岡田克彦・経営戦略研究科教授による日本銀行金融研究所ワークショップ報告
経営戦略研究科の岡田克彦教授は、2025年11月28日に日本銀行本店で開催された日本銀行金融研究所ファイナンス・ワークショップ「機械学習・AIのファイナンス分析への応用」において研究報告を行い、参加者との活発な議論を行いました。
本ワークショップは、大規模言語モデル(LLM)を金融分野に応用しようとする専門家が一堂に会した画期的な機会となりました。参加者は300人を超え、日本銀行金融研究所がこれまで開催したファイナンス・ワークショップの中で最多を記録し、金融業界におけるAI・機械学習への関心の高さを示しました。参加者には、日本を代表するAI企業Preferred Networks(PFN)の研究開発担当者、金融機関の運用担当者、計量経済学者、マクロ経済学者など、AIの開発者から応用者まで幅広い専門家が含まれ、多角的な視点から議論が展開されました。
岡田教授の報告「From Words to Returns: Sentiment Analysis of Japanese 10-K Reports using Advanced Large Language Models」では、GPT-4、Claude、Geminiなど最先端のLLMを用いて日本企業の有価証券報告書からセンチメントを抽出し、株式リターンとの関係を分析した研究成果が発表されました。指定討論者の中川慧教授(大阪公立大学)からの専門的なコメントに加え、フロアからも機械学習の解釈可能性やLLMの金融応用に関する活発な質疑応答が行われました。
本ワークショップへの参加を通じて、学術研究と実務応用の両面から、AIを活用した金融分析の最前線について知見を深めることができました。今後も、LLMの金融応用に関する研究をさらに発展させていく予定です。
ワークショップ名:日本銀行金融研究所ファイナンス・ワークショップ「機械学習・AIのファイナンス分析への応用」
報告タイトル:From Words to Returns: Sentiment Analysis of Japanese 10-K Reports using Advanced Large Language Models
報告者:岡田克彦(関西学院大学経営戦略研究科教授)
指定討論者:中川慧(大阪公立大学教授)