片寄晴弘・工学部教授が国際学会・CMMR2025で「LLM応用による時系列的音楽概念に基づく音楽編集システム」をテーマに発表を行いました
片寄晴弘・工学部教授、川口竜斉さん(理工学研究科博士課程前期課程1年生)は、2025年11月3日から7日にイギリス・ロンドンで開催された国際会議The 17th International Symposium on Computer Music Multidisciplinary Research (以下、CMMR2025)に参加し、「LLM応用による時系列的音楽概念に基づく音楽編集システム」に関する研究成果を発表しました。
発表したシステム「MuseLeader」は、大規模言語モデル(LLM)の技術を活用し、ユーザーがテキストで定義した「明るい」「力強い」といった感覚的な音楽のイメージ(意味論的な音楽概念)を用いて、楽曲の時間軸での変化を直感的にコントロールできるようにするものです。
これにより、従来の音楽生成システムが抱えていた、システムが事前に決めたパラメータ(調整項目)しか操作できないという制約を克服し、ユーザーの創造的な意図をより細やかに反映した作曲や編集を実現します。
発表論文のタイトルは以下の通りです。
“MuseLeader: Toward Music Editing through Time-series Semantic Parameters Control using Large Language Model”
CMMRは「Computer Music Multidisciplinary Research」の略称で、音楽に関わる情報科学や心理学など、学際的な研究が集う国際会議です。
今年の会議は「空間音響」をメインテーマとし、AI応用、音楽心理、音楽情報検索、分析系から生成系(インスタレーション)に至るまで、幅広い領域からの活発な発表がありました。
本研究成果は、ユーザーの創造性を高める次世代の音楽生成・編集技術の発展に貢献するものです。今後も、LLMの推論能力向上や、テキスト以外のマルチモーダルな入力を活用し、より複雑で繊細な音楽概念の解釈手法を探求していきます。