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2025.09.09

藤井恭子・教育学部教授が22nd European Conference on Developmental PsychologyでStructure of the Concept of Kanyo in Adolescent Friendshipをテーマに発表を行いました

 藤井恭子・育学部教授が、2025年8月25日から8月29日にかけ、リトアニア・ヴィリニュスで開催された22nd European Conference on Developmental Psychologyにおいて、大学院生の服部茜さんとともにStructure of the Concept of Kanyo in Adolescent Friendshipをテーマに発表を行いました。本研究では、日本における青年期の友情関係において「寛容(Kanyo)」という概念の構造を検討しました。西洋心理学においては、「寛容(tolerance)」と「赦し(forgiveness)」は通常別個の構成概念として扱われますが、日本の文脈ではこれらがしばしば「寛容」のもとに統合されており、青年たちは両者をあまり区別せずに捉える傾向があります(服部, 2024)。本研究では中心となる2つの構成要素――「tolerance」と「forgiveness」を主要な次元として組み合わせたうえで新たな尺度を開発し、その信頼性と妥当性を検証しました。中でも移民問題に揺れるドイツ,スウェーデンの研究者からは好意的な評価を得ました。今後の研究の発展において極めて刺激の多い発表機会となりました。
 22nd European Conference on Developmental Psychologyは、ヴィリニュス大学と欧州発達心理学会との共同開催によって行われました。この会議では,欧州を中心に50カ国以上の国から300名もの研究者が集まり発表・討議が行われました。また,欧州の6人の発達心理学者が,思春期のパーソナリティ発達機能不全,子どもの学力格差,デジタルゲームの影響や青少年のメンタルヘルス,シリア難民問題など,記念講演が行われました。日本の教育現場,青年教育の現場における研究や介入について多くの示唆を得ることができました。

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教育学部 教授
藤井 恭子さん

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