2025.02.17.
【実施報告】第5回能登半島地震現地ボランティア(2/14~16)

現地での活動内容

活動は、石川県七尾市中島地区の仮設住宅と、新町会館(自治会の集会所)、中島地区コミュニティーセンター豊川分館で行いました。
今回も、これまで同様に認定NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)にコーディネートしていただき、また「のと復興人足隊」と連動することで活動が実現しました。

1日目は、2日目に行う会館でのイベントのお知らせを兼ねて、仮設住宅と新町地域で戸別訪問を行いました。学生たちは関学新聞やカイロをお届けするとともに、住民のみなさんの日常の困りごとなどに耳を傾けました。
玄関先でお話しするだけでなく、「ぜひあがってください」と声をかけていただき、じっくりお話を聞かせていただいたお宅もありました。

 

 

また、夕方からは七尾市社会福祉協議会の直さん、日下さんにお越しいただき、震災時の避難所の様子やこれからの課題についてお話をいただきました。
お話の最後には直さんより、「被災したことにより、壊れたり、無くなったり、途切れてしまったり・・・。でも、それ以上に「つながりの輪」ができました。被災者支援はこれからも続きます。引き続き、温かいご支援をお願いします。」とメッセージをいただきました。
この日の活動の振り返りでは、戸別訪問の活動内容について学生全員で共有を行い、翌日に向けて具体的な行動をイメージして明日に臨もうと話し合いました。また、翌日の活動に使用する「手作りすごろく」の作成も行いました。学生が中心となって各マスの内容を考えたり、絵を描いたりして、世界に一つだけの「関学すごろく」が完成しました。

 

 

2日目は新町会館での交流イベント(ハーバーリウム、写真立てづくり、お菓子デコレーション、子ども遊びなど)を行いました。
一緒に食べたり、作ったり共同作業をしながら、七尾市のことや暮らしについて、またこれまで住んできた地域のことなど色々なお話をお聞きすることができました。子どもたちも沢山訪れてくれて、寒さに負けず雪合戦やなわとび等様々な遊具を使って大学生と元気に遊んでいました。

 

 

夕方からは、3日目に豊川分館で行われる三世代交流会に向けて、豊川地域協議会 分館長の井田さんのご案内で豊川地域のバスツアーを行い地域の状況について知ることができました。また、スタッフの菅田さんから分館を案内していただきました。被災時に避難所として使われた時の状況について詳しく知ることが出来ました。
この日の活動の振り返りでは、「支援とは」をテーマに、支援するための自分たちの強みと弱みの2つの視点から考えました。学生からは「人の気持ちを考えること」、「不便や不自由を感じている人の生活をよりよくしていくこと」などが上がり、どんな世代とも近い関係性が築けることや若さが強みである一方で、人生経験の少なさや専門性がないなどの弱みもあるなどの意見がありました。振り返りを通して「支援」の難しさを知るとともに、学生一人ひとりがこの活動が終わっても自分たちができることを考える貴重な機会にもなりました。

 

 

この日は前日の活動から継続して、七尾市豊川地区の皆さんと三世代交流会を行いました。学生は交流会班とおでんチームに分かれ、地域の方々と活動を通し交流を行いました。
交流会では、豊川地域と学生が混合のチームとなって輪投げやモーションゲームのTANOを行いました。三世代交流会には、71名もの地域住民が参加されました。おでんは、金沢ならではの食材をご準備いただき豊川地域の女性会の皆さんと一緒に作りました。お昼には三世代交流会に参加した皆さんと学生も交じっておでんを堪能しました。
そして、午後からは52名の地域住民の皆さんと「豊川地域のいいところさがし」をテーマに、学生と住民の方々が6つのグループに分かれて話し合いました。住民の方々からは「桜まつり」「虫おくり」「納涼祭」など季節ごとの地域イベントや、地元ならではのご飯や特産品などのお話があり、学生たちは熱心に耳を傾けていました。また、「豊川地域のこれから」についても話し合いを行いました。話し合いでは、「多様なゲストをお呼びしてお祭りをより盛り上げていきたい」や「豊川地域の人たちだけでなく様々な世代の人が来てくれるように、SNSなどで魅力を発信する」などの意見が出ました。
次回以降も交流の機会を持ち、豊川地区で学生たちとできることを考えたいという意見もあったので、引き続き豊川の皆さんとのつながりを大切にしたいと思います。

 

 

活動概要

日程:2025年2月14日(金)~16日(日)
場所:石川県七尾市
    中島地区第1団地(仮設住宅)
    新町会館(自治会の集会所)
    中島地区コミュニティーセンター豊川分館
宿泊先:国立能登青少年交流の家
参加者数:学生19名(応募者数32名)
内容:仮設住宅への戸別訪問
   新町会館(集会所)での交流イベント:ハーバーリウム、お菓子デコレーションなど
        豊川地区の方々との三世代交流会「豊川地域のいいところさがし」「豊川地域のこれから」
目的:
(1)被災された方々に元気を届ける
(2)参加者自身の学びを深める
   ① 被災地での経験を学問的に深める
   ② 色々な学部・学年の参加者との出会いから多様な視点で学ぶ
   ③ 日常とは違う場面に飛び込み、現在の生活が当たり前でないことに気付く
(3)被災地への関心を広げる
連携:認定NPO法人 日本災害救援ボランティアネットワーク
      社会福祉法人 西宮市社会福祉協議会
      のと復興人足隊
   豊川地域協議会
協力:株式会社 高山堂