2022年度のFD活動報告

[ 編集者:高等教育推進センター       2023年4月18日   更新  ]

2022年度FD活動報告

関西学院大学では各研究科、各学部・教育研究機関等が独自に工夫を凝らしたFD活動に取り組んでいます。以下に各研究科、各学部・教育研究機関等の取り組みを報告します。

神学研究科

 春学期のFD研修会は6月1日の4校時に開催された。研究科で新しく春学期に開講された『聖書学総論A』の運営状況に関しての報告が行われた。これは卒業生のビブリカル・リテラシーを担保することを目的とした伝道者コース必修の講義であり、基礎的で緒論的な内容も含めつつ、歴史的・文学史的要素をも確認するよう留意した講義内容となっている。これに相応しい教科書を選定してこれを講読するスタイルで講義を進めているが、受講者の基礎知識が不足しており、内容的に少しレベルを下げるなどして対応する必要を感じている、との報告があった。秋学期にはこれに続く『聖書学総論B』が開講されるので、そのための参考とされた。
 秋学期のFD研修会は11月10日の1校時に開催された。ライティング・センターより講師の福山准教授と助手の渡橋氏を招いて、ライティング・センターの活動内容や利用状況についての説明を聞き、さらに研究科所属の学生が論文を作成する際に、どのような仕方でセンターを利用することができるかについて議論を行った。今後の修士論文の指導に関して有用な視点を得ることができた。

文学研究科

 文学研究科では、今年度は4回(3回は対面、1回はオンライン)の研究倫理・コンプラインアンス研修会を実施した。4回のうち3回(春学期1回、秋学期2回)は、研究科構成員が集まりやすい研究科委員会の終了後に実施し、研究推進社会連携機構発行の「Newsletter」に掲載されている事案にもとづいて研究科長補佐が説明を行い、全員で情報を共有した。年末に行われた第4回の研修会は、昨年度、一昨年度の実施方法を踏襲し、LUNAを用いてのテスト形式とした。LUNAコミュニティの「教材・課題・テスト」画面に資料として添付した「研究活動上の不正行為防止への取り組み・研究費の不正使用防止への取り組み」パンフレットを熟読してもらった上で、確認テストに解答してもらった。テストは文部科学省のガイドライン、関西学院で独自に不正行為に定めている規定のそれぞれに関する全10問から構成され、「全国旅行支援」や感染予防対策費用などのコロナ関連支出の可否を具体的に問う問題も設定した。80点以上の獲得を目標に期間内に委員会構成員全員が受講し、研究倫理・コンプライアンスに関する事項がおおむね理解されていることが確認された。

社会学研究科

 社会学研究科では、春学期(6月24日~7月14日)、秋学期(12月9日~1月17日)にMicrosoft Formsによる授業に関するアンケートを実施し、在籍院生からの回答を得た(回答率春学期27.5%、秋学期25.0%)。カリキュラムへの評価は、肯定的回答が90.9%(春)、90.0%(秋)と高く、また学習環境についての評価も、肯定的回答が100%(春)、90.0%(秋)と高かった。さらに、記述式の回答でも、投稿論文から博士論文執筆まで一貫してサポートする「大学院生サポートプログラム」や、副指導教員制度に対する肯定的な意見が多く見られた。
 本研究科では、2020年度に行った履修動向データの整備、入試制度の改革などをもとに、2021年度にカリキュラム改編の作業を進め、本年度に新カリキュラムをスタートさせた。すなわち、「社会学」「社会心理学」「文化人類学・民俗学」という専門分野別の授業科目を充実させるとともに、「修士論文作成合同演習」「博士論文作成合同演習」を新設している。研究科委員長、副委員長をコーディネーターとする「合同演習」は、研究科全体の院生が原則、全員参加するもので、個別の専門分野を超えた学びが深まるとともに、研究科全体の院生の研究進捗状況を研究科執行部が把握して適切なサポートをするのに役立っている。

法学研究科

 法学研究科では、アンケート結果に基づき大学院生からの意見や要望を聞く機会として、FD研究会を実施している。この研究会を通じて教員と大学院生の間で率直な意見交換を行い、大学院における教育、研究を支援し改善する方策を探ることが目的である。今年度は、2022年7月27日(水)にFD研究会が開催され、大学院生の代表者に対して参加教員から応答がなされた。具体的には以下の通りである。
 FD研究会に先立ち実施された独自様式の「学生による授業評価」アンケートの回答率は、春学期が75%、秋学期は62.5%であった。アンケートの項目は、授業科目(講義科目、文献研究科目、海外渡航プログラム、インターンシップ科目)、カリキュラム構成、学修環境、TAの指導体制・内容、その他、に大別される。2022年度は、学修環境について、老朽化した情報機器のリプレースを求める意見があり、また、インターンシップ科目について、説明会や取得できる単位数増加などの希望が寄せられた。それ以外の項目は、概ね満足という結果であった。

経済学研究科

 2022年度の経済学研究科のFD活動としては、例年通り、春と秋の学期末に「学生による授業評価アンケート」を実施した。またFD委員会を開催し、アンケート結果についての情報の共有・意見交換を行った。アンケートの回答結果を見ると、回答が得られたすべての授業で、設問6項目の評価点平均が5点満点中4点以上となっており、本研究科の授業が学生の期待に応えることができていることが伺えた。しかしながら、アンケートの回収率がやや低く、履修者はいるもののアンケートの回答が得られなかった授業科目が散見された。これらの問題の改善は今後の課題としたい。
 また4月にオンラインにて院生代表との意見交換会を開催し、学習環境などに関する要望をヒアリングした。出された要望のうち対応可能なものについては、対応を行った。
本研究科では在籍する学生の数が少なく、入学者を増やすことが課題となっている。この課題に対して、カリキュラム改革など本研究科の魅力を高める施策を実施した。これらの施策の効果を見極めながら、入学者の増加、在籍学生の満足度向上につながる諸施策を引き続き検討する予定である。

