[ 編集者:産業研究所 2022年9月6日 更新 ]
2022年7月8日 カンファレンス「日欧農村地域アントレプレナーシップセミナー」を開催
ジャン・モネ・モジュール カンファレンス「日欧農村地域アントレプレナーシップセミナー」
テーマ:アントレプレナーによるソーシャル・イノベーションの創出-移住、起業がもたらす農村地域社会変革の可能性を探る-
日時:2022年7月8日 午後1時30分~午後4時30分
場所:丹波の森公苑 多目的室(兵庫県丹波市)・オンライン
言語:日本語
参加人数:102名
7月8日、兵庫県丹波市において、シリ丹バレー推進協議会と関西学院大学産業研究所との共同開催による「日欧農村地域アントレプレナーシップセミナー」が開催されました。
「第1回シリ丹バレー推進セミナー/関西学院大学ジャン・モネ・モジュール カンファレンス」として行われたこのイベントには、大学や丹波地域の起業家コミュニティから様々な登壇者が集いました。地方自治体、学生、一般市民、地域の起業家、NGOメンバーなど100名以上が、会場の丹波の森公苑に加えてオンラインからも参加しました。
さまざまな分野の人々が集い、研究者と実務者の橋渡しをするノンアカデミック・カンフェレンスとして開催したこのイベントは、アカデミックからの講演と、より実践的な内容のパネルディスカッションの2部構成で進められました。
第1部では、兵庫県丹波県民局の今井良広局長、本学産業研究所の豊原法彦所長による開会の挨拶に続き、本学経済学部教授でアントレプレナーシップ研究センター長の加藤雅俊教授が、「アントレプレナーシップと地域活性化-学術研究からの知見-」というテーマで、示唆に富んだ基調講演を行いました。
加藤教授は、様々なデータを示しながら、アントレプレナーシップを育む環境づくりの重要性を指摘し、スタートアップ創出政策の課題や支援のあり方について述べました。加藤教授の講演に続いて、アンナ・シュラーデ産業研究所准教授が「南ドイツの地方におけるソーシャル・イノベーション」と題して発表しました。シュラーデ准教授は、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州の農村部で活躍している社会起業家の事例を挙げ、なぜ南ドイツの農村部で起業が広がっているのかを分析しました。
第2部のパネルトークでは、情報社会生活研究所事務局長の小橋昭彦氏をモデレータとして、丹波で起業し活躍されている3名の起業家、安達鷹矢氏(株式会社Local PR Plan代表取締役)、坪井俊輔氏(サグリ株式会社 代表取締役)、関美絵子氏(兵庫県女性農漁業士)からお話しを伺いました。3名ともまだ若く、他地域からの移住者で、地方での起業のポテンシャルや、丹波で起業を決意した背景などを述べました。パネリストのプレゼンテーションとディスカッションの後、参加者とのクロストークが行われました。パネルディスカッションとクロストークでは、日本の地方(特に丹波地域)で起業することのメリットについて、多くの意見が交わされました。
本カンファレンスでは、地方での起業とソーシャル・イノベーションについて分析した学術的な講演に加え、地方で新しいビジネスを始める際の課題やメリットなど、より実践的な議論を提供することにより、非常に興味深いものとなりました。同時に、地方の活性化や起業に関する新しい知見をご紹介することができました。
発表スライド