松浦研究室が参画する超小型衛星「VERTECS」、6月10日にH3ロケット6号機で打ち上げへ
松浦研究室、打ち上げ後の衛星運用に向けて訓練を実施中
関西学院大学理学部の松浦研究室が参画する超小型衛星「VERTECS」がH3ロケット6号機へ搭載され、2026年6月10日、いよいよ打ち上げられる予定です。現在、松浦研究室のメンバーは、打ち上げ後に始まる衛星運用に向けて、JAXA宇宙科学研究所にて本格的な訓練に取り組んでいます。
超小型衛星「VERTECS」とは
VERTECS は6Uサイズ(約100×226×340mm)の超小型衛星で、多色カメラを備えた望遠鏡観測装置を搭載しています。宇宙空間に広がる「可視光背景放射」を観測し、そのスペクトル形状を詳細に分析することで、背景放射の起源となる天体の解明を目指しています。 このミッションは、宇宙の成り立ちに迫る重要な科学的挑戦です。
VERTECS の開発は、「産学官による輸送・超小型衛星ミッション拡充プログラム(JAXA-SMASH)」の枠組みのもと、JAXA・大学・企業の三者が協働して進めてきました。松浦研究室は開発チーム*の一員として参画し、望遠鏡および検出器パートの開発を主導しました。
*開発チーム:
【代表機関】 九州工業大学
【JAXA-SMASH参加機関】 JAXA宇宙科学研究所(ISAS)、関西学院大学、東京都市大学、金沢大学、東京科学大学、福井大学、株式会社コシナ、セーレン株式会社、株式会社イメージテック
【国際共同研究機関】 國立精華大学(台湾)、國立中興大学(台湾)
松浦研究室による運用訓練
打ち上げ後の衛星運用では、衛星への指令送信やデータ受信など、長期間にわたる継続的な作業が求められます。松浦研究室の学生・教員は現在、JAXA宇宙科学研究所の運用室で、衛星の試験モデルを用いた定常運用訓練を実施しています。
関西学院大学チームは関係機関の中でも最大規模で、運用当番の主力として期待されています。メンバーは交代で訓練に参加し、打ち上げ前までに定常運用の訓練を完了する予定です。打ち上げ直前の週には、衛星放出後のトラブル対処や機器動作確認など、初期運用のリハーサルも行われます。
松浦周二教授のメッセージ
VERTECS が無事に打ち上げられた後には、衛星への指令送信やデータ受信といった本格的な運用が始まります。長期間の運用には多くの人の協力が不可欠であり、関西学院大学チームはその中心的役割を担うことが期待されています。VERTECS が“謎の宇宙背景光の解明”という科学的目標を達成できるよう、チーム一丸となって取り組んでいきます。
学生のコメント
安田渉夏さん(4年生):
衛星プロジェクト初心者の私にとって、今回の運用訓練は非常に刺激的で、貴重な経験となりました。 宇宙科学の研究現場ならではの緊張感や、チームで連携しながら運用を進めることの重要性を強く実感しています。打上げの成功を心から願うとともに、本番の運用にも全力で取り組みたいと思います。
齋藤優那さん(4年生):
今回の訓練では、コマンド送信により宇宙研屋上のアンテナが実際に動く様子を確認することができました。 同時に5台以上のPCを使用する場面もあり混乱することもありましたが、操作一つひとつに大きな責任が伴うことを痛感し、身の引き締まる思いでした。学部生の段階からこのような貴重な経験ができる環境に感謝するとともに、打ち上げ後の衛星運用に向け、さらに学びを深めていきたいと思います。