商学研究科

 商学研究科では、FD活動として学部(商学部)と合同で以下3回の研究会を開催した。
 第1回(2022年10月12日(水)開催)では、「研究活動上の不正行為防止への取り組み―文部科学省ガイドラインと学内関連規程に沿って―」をテーマに、藤沢武史教授(ファカルティ・ディベロップメント委員)より本学における研究活動上の不正行為防止への取り組み、研究費の不正使用防止への取り組みなどを紹介いただいた。
 第2回(2022年11月30日(水)開催)では、株式会社リクルート社より講師を招き、「高校生から見た関西学院大学へのイメージ調査結果を基にした本学の強み・弱みと課題および今後の展望」をテーマに講演いただいた。リクルート社実施の、高校生・受験生が抱いている各大学のイメージに関するアンケート調査の結果を紹介いただくとともに、高い評価を獲得するために有効と考えられる施策の方向性を提示いただいた。
 第3回(2023年2月15日(水)Zoom開催)では、「PBL授業を振り返って」をテーマに任期制実務家教員の松本桂一専任講師と大木和典専任講師よりPBL授業の様子を紹介いただき、PBL授業を効果的なものにするための注意点などを教員間で共有した。

理工学研究科

 理工学研究科FD委員会は、理学部FD委員会、工学部FD委員会ならびに生命環境学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGとも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。
 2022年度は(1)FD研修会ならびに(2)シラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。FD研修会は、理学部、工学部、生命環境学部と連携して2022年9月14日に関西学院キャンパス・ハラスメント等相談センターの冨田陽子相談員と福田央子相談員から「ハラスメントの予防と対応」と題して、講演をいただいた。この中で、キャンパス・ハラスメント等相談センターの業務内容やハラスメントの予防ならびに相談を受けた場合の対応等について、有益なお話を伺うことができた。また、シラバスの質向上に向けては、作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容をチェックし、さらなる質の向上と、その保証に向けた表記について検討を行った。

総合政策研究科

 総合政策研究科では、FD・カリキュラム検討委員会を計3回開催し、FD活動などに関する議論を行ってきた(研究科執行部会である学部長室委員会でも再度検討)。2022年度における研究科の主な活動は以下の通りである。
(1) FD研修会を計4回開催した(学部と共催)。本年度は、キャンパス・ハラスメントに関する理解の促進、2021年度新入生の1年次終了時の成績分析結果の共有と懇談、教育・研究におけるコンプライアンスに関する理解の促進、シラバスの作成に関する理解の促進とシラバスの教員間での相互評価・相互チェックの実施などであった。 
(2) 各教員の研究内容の紹介等を目的とした研究発表会を計4回実施した(学部と共催)。新任教員2名、留学・特別研究員等で研究活動を行った教員2名が、研究の内容を報告し、質疑を行うことができた。
(3) 研究科のディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーについて検討した。

言語コミュニケーション文化研究科

 言語コミュニケーション文化研究科には中高年の社会人がほぼ毎年入学してくる。大学学部卒業後、すぐに大学院に進学する学生とも異なる経験や心理状況を持っており、受け入れる教員も対応等について予備知識等が必要なことがある。そのため総合支援センターの協力を得て、2022年11月21日に対面による連絡会を開催した。総合支援センター学生支援相談室主任カウンセラー榎本千春氏がパワーポイントの資料を提示しながら一般的な傾向や対応についてお話しくださった。今後も社会人の入学希望者がいることが予測されるため指導の参考となった。
 またFD活動の一環として、研究科執行部と大学院生代表によるFD研修会を年に1回開催している。今年度は2023年1月18日に対面で開催した。執行部教員4名、院生5名の出席を得て約70分意見を交換した。院生からは授業評価の回答率向上策、設備、施設、研究発表会等に関する案や意見が積極的に出された。院生からの要望は研究科委員会で報告され、今後の本研究科における教育・研究環境の改善に結びつけていく予定である。

人間福祉研究科

 2022年度において大学院FD委員会を、学部のFD委員会との同時開催で1回、および合同でのFD研修を3回、それぞれ実施し、教育研究環境の充実、授業改善などに向けた検討と学習を行った。その主な活動は以下のとおりである。
(1) 大学院生による授業評価の実施
春・秋学期ともに実施。原則として対面での授業実施となったことを受けて、回答が対面授業前提のものになったのが一昨年度、昨年度との相違点である。回答数は春秋合わせて3割程度にとどまったが、授業評価は概ね良好であった。現場を経験している聴講生・科目等履修生が多く、クラス内で討論の主導権を握る傾向があり、その点で正規院生からの不満が表されていた。この件も含めて各授業担当者にフィードバックを行った。
(2)前期課程中間報告会、後期課程成果報告会の開催
  
前期課程中間報告会は2022年5月21日に、後期課程成果報告会は2023年2月18日にそれぞれ行った。いずれともに、大学院生が研究の進捗状況を発表し、研究経過やその成果を教員や他の大学院生等と共有するとともに、質疑応答を通して今後の研究に資することを目的にしている。今年度は、前期課程中間報告会を3年ぶりに対面で開催した一方で、後期課程成果報告会は、遠方に拠点を設けて日夜研究に励む学生も参加しやすいようオンラインで開催した。多くの教員や大学院生が参加したほか、報告者、指導教員による活発な質疑応答や議論が展開された。
(3)研究業績の調査
人間福祉研究科博士課程後期課程在籍の大学院生・研究員全員を対象に調査を実施し、研究業績を纏めるとともに、本研究科ホームページに業績を掲載した。
(4)合同 FD 委員会の開催
学部と大学院の合同 FD 委員会を1回行った。その内容は、シラバスチェック、今年度のFD研修の方向性を検討することであった。また、学部・大学院合同のFD研修として、①レポート論文剽窃確認ツール・Turnitinの使い方(5/11)、②科研費獲得のためのノウハウとサポート(7/13)、③研究倫理・コンプライアンス(研究費の不正使用・研究活動上の不正行為防止への取組み)(10/27)を各々テーマにして、学習を行った。なお、いずれともに手話言語研究センターのスタッフも参加した。
(5)シラバスチェックの実施
昨年度に引き続き、次年度の開講科目のシラバスにつき、 授業目的及び到達目標、さらに英文の授業目的と到達目標について重点的に相互チェックを行った。
(6)博士学位論文の指導審査プロセスの検討
一昨年度より博士学位論文の指導審査プロセスの見直しに着手し、今年度もより効果的な指導と審査が可能になるように議論を重ねた。

