2024.06.26.
【実施報告】第2回能登半島地震現地ボランティア(6/22~23)
現地での活動内容
活動は、石川県七尾市中島地区の仮設住宅と、新町会館(自治会の集会所)、豊田集会所で行いました。
今回も、第1回同様に認定NPO法人日本災害救援ボランティアネットワークにコーディネートしていただき、また「のと復興人足隊」と連動することで活動が実現しました。
加えて、今回は日ごろから本学と連携してボランティアのきっかけづくりに取り組んでいる西宮市社会福祉協議会の職員の方や、福山市立大学都市経営学部の宮前良平先生、そして宮前ゼミの学生の皆さんと、様々な視点を持ち寄り越境・協働しながら活動をすることができました。
1日目は、2日目に行う会館でのイベントのお知らせを兼ねて、仮設住宅と新町地域で戸別訪問を行いました。学生たちは住民のみなさんの日常のお困りごとなどに耳を傾けました。
第1回に参加した学生からの引継ぎを踏まえて、仮設訪問前に練習をする、訪問時にうちわやお水、西宮市のボランティアの方が制作された巾着などをお届けするなどのを工夫をしたことで、住民の方と沢山お話をすることができました。
「車の音や小さな揺れに敏感になり、夜はうまく寝付くことができない。」「暑いがクーラーがあるので耐えれている。入居したばかりなので、これから暑さ・寒さを乗り越えられるのかが不安。」などのお話を聞きました。いまもなお片付けをしておられる方や、体調が悪く髪の毛を切りに行くことさえできない方などがおられ、継続的な支援の重要性を感じました。
また、「今月も来てくれてとても嬉しい。」「遠くから来てくれて、ありがとうね。ご縁に感謝します。」などの温かいお言葉もかけていただきました。
2日目は、豊田集会所での地元老人会の方々との交流会(スカットボール大会)と、新町会館での交流イベント(うちわ作り、茶話会、子ども遊びなど)を行いました。スカットボール大会では、学生と住民の方がペアを組んで白熱した対決を繰り広げました。ハイタッチをして喜び合ったり、握手をしてたたえ合ったりと、試合以上に温かい交流ができたことでとても充実した時間になりました。新町会館でのイベントについても、雨にもかかわらず多くの方にご参加していただくことができ、とても喜んでもらいました。「こんなにたくさんお話できたのも久しぶり」「今月も楽しみにしていました!」とも言っていただき、わずかな時間でしたが、少しでも心が安らぐ時間になったのではないかと思います。
イベントにはお越しいただくことが難しかった方々のお宅には再度個別訪問をさせていただきました。「(お住まいの住宅に)あがっていってください」と声をかけていただき、1時間以上お話することができるなど、学生ボランティアと話すことをとても楽しんでいただいている様子でした。また地域のお祭りのことなどを教えてくださり、私たちにとっても学ぶことが沢山ありました。
2日間の活動を終え、振り返りで学生たちからは「一言で“被災者”とまとめてしまいがちだけれど、猫を飼っていたり、小さいお子さんがいたり、色々な営みがあることを感じた。それぞれに合った支援はどのようにできるのか、考えるきっかけになった。」「2日間と限られた活動ではあるけれど、関わった人たちからもらった“ありがとう”“また来てね”と言ってもらえたことがとても印象に残っている。これから、今の七尾市の現状やそこに住む方々の状況を伝え、次に何ができるのかを他の人たちに伝えながら一緒に考えることが、自分たちが活動に参加した意味なのかなと思うので、発信していきたい。」などの思いが話されました。
ヒューマン・サービス支援室では8月に第3回の現地ボランティアを予定しています。今後も継続して学生たちとできることを考えていきます。
活動を終えて(参加者の感想)
富山 祥伍(経済学部1年生)
僕がこのボランティアに参加した理由は、なにか少しでも自分で能登の人々のために役立ちたいと思っていたからです。少しづつ関心が薄くなってきている能登半島地震の被害を目の当たりにすることが出来ました。半年も経つので復興は進んでいるのだろう。と思っていたけど、まだまだ進んでおらず、家の下敷きになっている車もあってなにもできない自分にモヤモヤを感じました。肉体的なボランティアを必要としている部分ももちろんあるけど、コミュニケーションなどの精神的なボランティアを必要としている人も多いのではないかと思いました。活動内でどう対応するのが正解か分からず困った場面もあったことが自分の今回の課題だと思いました。自分は自分の目で現地を見るまで自分事として捉えることが出来ず、他人事になってしまっていたので、今回の経験を他の人達にももっと知ってもらって自分事として捉えられるように伝える努力をしていきたいと思いました。また、ひとつの課題を、学部・キャンパスを超えた人達から色んな角度の視点から知ることが出来て多くのことを学べました。このことを自分の学部の勉強にも活かしていきたいと思いました。運良く抽選に選ばれて、とてもいい経験をすることができました。ありがとうございました。
足立 里歩(総合政策学部3年生)
第2回能登半島地震現地ボランティア活動に参加し、仮設住宅の訪問や交流イベントを通じて、被災地の現状を目の当たりにし、ボランティアとしての意義と難しさを深く感じました。初日は仮設住宅に住む方々を戸別訪問し、物資の提供や日常生活の困りごとをお伺いしました。訪問中、多くの方々から感謝の言葉を頂戴し、温かく迎え入れていただいたことが印象的でした。しかし、一部の家庭では支援を断られることもあり、ボランティアとしての関わり方の難しさを痛感しました。また、個々の状況に応じた対応が必要であることを学びました。2日目は、新町会館で交流イベントを開催しました。1日目の訪問では被災者の厳しい状況を目の当たりにしましたが、2日目のイベントでは皆さんが楽しんでくださり、笑顔や心の安らぎを見せてくれる場面が多くありました。特に、普段は夫の介護に専念している方が息抜きとして参加してくださったことが印象的でした。しかし、お話を伺う中で、移動販売の減少や買い物の困難な状況など、生活の問題に直面している現実を知り、さらなる支援の必要性を感じました。今回のボランティア活動を通して感じたことは、支援活動が一方向的ではなく、双方向のコミュニケーションであることの重要性です。訪問やイベントを通じて温かい言葉や感謝の気持ちを受け取ることで、自分自身も多くのエネルギーを得ることができました。また、地域コミュニティの結びつきの強化が支援活動の一環として重要であることを学び、ボランティアが単なる支援者としての役割にとどまらず、地域全体のつながりを促進する役割を果たすことの意義を理解しました。この活動を通じて、コミュニケーションの重要性と相手の背景を考慮することの大切さを再認識しました。今後もボランティア活動で得た経験を生かし、被災者の方々の支援に貢献していきたいと考えています。
活動概要
日程:6月22日(土)~23日(日)
場所:石川県七尾市
中島地区第1団地(仮設住宅)
新町会館(自治会の集会所)
豊田集会所
宿泊先:国立能登青少年交流の家
参加者数:学生12名(応募者数43名)・教員2名
内容:仮設住宅への戸別訪問
新町会館(集会所)での交流イベント:子ども遊び、茶話会など
地元老人会の方々との交流会(スカットボール大会)
目的:
(1)被災された方々に元気を届ける
(2)参加者自身の学びを深める
① 被災地での経験を学問的に深める
② 色々な学部・学年の参加者との出会いから多様な視点で学ぶ
③ 日常とは違う場面に飛び込み、現在の生活が当たり前でないことに気付く
(3)被災地への関心を広げる
連携:
NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク
西宮市社会福祉協議会ボランティアセンター
福山市立大学
都市経営学部 宮前ゼミ
のと復興人足隊
協力:
株式会社 高山堂