岡田克彦・経営戦略研究科教授が「金融専門家と学生の金融予測能力を比較する国際共同研究」を行い、その研究成果が2025年4月15日、『Journal of Behavioral and Experimental Finance』に掲載されました

岡田克彦・経営戦略研究科教授が「金融専門家と学生の金融予測能力を比較する国際共同研究」を行い、その研究成果が2025年4月15日、『Journal of Behavioral and Experimental Finance』に掲載されました。

岡田教授は、シンガポール・南洋理工大学、フランス・Emlyon business schoolとの国際共同研究チームの一員として、日本証券アナリスト協会認定アナリスト（CFA）と大学生の金融予測能力を比較する実験研究を実施しました。本研究では、ランダムウォーク系列の予測から実際の日経平均株価の予測まで、4種類の予測タスクを用いて両グループのパフォーマンスを検証しました。

研究の結果、抽象的な実験室タスクでは専門家と学生の予測精度に有意な差は見られませんでしたが、実際の日経平均株価を予測するフィールドタスクではCFAが学生を上回ることが明らかになりました。さらに、この差は認知能力ではなく、金融リテラシーによって説明されることが示されました。

本研究は、金融専門家の予測能力の源泉を解明するとともに、金融教育や専門家育成のあり方に示唆を与えるものです。今後は、異なる市場環境や他国の金融専門家を対象とした研究への発展が期待されます。

雑誌名：『Journal of Behavioral and Experimental Finance』
論文タイトル：Financial forecasting in the lab and the field: Qualified professionals vs. smart students
著者：Te Bao, Brice Corgnet, Nobuyuki Hanaki, Katsuhiko Okada, Yohanes E. Riyanto, Jiahua Zhu
DOI：10.1016/j.jbef.2025.101051