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2025.06.03

藤原伸介・生命環境学部教授の分岐鎖ポリアミンの機能に関する研究がアメリカ微生物学会の学術誌「Applied and Environmental Microbiology」に掲載されました

年5月28日、藤原伸介・生命環境学部教授の研究論文「Replacement of branched-chain polyamine biosynthesis with thermospermine supports survival under both cold and heat stress in the hyperthermophilic archaeon <em class="font-italic">Thermococcus kodakarensis</em>」が、アメリカ微生物学会の学術誌『Applied and Environmental Microbiology』(電子版)に掲載されました。90℃を超える高温環境で生育する超好熱菌は、約38億年前に誕生した原始生命体に最も近い現存生物のひとつと考えられています。本研究では、超好熱菌が特有の「分岐鎖ポリアミン」を合成することに着目し、その合成に関わる遺伝子を破壊した変異株を用いて解析を行いました。その結果、分岐鎖ポリアミンは高温環境での生育に加え、氷点下に近い低温環境でも生存に不可欠であることが明らかになりました。また、分岐鎖ポリアミンを合成しない一部の超好熱菌は、代わりに「サーモスペルミン」と呼ばれる別のポリアミンを合成することが知られています。本研究では、サーモスペルミンが分岐鎖ポリアミンの機能を代替できることも示されました。これらの成果から、特殊構造をもつポリアミンが超好熱菌の過酷な環境下での生育を支えるだけでなく、温度ストレス下における休眠状態の維持にも重要な役割を果たしている可能性が示唆されました。

https://doi.org/10.1128/aem.00326-25

Researcher's Information 研究者情報

生命環境学部 教授
藤原 伸介さん

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