「深い思考」がもたらす学びの相乗効果

[ 編集者:ハンズオン・ラーニングセンター       2017年3月7日   更新  ]
自治会連合会役員の皆さんへのプレゼンの様子。

自治会連合会役員の皆さんへのプレゼンの様子。

2017年2月27日(月)から3月4日(土)までの6日間、瀬戸内海に浮かぶ自然豊かな島「豊島(てしま)」(香川県小豆郡土庄町)で現地実習を行った。
当センター提供の「社会探究実習(豊島環境フィールドワーク)」では2016年8月より、この豊島での実習をスタートさせ、今回は2回目の現地踏査。
今回は、学期当初に履修登録した学生数名が諸般の事情で途中離脱したこともあり、3名の男子とスタッフ3名で現地入りした。
今回の授業の大テーマは「島で住み(暮らし)続ける」。これは島の高齢化、人口減少に歯止めがかからない状況で、島のコミュニティを維持しつつ、暮らしを成り立たせる可能性について探究することを主眼においたテーマである。学生は、この大テーマに基づき、それぞれが島で探究する各自のテーマを立て、聞き取り調査を行った。
5日目の夜に島の自治会連合会役員のみなさんに対して本実習の調査結果を踏まえて行ったプレゼンテーションテーマは「島生活での幸福とは」「観光地のある豊島」「豊島の魅力とは何か」。

島の若手有志の方々との意見交換会の様子。

島の若手有志の方々との意見交換会の様子。

しかし、このテーマも島に入る前に考えていたものと少なからず変わっている。
島の人々や島に来訪する観光客から話を引き出すために、自分が何を思考・探究する者か明らかにする。聞き取った言葉や思いを噛みしめ深く思考する。
島を深く知れば知るほど、当初の仮説が崩れ、磨かれ、削ぎ落とされ、変化する。再度、自らが用いる言葉の定義、立ち位置を確認、再定義する。こういった、自らの考えに向き合い、反芻を繰り返す「振り返り」の作業の連続。
6日間の実習期間中、朝食後にその日の行動テーマやプランを確認、夕食後にはその日の聞き取り調査の振り返りを行った。島で何を感じ、何を得て、自分に何が足りていないのか、振り返りを行い、それぞれが情報を交換し、意見しあう。当初考えていた仮説どおりで調査を進めてよいのか、他の学生が収集してきた情報も援用しながら、テーマを再考するべきなのか考えを巡らす。この繰り返される「振り返り」の作業は、明らかに学生を成長させたのではないだろうか。

しかし、これが実現したのは、学生が「本気」で思考し、行動したことについて、島のみなさんが理解くださり、全面的に協力してくださったからであることは言うまでもない。また、担当教員も近すぎず、遠すぎずの距離感で学びに寄り添い、引率スタッフも客観的に助言したことも相乗効果となったのではないだろうか。
勿論、たった1週間程度の現地実習で果たして何ができるのか、何が達成できるのか、どういう成果があるのか、と言われれば苦しいところもあるが、「地域で学ぶ、地域に学ぶ」という当センターの基本姿勢が豊島のみなさんに理解され、一歩一歩着実に豊島にKGの根を下ろしつつあることを感じた1週間となった。
次の8月の現地実習は、前回・今回現地実習に入った学生がサポーターとして授業の運営にコミットしつつ、更に深く豊島を探究してくれることになっている。8月13日には島全体での夏祭りも行われる。そのお手伝いをしながら、島のみなさんと語らい、汗を流し、今までの島のみなさんの協力や支援に少しでもお返しできればと考えている。今から夏の実習が楽しみで仕方ない。(KN)

思考の整理を兼ねた朝の散歩で訪れた棚田の風景。

思考の整理を兼ねた朝の散歩で訪れた棚田の風景。