増尾貞弘・生命環境学部教授が「単一粒子分光法で明らかにするペロブスカイトナノ結晶の複数励起子から有機色素分子へのエネルギー移動」でJournal of the American Chemical Societyに掲載されました
増尾貞弘・生命環境学部教授が、ペロブスカイトナノ結晶の複数励起子から有機色素分子へのエネルギー移動の解明を行い、その研究成果が2025年9月8日、Journal of the American Chemical Societyに掲載されました。増尾教授の研究は、ペロブスカイトナノ結晶と有機色素分子を組み合わせることで、光を吸収して生成される「複数励起子(マルチエキシトン)」と呼ばれる高エネルギー状態から、有機分子へと効率的にエネルギーを転送することに成功しました。従来、このマルチエキシトンは寿命が極めて短く、ほとんどが消失してしまうため、エネルギーを有効に利用することは困難でした。本研究では、ナノ結晶のサイズを精密に制御し、単一粒子レベルでの分光測定を行うことで、「マルチエキシトンから同時に複数の有機分子にエネルギーが移動する」現象を捉えることに成功しました。これは、一粒のナノ結晶が複数の分子へ同時に光エネルギーを供給できることを示すものであり、太陽電池や人工光合成、さらには量子光技術といった幅広い分野で新たな可能性を切り拓く重要な成果です。
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
論文タイトル:Energy Transfer from Multiple Excitons in a Perovskite Nanocrystal to Organic Dyes Revealed by Single-Particle Spectroscopy
著者:Tetsuo Yamaguchi, Tomoya Fukumasu, Yukihide Ishibashi, Sadahiro Masuo
DOI:10.1021/jacs.5c11022