2016.06.14.
【第三回 高大接続フォーラム~グローバル人材育成の教育実践の成果と課題~】を開催

関西学院大学は6月3日、大阪大学・大阪教育大学と合同で文部科学省後援による「高大接続フォーラム~グローバル人材育成の教育実践の成果と課題~」を開催しました。

 基調講演では、文部科学省初等中等教育局 国際教育課 課長補佐 荒井忠行氏が登壇。「スーパーグローバルハイスクールにけるグローバル人材育成」と題した講演を行いました。未来の世界における日本を見据え、社会から求められる人材としてのグローバル人材についての発信がありました。また、小中高大という全体的な流れを見据えた英語指導強化策を踏まえ、改めてスーパーグローバルハイスクールがスーパーグローバル大学への架け橋になっていることの重要性について発信がありました。そして、各高校における特徴的な事例についても言及し、それらを通じて改めてスーパーグローバルハイスクールに求められるものについて訴求しました。中間評価を控えたSGH一期校には、見直しにもつながる機会となりました。

 基調講演の後は、実際に大学の現場でグローバル教育の実践がどのように進められているのか、関西学院大学 学長補佐 關谷武司教授が紹介しました。海外における活動、国連ユースボランティア派遣の取り組み、その背景や目的について紹介があり、実践事例や成果として、実際に派遣された学生にもその活動成果をプレゼンさせることで、人材育成によりリアルに迫るものとなりました。さらに国連ユースボランティア活動を経て、民間企業の人事部門で働く卒業生も登壇し、模擬面接を通じて、企業が求める力にも言及しました。大学で育成する学生のどのような力が社会につながっているのか、何が評価となるのかにまで触れることで、この後の高大接続として大きなテーマである“学び(課題研究)の成果をどう評価するのか?”のパネルディスカッションにも一石を投じる内容となりました。
 
 第二部は、課題研究の評価を試行錯誤する現場の実情が浮かび上がる内容となりました。まずは評価をどうするかという以前に、どのような課題研究の実践があるのか、堀川高校・北野高校・大手前高校という近畿エリアの代表的な3校から、その実践について発信がありました。課題研究がどのような影響を与えているのか、それは大学ではどうなのか、という振り返りから質問が始まりました。会場席からは、基調講演の講師である荒井氏に質問にも答えてもらい、問題発見解決という高校時に育成された力は、入試改革のテーマに直結するものとして検討すると回答が出るなど、前向きな議論もでてくることでパネルディスカッションは非常に活発に行われました。

 最後に高大接続センターの尾木次長より、入試改革事業である大学入学者選抜改革推進委託事業に向けて、関西学院大学が幹事校となり、大阪大学、大阪教育大学、同志社大学、立命館大学、関西大学との共同研究として申請することが宣言されました。さらにその臨床的な機会として3月にはSGHに向けた課題研究発表会を、SGH甲子園として実施予定でもあることにも触れ、全国多くの高等学校の探究活動支援にもつながるフォーラムとなりました。