教育学研究科

 今年度は、2022年9月9日(金)に開催された研究科委員会(研究倫理の啓発活動を含む)終了後に、大学院FD研究会を開催した。今回の趣旨は、現状において抱えている課題について自由に話し合う機会を設け、これを今後の展望を得るための縁とすることにあった。事前に記述式のアンケートを実施し、その集約をもとにグループで議論し、課題を共有した。今年は、2017年度(2016年学則改正)より始まった大学院の新課程開始から6年目にあたり、現状の問題についての理解を共有するためのブレインストーミング的意味合いを持っていた。施設面での根本的改善の必要、コース分けがうまく機能しているか、入試、選抜方法の在り方に問題はないか、大学院生の学びの現状をどのように考えるか、OB/OG現職教員に対して果たすべき役割をどのように考えることができるか、国公立の教員養成系大学院との差異化を図り、関関同立で唯一の教育学部の大学院としての特色をどこに見出していくべきか、博士論文審査の在り方について問題はないか等について話し合われた。アンケートと話し合いの記録は、今後、大学院問題検討員会等での検討の材料となる。

国際学研究科

 国際学研究科のFD活動としては、学部と合同での①FD研修会、②教員相互授業参観、③学生インタビュー、を行っている。
 今年度の大学院生を対象とした学生インタビューでは、本研究科指導教員からの丁寧かつ熱心な指導への感謝と高い評価が示された。自主性を重んじつつも、連絡・相談に手厚く対応してもらえたこと、専門に根ざした内容の濃い指導が受けられたこと、などが指摘された。また、自身の専門分野以外の科目を履修できることが国際学研究科の特徴であり、多方面からの知見は、自身の専門分野の研究を深める上での刺激となるとの意見もあった。事務室からは、細やかな対応・サポートを受けており、研究に集中できる環境が確保されているとの声もあった。総じて高評価であったが、これに慢心することなく、来年度も引き続き適切な学習環境、授業を提供するよう尽力したい。
 修士学位論文の中間報告会には昨年同様、指導教員以外も多く参加し活発な質疑が行われた。少ない学生数であることから、研究科全体でのFD活動は行いにくいが、引き続き、教員間で、積極的に情報を共有しつつ、院生の論文指導は指導教員任せでなく、研究科全体で行っていくという研究科の姿勢を継承していきたい。

司法研究科

 司法研究科長を含む6名の教員からなる「自己評価・FD委員会」を原則2か月に1回開催。以下のFD活動を実施した。
(1) 授業評価:学生による授業評価アンケート及び教員による自己評価を各学期終了間際に実施した。報告書を作成し、全体概要を研究科HP上にて公開、科目ごとの詳細データを教職員・学生に公開した。
(2) 授業参観:各学期、対面での授業参観および受講生との懇談を行った。その後、参観教員と授業担当教員との間で意見交換を行い、授業方法等の改善を図った。

(3) 中間アンケート:学生アンケートを授業第5~6週目にオンラインで実施した。これは授業評価とは違い、後半の授業運営に向けて即時的な改善を狙った取組である。
(4) FD研修会:研究科の教育力向上を目的として、全専任教員を対象に年2回のFD研修会を実施した。春学期は高等教育推進センターの武田教育技術主事を講師に迎え、ポストコロナの教育手法についての講演および意見交換会を開催した。秋学期は未修者教育の向上について、神戸大学と連携した本研究科丸山敦裕教授の講演をふまえ、意見交換会を開催した。
(5) 法科大学院認証評価:2018年度に(公財)日弁連法務研究財団による認証評価を受審して以降4回目となる年次報告書を提出した。
(6) 『FDニュース』発行:1年間のFD活動に関する『FDニュース』を作成し、教員及び学生に配布した。

経営戦略研究科

 専門職学位課程と博士課程後期課程を擁する本研究科は、設立当初より、研究者教員及び実務家教員に共通するFDのあり方を模索しつつ、所属教員の高い参画意識をもってFD活動を実施してきている。
 2022年度は、合計4回のFD研修会を実施した。そのうち3回は、論文作成時の不正行為に対する大学院生への指導」がテーマである。第1回は、2022年9月7日に近田政博氏(神戸大学・大学教育推進機構教授)をお招きし、「論文作成のための大学院生への指導について」というテーマで実施した。第3回は、2022年12月14日に、K. G. Jackson本研究科教授を講師として「論文作成時の不正行為に対する大学院生への指導~海外の大学の事例の紹介~」というテーマで実施した。第4回は2023年2月15日に、ターンイットイン・ジャパン合同会社及び本学高等教育推進センターから講師をお招きし、「Turnitinの操作・活用方法」というテーマで実施した。
 また、第2回は、本研究科大内章子教授・星久仁子准教授を発題者として、「教育研究上のハラスメント~事例共有~」をテーマに実施し、事例共有と意見交換を行った。

国連・外交統括センター

  国連・外交統括センターでは、2022年度に以下のFD活動を実施した。
(1) 大学院「国連・外交コース」内容改善のための学生ヒアリングおよびアンケート実施
昨年度に引き続き7、8月に計4回、国連・外交コース生に対する座談会形式でのヒアリングを実施した。授業やカリキュラムの内容、教員の指導、インターンシップ派遣、募集方法などについて、履修生の感想や意見をセンター職員との懇談を通じて聞き取り、結果をセンターで共有して改善策を協議した。学生アンケートも年2回(春学期7月、秋学期1月)実施し、集計結果は改善リポートにまとめ、次学期の授業シラバス作成時に反映している。
(2)シラバス検討ミーティングの実施
大学院副専攻「国連・外交コース」および大学MS「国連・外交プログラム」の2023年度開講科目について、1月にシラバス検討コアミーティングを実施した。全授業代表教員が出席し、前学期の学生アンケートの回答やヒアリング結果も参考に、新規科目も含めた全科目の内容充実のアイデアや改善点を共有して、シラバスに反映した。

