物理・宇宙学科の瀬田益道教授が南極観測隊員として出発。日本の「南極望遠鏡第1号」を設置し、星の誕生の謎に迫る。
理学部 物理・宇宙学科の瀬田益道教授が、第68次南極地域観測隊の隊員として、2026年10月19日に南極へ向けて出発しました。瀬田教授の南極観測隊への参加は、2010年の第51次隊以来、16年ぶり2回目です。
今回の目的は、南極大陸内陸部の「ドームふじ観測拠点II」で進める、30cmサブミリ波望遠鏡による天の川銀河の観測です。南極ならではの環境を生かし、「星がどのように生まれるのか」という宇宙の謎に迫ります。この研究は2023年度から進められており、国内での準備や現地の観測環境の調査などを経て、2026年度はいよいよ望遠鏡を設置し、本格的な観測を開始する段階を迎えます。
なぜ南極で宇宙を見るのか?
今回の観測に使われる「サブミリ波」は、宇宙から届く電波の一種です。一方で、大気中の水蒸気などに吸収されやすいため、地上で観測できる場所は限られています。
そこで注目されるのが、標高が高く、低温で乾燥した南極大陸の内陸部です。今回の観測拠点は標高3800メートルに位置し、宇宙から届く微弱な電波を捉えるための貴重な観測環境となっています。
天の川から「星の誕生」を探る
今回のプロジェクトでは、ドームふじ観測拠点IIに30cmサブミリ波望遠鏡を設置し、天の川銀河を観測します。
注目するのは、星の材料となる星間ガスです。中性炭素原子(CI)や一酸化炭素分子(CO)から届く電波を観測することで、宇宙空間に広がるガスがどのように集まり、やがて星の誕生につながっていくのか、その過程の解明を目指します。
ドームふじ観測拠点II

関西学院大学から南極、そして宇宙へ
瀬田教授の研究では、天体から届くデータを分析するだけでなく、宇宙を観測するための装置そのものの研究・開発にも取り組んでいます。
大学での研究開発が南極での観測へ、そして宇宙の謎の解明へとつながっていく今回のプロジェクト。南極から見つめる天の川から、どのような宇宙の姿が明らかになるのか、今後の研究成果が期待されます。
また、今回の観測で得られる経験は、将来の本格的な「南極12mテラヘルツ望遠鏡」の建設・運用に向けた技術開発にもつなげられる計画です。