いを継続していきたい。この他、来年度からのシラバスの英語化に向けて、特に各学部必須の「キリスト教学」については英文シラバスにある程度の統一性をもたせる必要があるとの理解から、11月以降の大学宗教主事会では随時この点についても検討の機会をもった。