神学部

 神学部では、神学部教員を対象に次のFD研修会を開催した。(いずれも神学研究科と同様)
 第1回(2022年6月1日)テーマ「授業実施状況と課題について」
 研究活動上の不正行為防止への取り組みについて確認した後、学部科目の2科目(「キリスト教学A」と「キリスト教学B」)、そして研究科で新しく開講された1科目(「聖書学総論A」)の各授業担当者による報告に基づき、授業の実施状況とその課題を共有した。特に、学生をディスカッションに参加させるために、またディスカッションを有効に活用するために、どのような工夫があるのかが継続的な課題として確認された。
 第2回(2022年10月13日)テーマ「ライティングセンターの課題と支援について」
研究活動上の不正行為防止への取り組みについて確認した後、ライティングセンターが提供している具体的な学生支援の内容と課題について学び、神学部としてライティングセンターの支援をどのように活用することが有効であるかが話し合われた。特に初年次の「基礎演習」などの科目において、ライティングセンターと連携し、すでに作成されている動画を活用するなどの工夫が可能であることが確認された。

文学部

 2022年10月19日(水)15時30分から、文学部・文学研究科専任教員が集まって、東北大学産学連携教育イノベーター育成プログラム大学教育基礎力科目の研究教材として作成された動画「大学教育制度論」(作成者:大森不二雄(東北大学)・杉本和弘(東北大学))を約30分間視聴し、FD研修を行った。
 当該教材は、大学制度がFDに対して果たす意義、グローバル化時代における大学制度の趨勢、大学制度の歴史的変遷、日本における大学教育改革を概説した上で、大学改革において教員が果たすべき役割を解説するものである。視聴に当たっては、中西康裕文学部長・文学研究科委員長がはじめに大学制度論を学ぶ趣旨説明を行い、景山洋平FD委員が補足説明を行った。
 研修会終了後は、教材の内容に関する選択式の質問六問を参加者全員に回答を求める形で送付し、振り返りと学習内容の定着をはかった。

社会学部

 社会学部では12月14日、「多角的な評価方法の意見交換」と題してFDが行われた。コロナ禍を経てオンラインでの授業方法の工夫のみならず、評価方法もオンラインで行われてきた。とりわけ今後、定期試験によらない成績方法がどのように可能なのかという観点から、他大学の事例(期末試験を廃止している大学)が紹介され、関西学院大学でも同様の取り組みが可能であるかどうかの問題提起がなされた。
 従前の定期試験での成績評価を標準的な評価方法と考えがちだが、コロナ禍で行われたオンラインでの評価なども含めて、多角的な評価方法の可能性について活発な議論がなされた。参加した教員からは、定期試験での評価をするものだと思い込んでいたので今後の評価について考えたいなどの意見があった一方で、社会学部ではすでに「定期試験のみ」で成績評価を行う科目は20%未満であり、また定期試験を行っている多くの科目でも他の評価と組み合わせて成績評価がなされており、すでに多様な成績評価を担当教員の工夫により行われていることも報告された。

法学部

 当該年度におけるFD活動として、法学部は以下2回の研究会を開催した。
 第1回目(2022年7月20日)には、法学部新カリキュラムについて教員の理解を深めるため「特修コース」に関する説明会を実施した。前提となる法学部のコースの仕組みから旧カリキュラムとの変更内容を復習し、新カリキュラムの目玉である「特修コース」の対象を、法曹志望者のみならず、企業法務担当者や公務員志望者にも拡充したこと、および特修コースの選抜方法や選抜時期などを改めて確認することにより、学生からの進路相談に対して新任含め教員が対応できる体制を整える上で、大変有意義な機会となった。
 続く第2回目のFD研究会(2022年12月7日)では、ターンイットイン社の田中大智氏・鬼束愛子氏を講師としてお招きし、Turnitinの基礎的な活用方法についてご講演いただいた。剽窃の確認、課題のフィードバック作成、英文法・スペルチェックと様々な活用方法があることをご紹介いただき、教員の課題採点において広く活用できることが確認できた。また近年法学部での課題としている学生の剽窃防止にもつながる機会となったと考える。

経済学部

2022年度の経済学部のFD活動としては、以下の2回のFD研修会を実施した。第1回目は2022年10月19日(水)に遠隔システム(Zoom)を使って開催した。報告論題は「R,R-studioを用いた経済学部のFDについて」で、報告者は豊原法彦経済学部教授であった。経済学部では2023年度より「課題解決型データ分析プログラム」を導入し、「データサイエンス教育」の拡充を図る。研修会では、豊原教授より、基本的なRやR-studioの利用方法、RやR-studioを活用した授業例等についての紹介があった。経済学部教員の授業の質向上に資する有益な研修会であった。第2回目は年2月16日(木)に遠隔システム(Zoom)を使って開催した。報告論題は「身体障害をもつ学生を教員として受け入れるにあたって──視覚障害を中心に」で、報告者は杉本通百則産業社会学部教授および山岸蒼太関西学院大学非常勤講師(元社会学部教学補佐)であった。研修会では、杉本教授および山岸講師より、身体障害(視覚障害)を抱える学生の学びを支えた経験からの体験談や実践例等をお話しいただいた。多様な学生に学びの機会を提供することが求められており、今後の経済学部の対応の在り方を考える上で非常に有益な研修会であった。

