2020年10月 「なせば理解する」

[  2020年10月1日   更新  ]

202010

      “Mastery for Service”
        “幼子はたくましく育ち、
         知恵に満ち、
         神の恵みに包まれていた"

iPad利用がスタートしました。
導入に当たっては、大変急なお願いであったにも関わらず、
ご理解とご協力を賜りましたこと、心から感謝しております。

 〈なせば理解する〉

2学期がスタートして1か月余りが経過しました。
熱中症が心配されるほどの暑さが続きましたが、子どもたちはコロナ予防に注意しながら、
水分補給なども主体的に行って、上手に過ごしてくれています。
グランドで遊べる休み時間には、集中して友だちとの遊びに没頭している姿が見られます。
そこでの豊かなかかわり合いが少しずつ深まっていることを感じています。

「聞けば忘れる、見れば覚える、なせば理解する」とよく言われます。
これは、中国『荀子』の「不聞不若聞之、聞之不若見之、見之不若知之、知之不若行之、学至於行之而止矣」
(聞かないことは聞くことに及ばない、聞いたことは、見たことに及ばない。
また見たことは、知る(理解する)ことに及ばない。しかし理解したことは、それを行った(実践した)ことに及ばない。
したがって学問は実践の段階に至って終わるのである。)という言葉がもとになっています。
体験することの大切さ、また実践できる力を養うことの大切さをよく言い表している名言だと思います。

 学校生活の毎日には、日々新たな体験があります。
様々な学習だけでなく、登下校、友だちと遊ぶこと、お弁当を仲良く食べること、教室をきれいにすること。
まさに学校生活が体験であり、その中で子どもたちは人間として必要なことを学び、成長しています。
しかし、学んだことを知識として蓄えることが目的ではありません。
実践の段階では試行錯誤を繰り返し、失敗することもあるでしょう。
しかし、失敗の数だけまた成長していくのだと思います。新型コロナ禍の中で予測が困難な不安な状況が長く続いています。
このような時こそ、体験から学んだことをもとにして、自分で考え、創造し、実践していく力が求められていると思います。

 体験したことを身につけるために大切なことが三つあります。
一つ目は、その体験のめあてをしっかりと持つことです。ただ何となくやってみた、こんなことをやらされたでは、身につくものは少ないでしょう。
二つ目は、体の全感覚(五感)を使って「なぜだろう、どうしてだろう」と問いかけを持って考えることが大切です。
三つ目は、様々な体験の中での人とのかかわりを大切にすることです。一人ではできないことも、力を合わせればできることがたくさんあります。

 いよいよ秋も本番となります。〈読書の秋〉〈スポーツの秋〉〈芸術の秋〉〈食欲の秋〉(勉学の秋)・・・。
仲間との豊かなかかわり合いの中で、リアルな体験をたくさん積み重ねて素晴らしい“実りの秋”にしてほしいと思っています。