髙島崚輔氏による講演会「主体的に学びを、人生をデザインする」を開催
2025年10月14日、西宮上ケ原キャンパスの中央講堂で、芦屋市長・髙島崚輔氏による講演会「主体的に学びを、人生をデザインする」を開催しました。
関西学院大学は寮での国際理解教育の推進に取り組んでおり、本イベントは今年度2回目となる寮教育セミナーとして実施しました。関西学院中学部・高等部の卒業生であり、ヒトトバデザイン株式会社 代表取締役 井上貴文氏の協力のもと準備を進めてきました。井上氏と髙島氏はハーバード大学で出会い、今でも交流が続いていることから本企画が実現。井上氏は当時の髙島氏を「活発で誠実な学部生だった」と振り返りました。
会場には約250名の学生・生徒、教職員などが集まり、髙島氏の話に熱心に耳を傾けるとともに、積極的な意見交換、質疑応答が行われました。
講演会では、東日本大震災の翌年、高校1年のときに東北を訪問したエピソードを披露しました。福島で復興活動を行う高校生の姿を見て、「同世代がふるさとのためにこんなにも頑張っているのかと衝撃を受けた」と話しました。髙島氏は高校卒業後にハーバード大学へ進学。留学生活を振り返り、「マイノリティになったことで、誰かに助けを求めることの大切さに気づき、『好きなことは何か』『アイデンティティは何か』を改めて自問自答した」と語りました。好きなことを追求した結果、大学を3年間休学してオランダ、デンマーク、沖縄など、再生可能エネルギーの現場を巡ると、「『自分のまちは自分でつくる』ことを日本で実践したいという思いが芽生え、それが今の仕事に繋がっている」と、市長を志した経緯を語りました。
講演後、参加学生からの「一番好きなことを見つけるためにはどうしたら良いか」という質問に対し、髙島氏は「一番は決めなくて良いし、決められないと思う。自分が好きだと思うことはすべて大切にしてほしい」と答えました。また、「髙島氏の独特のバックグラウンドを市政にどのように活かしているか」を聞かれると、「留学時代、好きなことに対して主体性を発揮することで人は成長することを学んだ。芦屋市の公立小学校では、児童たちが自分で学び方とペースを選べる授業を始めている。そのために、主体的に頑張る先生たちを応援できるシステムを取り入れている」と説明しました。
人間福祉学部社会起業学科3年生の立川季己さんは「自分には好きなことがいっぱいありすぎて、一番を決められずに悩んでいた。『一番を決めなくても良い』という言葉に心が軽くなったし、自分にはいろんな芽があることに気づけて自信が持てた」と話しました。
講演会終了後は、関西学院大学の国際教育寮である有光寮に移動して座談会を実施しました。国際寮で留学生と生活を共にしながらサポートや交流促進を行うレジデンス・アシスタント(RA)と、寮で暮らす留学生、約25名が参加し、和やかな雰囲気の中で英語による交流が行われました。
髙島氏はハーバード大学での寮生活を「仲間と夜遅くまで勉強したり、社会問題について議論したりと、ホームシックになる時間もないほど忙しかったけれど、充実していた」と話しました。またRAから、毎月開催しているイベントを改善するためのアイデアについて相談を受けると、「もし自分がRAだったら、もっと地域住民を巻き込んでいく」と答え、キャンパス自体がひとつの街と一体化しているハーバード大学の卒業生らしい観点でアドバイスを送りました。
カリフォルニア、サンノゼ州立大学からの交換留学生として学んでいるガルスケ ソフィア イザベルさんは、「市長のような要職の方が寮に来てくれたことに驚いたし、嬉しく感じた。国際寮でのイベントを機に、寮生や学生同士、そして社会との繋がりが増えていくことを期待している」と話しました。また、RAで社会学部2年生の堀隼登さんは、「プライベートでの活動も忙しくて長期の留学ができないため、日本にいながら留学体験ができるRAに魅力を感じて志願した。国際交流は文化の違いを理解するだけではなく、自分自身の思いやりにも気づくことができる機会。地元の方々をもっと巻き込んでいくというアイデアも市長からいただいたので、交流の機会を増やすとともに、接点を拡大していきたい」と今後の意気込みを語りました。
参加者が「好きなことには正直であろう」という髙島氏からのエールを受け取り元気になる、貴重な1日となりました。