商学部

 2022年度のFD活動として、商学部は3回、FD教授研究会を開催した。
 第1回(2022年10月12日(水)開催)では、「研究活動上の不正行為防止への取り組み―文部科学省ガイドラインと学内関連規程に沿って―」をテーマに、藤沢武史教授(ファカルティ・ディベロップメント委員)より本学における研究活動上の不正行為防止への取り組み、研究費の不正使用防止への取り組みなどを紹介いただいた。
 第2回(2022年11月30日(水)開催)では、株式会社リクルート社より講師を招き、「高校生から見た関西学院大学へのイメージ調査結果を基にした本学の強み・弱みと課題および今後の展望」をテーマに講演いただいた。リクルート社実施の、高校生・受験生が抱いている各大学のイメージに関するアンケート調査の結果(例.様々な観点からの関関同立・各大学のイメージ、互いの位置付け)を紹介いただくとともに、本学ならびに商学部が高校生などから高い評価を獲得するために有効と考えられる施策の方向性を提示いただいた。
 商学部は2022年度にカリキュラム改編の一環として、任期制実務家教員がプロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)形式で授業を進める「ビジネスプロジェクト」科目を新設した。第3回(2023年2月15日(水)Zoom開催)では、「PBL授業を振り返って」をテーマに任期制実務家教員の松本桂一専任講師と大木和典専任講師よりPBL授業の様子を紹介いただき、PBL授業を効果的なものにするための注意点などを教員間で共有した。

総合政策学部

 総合政策学部では、FD活動とカリキュラムの検討を一体的に推進しており、共通の「FD・カリキュラム検討委員会」が担当している。2022年度は、学部再編後の現行カリキュラムの問題点を解決し、さらに充実させることを目的として、計10回の委員会を開催した。主な論点は以下の通りである。
(1)カリキュラム改編に伴う再入学時の単位認定に関する件
(2) ゼミ選択(2021年度以降入学生対象)におけるメディア情報学科生の選考方法に関する件
(3) 2022年度秋学期申込制科目の変更、「プログラミング基礎」のSA配置基準の変更に関する件
(4) 最終学年度における交換留学・長期留学・認定留学参加者の「研究演習Ⅱ」、「メディア工房Ⅱ」の取扱いに関する件
(5) グローバルキャリアプログラム(GCaP)の履修表改正に関する件
(6) 建築士プログラム生(2021年度以降入学)対象の科目開講に関する件
 また、FD・カリキュラム検討委員会の下部機関にあたる初年次教育委員会において、引き続き基礎演習の見直しに向けたサーベイの実施や情報収集を行い、初年次教育再編の検討に着手した。さらに、国際・英語教育委員会では、学部独自の海外留学プログラム(渡航型・オンライン型)の充実に向けた検討を行った。
 なお、こうした学部再編に合わせた議論と並行して、FD研修を計4回実施した。加えて、各教員の専門分野や研究内容等の紹介を目的として、新任教員及び海外留学から帰国した専任教員の研究発表会を計4回開催し、情報交換を行った。

人間福祉学部

 2022年度は、昨年度に引き続き、初年次教育改善の取り組みとして、共通カリキュラム及び共通テキストによる学科横断クラスでの基礎演習について、春学期終了時に授業担当者による振り返りの会を実施し、今後の改善に向けての検討を行った。その結果、「学部長メッセージ」、「文献の探し方講習会」(大学図書館主催)に加え、次年度より「レポート・論文における剽窃行為」や「教務関係や学生生活を送る上で必要な情報」についても、各時限合同クラスで説明を行うことになった。卒業研究に関しては、2017年度より学部専任教員を対象に、自らの指導方法の改善を目的に、他の教員の研究演習Ⅱにて提出された卒業研究を自由に閲覧できる期間を設けており、2022年度は2022年12月下旬に実施した。
 FD研修会としては、5月「レポート論文剽窃確認ツール・Turnitinの使い方」、7月「科研費獲得のためのノウハウとサポートについて」、10月には研究倫理教育・コンプライアンス教育として「研究費の不正使用・研究活動上の不正行為防止への取組み」をテーマに、学部FD委員会主催の研修会を3回開催した。このほか、次年度の学部・研究科提供科目のシラバスチェックの実施に向けて、1月下旬にFD委員会を開催し、シラバスチェックに関する確認事項や要点について検討した。

教育学部

 春学期は「研究演習および卒業研究指導の質保証」をテーマに7月13日に開催した。FD委員の尽力により、教育学部全教員を対象に、担当するゼミの運営の満足度、ゼミの最適規模、ゼミの進め方や課外活動の具体例と設定理由、ゼミ運営における工夫、二年間の学習プロセスの組み立て、ゼミ運営における困難、卒論指導の開始時期や方法、評価、さらに、研究演習および卒業研究の質保証に関する意見を事前アンケートによって収集、共有した上で当日はグループ協議を行った。ゼミの人数や、ゼミ選択における課題、教育学部特有の教員、保育士免許取得に必要な科目や教育実習、施設実習等の学外実習の多さ(特に三回生秋学期)、教育・保育職への進路希望者とそれ以外の学生の関心の違いなどを再確認し、継続的な改善模索に取り組む必要性が共有された。秋学期は「討論中心の大人数授業の試み―PostalkとZoomを使った反転授業―」とのテーマで1名の学部教員による講演形式で実施した。100名を超える人数の授業においてPostalkを活用して受講生の積極的な発言を促して授業の質を高めた実際の授業展開を体験的に共有した。事前課題の提示をもとにして、受講生による予習をふまえた発言を集約しながら授業が展開される様子が紹介された。Zoomを利用したオンライン形式での授業としての例示であったが、対面形式への応用などについても話題となった。今後も継続的に学修の質向上に向けて協議を重ねたい。

国際学部

 国際学部のFD活動は、①FD研修会(国際学研究科との合同を含む(以下、院合同))、②教員相互授業参観(院合同)、③学生インタビュー調査(院合同)の3つで構成されている。2022年度FD研修会は、第1回「基礎演習のあり方について」
(5月11日実施・院合同)、第2回「クォーター科目の拡充について」(7月13日実施・院合同)、第3回「ライフデザインについて(進路情報意見交換会)」(10月5日実施・院合同)」、第4回「リポートの書き方に関するオンデマンド教材について」(11月16日実施・院合同)をテーマとした。
 FD研修会第1回では、基礎演習の共通化をより進める方法について討議した。また、その一環として「国際学部リポートエッセイコンテスト」の実施が提案され、これを討議した。第2回では、国際学部のクォーター科目開講状況と、今後の課題について懇談した。第3回では、キャリアセンター担当者より2021年度(22年卒)の就職状況、2022年度の動向等の説明と、それを受けた情報交換が行われた。第4回では、基礎演習共通化の一教材として使用する予定のオンデマンド教材を視聴し、活用方法について話し合った。

理学部

 理学部FD委員会は、生命環境学部FD委員会ならびに工学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGや理工学研究科FD委員会とも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。
 2022年度は(1)FD研修会ならびに(2)シラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。FD研修会は、生命環境学部、工学部、理工学研究科と連携して2022年9月14日に関西学院キャンパス・ハラスメント等相談センターの冨田陽子相談員と福田央子相談員から「ハラスメントの予防と対応」と題して、講演をいただいた。この中で、キャンパス・ハラスメント等相談センターの業務内容やハラスメントの予防ならびに相談を受けた場合の対応等について、有益なお話を伺うことができた。また、シラバスの質向上に向けては、作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容をチェックし、さらなる質の向上と、その保証に向けた表記について検討を行った。

工学部

 工学部FD委員会は、理学部FD委員会ならびに生命環境学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGや理工学研究科FD委員会とも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。
 2022年度は(1)FD研修会ならびに(2)シラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。FD研修会は、理学部、生命環境学部、理工学研究科と連携して2022年9月14日に関西学院キャンパス・ハラスメント等相談センターの冨田陽子相談員と福田央子相談員から「ハラスメントの予防と対応」と題して、講演をいただいた。この中で、キャンパス・ハラスメント等相談センターの業務内容やハラスメントの予防ならびに相談を受けた場合の対応等について、有益なお話を伺うことができた。また、シラバスの質向上に向けては、作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容をチェックし、さらなる質の向上と、その保証に向けた表記について検討を行った。

生命環境学部

 生命環境学部FD委員会は、理学部FD委員会ならびに工学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGや理工学研究科FD委員会とも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。
 2022年度は(1)FD研修会ならびに(2)シラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。FD研修会は、理学部、工学部、理工学研究科と連携して2022年9月14日に関西学院キャンパス・ハラスメント等相談センターの冨田陽子相談員と福田央子相談員から「ハラスメントの予防と対応」と題して、講演をいただいた。この中で、キャンパス・ハラスメント等相談センターの業務内容やハラスメントの予防ならびに相談を受けた場合の対応等について、有益なお話を伺うことができた。また、シラバスの質向上に向けては、作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容をチェックし、さらなる質の向上と、その保証に向けた表記について検討を行った。

建築学部

 2021年に創設された建築学部での2年目のFD活動の新しい取り組みとして、学部教務委員会およびFD委員会が中心となって、入学時オリエンテーション時にストレッチ課題と題し、4月からはじまる専門的な授業に馴染めることを目指してグループワークを行う等、更なる教育環境向上を目指した取り組みを実施した。この新しい取り組みの発展系として建築教育の更なる質的向上を目指し、次年度以降は建築教育システムの開発及びその実現に向けて新たな組織開発を計画している。なお、今年度のFD研修会としては以下の3回開催した。
 第1回目は、5月18日に、キャンパス・ハラスメントについてキャンパスハラスメント等相談センターの相談員に資料に基づいて説明を受けた後、質疑応答を行った。
 第2回目は、7月13日に、研究倫理教育・コンプライアンス教育について資料に基づいて建築学部研究推進委員から報告があり、意見交換を行った。
 また、コンプライアンス推進責任者である建築学部長から説明と注意喚起がなされた。
 第3回目は、2月16日に、シラバスの作成に関する理解の促進とシラバスの教員間での相互評価・相互チェックの実施を行った。。

言語教育研究センター

 (英語)全学英語教育FD部会を計2回開催し、「全学TOEICの今後の実施形態」「全学TOEICのスコアからみた関西学院大学学生の英語力の現状と英語教育」「各学部の英語教育の取り組みとその成果」等について意見交換を行った。
 (ドイツ語)言語教育研究センターで開講しているドイツ語クラスに関しては、基本的にヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に基づいてカリキュラムを策定してきている。1)3年ぶりに2023年夏に予定している「ドイツ語海外研修」(ブレーメン、デュッセルドルフ)の開催の可能性を主にドイツ語教育委員会、ドイツ語分会、執行部会で議論した、2)2023年度のシラバスチェック(外部委託後、指摘された箇所を担当者に連絡し修正について議論した)、3)2023年度秋学期に始まる「ドイツ語インテンシヴコース」「ドイツ語アラカルト」などの科目担当者とそのカリキュラムのあり方についてドイツ語分会で検討した。インテンシブ・コースの名称「初級1」「初級2」「初級3」「中級」などの名称についても検討した。
1)については、ブレーメンのみの派遣とし、2)については担当者の変更を行った。また、3)については継続して検討することにした。科目名称には学習レベルを反映した表現(A1.1, A1.2, B1.1 など)を用いることを再度検討する。また、ドイツ語では、ドイツ語圏からの交換留学生に依頼して、ドイツ語授業にLAとして授業に入ってもらった。(言センのインテンシブ初級1と経済学部ドイツ語のみ)また、ドイツ語=日本語タンデム学習の希望者を募り、グループで学習させた。
なっていたフランス語担当教員による研究交流会・意見交換会・教科書選定会議を対面で開催することを今年度も断念し、代わりにアンケート調査およびメール交換で意見交換を行った。
 (スペイン語)2022年4月初旬にオンラインミーティングを行い、前年度の授業実施に関する情報交換を行い、改善すべき点を検討した。2023年2月初旬には23年度から使用を開始する新教科書に関するオンラインミーティングを開催し、到達目標や使用方法など執筆者が説明を行い、全体で質疑応答を行った。
 (中国語)対面授業再開の準備として、3月29日に講師会(Zoom)を開催し、授業のあり方について詳しく説明した上で、意見聴取と情報交換を行った。学期中でも専任教員が非常勤講師へのサポートを積極的に行い、担当者全員への情報共有に努めた。
 (朝鮮語)2022年度の開始時に担当者懇談会をZoomを用いて開催し(希望者のみ参加)、オンライン授業から対面授業への移行への対応に備えて、教材や授業方法に関し意見を交換した。

教職教育研究センター

本年度は2回のFD研修会を行った。第1回は7月12日(火)に「自己点検・評価を踏まえた教育改善に向けて」というテーマで、今年度から義務化された教職課程における自己点検・評価の報告書作成に向け、自己点検評価基準を確認するとともに、それらの基準に該当する本学の取り組みに関する意見交換を行い、報告書作成の進め方について議論した。第2回は12月16日(金)に「授業実践報告および本学教職課程の現状」というテーマで、非常勤講師や教務担当副学部長の参加も得て行った。授業実践報告を受け、教育の場を通して本学の理念を実践できる「関学らしい教員」の育成や教職基礎科目のあり方等について理解を深めるとともに、本学教職課程の現状についてデータを基に共有し、今後の授業改善等に向けて意見交換をすることができた。なお、以上の研修会のほかにも、センター連絡会の機会を利用し、専任教員を対象に研究倫理教育・コンプライアンス教育およびシラバス改善、教育の質の向上に向けたICTの活用等について情報共有と懇談を行うとともに、自己点検・評価について継続的に情報共有と検討を行った。

共通教育センター

 当センターは2010年4月の設置以来、FDに関する主たる取り組みとして、全学科目体系の整備、初年次教育科目「スタディスキルセミナー」の提供、ラーニング・アシスタント(L.A.)制度の運用を推進している。
 カリキュラム充実に向けた成果として、2020年度のライティングセンター設置と同時に開講した、大学生向けの「スタディスキルセミナー(リポート執筆の基礎)」、大学院生向けの「論文執筆のためのアカデミックライティング」は、履修者から安定的に高い満足度を得ている。なお、「スタディスキルセミナー(リポート執筆の基礎)」は、2022年度から一部のクラス(春3クラス、秋6クラス)をオンデマンド型授業と対面授業を交互に実施するハイブリッド形式の授業として提供している。
「AI活用人材育成プログラム」では、「AI活用入門」、「AI活用アプリケーションデザイン入門」、「AI活用データサイエンス入門」の3科目に加え、新たに「AI活用機械学習プログラミング演習」もバーチャルラーニングで開講した。これにより、教育の質を担保しつつ、多数の学生へ科目提供することが可能になり、特に「AI活用入門」においては、春学期2,600名、秋学期2,892名の学生が履修する等、大きな成果が挙がっている。
 また、シラバスの高度化・実質化に関する取り組みを継続し、高等教育推進センターと共同で作成した『授業シラバス執筆の手引き』を基に、センターが提供する全科目のシラバスについて、センター長、センター副長、情報科学科目コーディネータ教員、関係教員でチェックを行った。
 これらに加え、共通教育センター所属の教員に対し、7月19日に、研究倫理の啓蒙(研究活動上の不正行為、研究費の不正使用の防止について)をテーマとした、コンプライアンスに関する研修を実施した。

ハンズオン・ラーニングセンター

 ハンズオン・ラーニングセンター(HoLC)では、①「ハンズオン・ラーニングセンター提供 Certificate Program(HoLC-CP)」の推進、②新規プログラム開発、③新規連携先開拓に取り組んだ。
①HoLC-CPは運用開始当初、2022年度入学生(1年生)からを対象としていたが、対象となっていない2年⽣以上で、既に、対象科⽬を履修した学⽣から、⾃分たちもHoLC-CPを⽬指すことができないのかといった声を受け、センター内で検討を重ね、全学生がチャレンジできるように改正を行った。
②新規プログラム開発では、海外をフィールドとした科目、「ハンズオン・ザ・グランド」の新設をすることとなった。本科目は、海外の大学・団体と共同で実施をするプログラムであり、次年度は、インドにて実施予定である。
③新規連携先としては、島根県隠岐郡海士町を開拓し、2月からのハンズオン・インターンシップ(HoIS)の実施に至った。
今後の更なる連携のため、町長と面会し、新たなプログラムを開講できるよう、検討を進めていくことを確認した。

スポーツ科学・健康科学教育プログラム室

 スポーツ科学・健康科学教育プログラム室では、秋学期に開講したスポーツ科学・健康科学科目(講義および実技)において、新型コロナウィルス感染症拡大以前に実施していた従来の形式によって授業を実施した。但し演習授業においては、教材の消毒、履修生への手指消毒の指導などの感染症予防を徹底して実施した。その結果、各演習授業において、クラスターなく授業を実施する事ができた。この事はスポーツ科学・健康科学教育プログラム室の専任教員が何度もミーティングを重ね、また非常勤講師に対しても講師会など実施し、授業運営の意思疎通を図ったことによる成果だと考えられる。更に今年度は2年間中止していた余暇生活学演習D(冬期アウトドア)を実施することとした。既に春学期に開講している余暇生活学演習C(夏期アウトドア)では、新型コロナウィルス感染症の感染者を発症することなく無事に終了した。この実績から余暇生活学演習D(冬期アウトドア)の開講を決断した。今後も学生の安全に配慮した授業が展開できるようにFD活動を通じて、新たな授業展開を検討する。

人権教育研究室

 人権教育研究室は、人権教育における全学的なFDの推進のために、室長室会が主体となって人権関連の諸活動を実施している。2022年度においては、以下の活動を行った。
第一に、毎年4月に行う新任教員等を対象とした人権研修プログラムについて、2022年4月にオンデマンド配信を行った。第二に、春季および秋季に開催されてきた人権問題講演会について企画し、春季には5月にLGBTQ、6月に障害者権利条約をテーマに、秋季には10月にビルマ(ミャンマー)情勢と支援活動、11月に原子力災害をテーマとした講演会をハイブリッド形式で開催した。第三に、性の多様性への啓発として、第10回関学レインボーウィーク「十人十色」を5月16日~20日に開催し、YouTuberかずえちゃんによる講演会や映画上映会、10周年記念パネルディスカッションなどを行った。第四に、全学的な難民問題への取り組みの一環として、Meal for Refugees(M4R)活動を後援し、11月に国連UNHCR協会の後援を受け、難民映画フェスティバルを上ケ原と三田キャンパスで行った。さらに、11月に日本語教育センターとの共催により、「ヒューマンライブラリー」を実施し、12月にNPO法人虹色ダイバーシティの共催により「どこでもプライド・キャラバンプロジェクト」を実施した。
最後に、人権教育研究室が提供する人権教育科目では、各学部からの教員が運営委員となり、科目代表者と共に科目運営を担うことで、多くの教員が本学の人権教育について理解を深めることができた。2023年3月には、人権教育科目担当者連絡会を開催し、担当者間で意見交換や情報共有を行った。次年度の人権教育に向けた改善点や今後の取り組みを確認した。

国際教育・協力センター

 2022年度、国際教育・日本語教育プログラム室では、本プログラム室が2021年度に開発したオンライン国際共修プログラム(COIL/VE型科目)をさらに展開するために、次のとおり「授業を活性化する『COIL/VE』ワークショップ」を主催し、全学から16名の教職員が参加した。ワークショップでは、4名の教員から事例紹介の後、参加者がグループに分かれてお互いの事例共有を行い、活発に意見を交換した。
日  時:2022年11月30日(水)15:15~16:55
開催形式:オンライン(使用言語:英語)
内  容: COIL/VE型の活動をすでにある授業に取り入れるためのプロセスとノウハウをグッドプラクティスやグループワークを通して習得する
対象者:学内授業担当教員、教務担当教職員
登壇者: ヘニングス・マティアス国際教育・協力センター准教授、カバリ・ヴィヴィアン 社会学部准教授、ナウラン・アンドリュー 言語教育研究センター言語特別准教授、クセン・オアナ言語教育研究センター言語特別講師
 さらに、本ワークショップの成果報告を国際教育・日本語教育プログラム室連絡会(2023年2月14日)で共有し、教職員で種々議論した。今後も他学部・他センターと連携しながら、新たな国際共修の在り方やオンラインを活用した授業方法について検討を進めていきたい。

日本語教育センター

 日本語教育センターは、正規外国人留学生、交換留学生、短期外国人留学生、正規日本人学生を対象とするプログラムを開講している。全学による授業評価と併せて、本センター独自の質問票による授業アンケートを行い、次年度の検討に活かしている。本センターの留学生を対象としたプログラムはすべてティームティーチングによって指導しているため、教員間の連絡や情報共有が欠かせない。そのため、クラスの状況や学生一人一人の勉学上の問題点、お互いの教授方法や進度などの情報共有を目的に、学期開始前と終了時に、非常勤講師を含む授業担当者全員による講師会議を開催し、専任教員、言語特別講師、常勤講師による講師室会議を毎月行っている。
 さらに、教育研究の研鑽の機会として、例年、関学日本語教育研究会を夏と冬の2回開催している。11月11日(金)に人権教育研究室との共催で「ヒューマンライブラリー@KG」を実施し教員9名が参加、3月9日(木)に第32回日本語教育研究会を実施予定である。また、9月2日(金)に日本語教育センター設立10周年記念シンポジウムを開催し、今後のセンターの教育活動や他部局との連携について議論を行った。

キャリア教育プログラム室

 キャリア教育プログラム室では、専門分野の学びと社会を結び付けることを目的とし6つの正課科目を配している。
カリキュラムは、入門科目の「KGキャリア入門」を通して「キャリア」を知り、その後、企業と共創する「ライフデザインと仕事」を通して「社会」を知り、最後に、ゼミ形式の「キャリアゼミA・B・C」を通して「自分」を知るという履修モデルとなっている。また、上記モデルと並行して、国家公務員志望の学生を対象に、「霞が関セミナー」も開講している。
 2022年度においては、2023年2月8日に実施されたキャリアセンター連絡会にてFD活動について懇談する機会を持った。特に、オンデマンド授業である「KGキャリア入門」の運営方法について懇談を行った。本科目は、履修者が春学期7,402名、秋学期3,735名(計11,137人)となったことに伴い、学内のLMSを使用できず、授業運営上で対応が必要となった。具体的には、動画配置・視聴、課題提出、採点作業等で改善する必要があったため、動画配信・視聴については「OneDrive」、課題提出については「KGポートフォリオ」を活用することで対応し、採点作業については、理工学部ゼミの協力により、自動採点システムを構築しそれぞれ対応した。

大学宗教主事会

 今年度も、一昨年度及び昨年度と同様、新型コロナウィルスの感染が収束しない状況の中で春学期の授業が開始されたが、授業については原則として対面で実施される方針が打ち出され、三年ぶりにほぼ従来での形での授業が実施されることになった。これを受けて大学宗教主事会では、学部一回生の必須科目である「キリスト教学」のあり方について、また昨年度より30分から(実質)20分に短縮された大学のチャペルアワーの実施方法について随時懇談の時間をもち、各学部の実施状況について情報を共有してきた。特に7月1日(金)の大学宗教主事会はFD研修会として実施し、木原桂二商学部宗教主事より、商学部におけるキリスト教学及びチャペルアワーの実施方法、工夫している点や課題となっている点等について発題していただき、その内容を踏まえて意見交換する時間をもった。
 コロナ禍が長引き、先が見えにくい状況がなおしばらく続いていくことも予想されるが、授業等のより効果的な実施方法について引き続き検討を進めていきたい。