K.G.

Sustainability 関西学院大学とSDGs

関西学院大学SDGs宣言

関西学院大学は、スクールモットー「Mastery for Service」の理念に基づき、創造的で有能な世界市民の育成を通じて、教育・研究・経営の各面からSDGs達成に貢献しています。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念は、本学の世界市民像と深く共鳴しており、本学の使命を体現するものです。本学はSDGsが採択される以前から、地球規模課題を意識した多様な活動を展開してきました。2019年には「関西学院大学SDGs宣言」を発出し、SDGs推進本部(現:関西学院サステナビリティ推進本部)を設置。2020年からは国連大学SDG大学連携プラットフォームにも加盟し、教育コンテンツの開発に参画しています。さらに、国連ボランティア派遣や難民支援の入試制度など、日本初の国連連携プログラムを展開し、今後も国際社会をリードする人材の育成を進めます。国連機関との連携に加えて、地域社会とも連携し、SDGs推進の拠点としての役割を果たしていきます。

持続可能な社会の実現に向けて
教育・研究の両面から全学体制で活動を推進

関西学院大学では、SDGsに貢献する教育科目の展開や、産官学連携による多角的な取り組みを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。

SDGs教育を通じた人材の育成

持続可能な社会の実現に向けて、SDGsに寄与するさまざまな教育を全学体制で展開。社会課題を自分ごととして捉え、解決に向けて行動する力を育んでいます。

PICK UP

脱炭素社会の実現に寄与するためにGX人材としての視野を身につける

関西学院サステナビリティ推進本部では、関西学院大学におけるカーボン・ニュートラル推進のための多様な施策について検討を進めています。教育面の取り組みとして、全学科目「PBL特別演習012『Green innovation』」(授業管理部署:ハンズオン・ラーニングセンター)を、2023年度春学期より開講しました。
本学で初めて脱炭素をテーマに設定した本科目では、グリーントランスフォーメーション(GX)に関する基礎的な学習に加え、脱炭素事業に取り組む企業の現場を訪問し、様々なステークホルダーと意見交換を行うことで、GX人材に求められる多角的な視野と基礎的な理解を養います。
授業は、一般社団法人『Green innovation』の理事・共同代表の坂野晶氏らが担当。坂野氏は、学生時代に本学総合政策学部で環境政策を専攻し、卒業後も本学の関連活動に積極的に関わっています。

社会課題解決に貢献する多面的な研究の推進

研究面では、特に神戸三田キャンパス(KSC)を「サステナビリティの拠点」として位置づけ、人と自然や社会をつなぐ先端研究を展開しています。さらに、産業界・自治体・企業との連携を通じ、産学官連携によるプロジェクトや技術開発に取り組んでいます。

PICK UP

先端的な水素研究を行う 「Hydrogen Energy Research Institute(HyERI)」を設立

2025年4月に「Hydrogen Energy Research Institute(HyERI)」を設立しました。
本学では、学術的および社会・経済的に強いインパクトをもたらし、研究ブランドの発展に寄与することを目的として「インスティテュート制度」を設けており、HyERIはその第3号として誕生。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、次世代エネルギーとして注目される水素に特化した研究・教育活動を展開していきます。
具体的には、大学を中心に企業や自治体などの多様なステークホルダーと連携し、社会に新たな価値を生み出す産学官共創モデルを構築します。また、神戸市と連携し、神戸空港島での研究拠点の設立を視野に入れつつ、既存キャンパスでは実現できなかった大規模な研究環境のもとで、液化水素を活用した先端的な研究を推進していきます。さらに、水素を扱える専門人材の育成にも注力し、博士人材の育成やリスキリング、地域ニーズに対応した教育プログラムの開発なども推進していきます。神戸三田キャンパスで培ってきた先端的な研究成果をさらに発展させ、他キャンパスとの連携を強化することで、大学全体の研究基盤の深化と発展を図ります。

学生たちが主導する多彩なSDGs推進の取り組み

「Mastery for Service」をスクールモットーとする関西学院大学では、多くの学生が在学中から社会貢献活動に取り組んでいます。奉仕を通じた自己研鑽の伝統は、現代の学生にも脈々と受け継がれており、持続可能な社会の実現に向けて、多種多様な学生団体が国内外で活動しています。

活動例

学生団体「KG SDGsキャンパスサポーター」

関西学院サステナビリティ推進本部公認の学生団体「KG SDGsキャンパスサポーター」は、2021年12月の設立以来、学生主体でSDGsの推進に取り組み、学内外での啓発・実践・情報発信を行ってきました。学内では、古着の回収・大学祭での無償提供を行ったり、学外では、企業や地域施設で「京阪神版SDGsボードゲーム」の体験会を主催したりするなど、気軽に楽しくSDGsに取り組むことを大事にしながら活動しています。

学生団体「Switch My Angle」

「Switch My Angle」は、2018年に設立された国際協力系の団体で、フィリピン・セブ島の貧困層支援を目的に活動しています。主な取り組みとして、セブ島の住民と協力した刺繍雑貨やアクセサリー、焼き菓子の製作・販売があり、日本国内のイベントやオンラインでの販売を通じて収益を現地に還元しています。これまでに新聞掲載やラジオ出演、セブ市長への表敬訪問などの実績もあり、その活動は学内外から注目を集めています。

学生団体「Re.colab KOBE」

「Re.colab KOBE 」は、里山での農業を通じて、身近な環境問題や社会課題に「ワクワク」しながら取り組んでいる学生団体です。神戸市を拠点とし、2021年に設立されました。若い世代に環境・農業への関心を喚起し、メンバーが楽しみながら学び成長できる場を目指しています。自然と人とのつながりを大切にしており、近年では活動の規模も広がりを見せています。

関西学院SDGsユースアイディア Crescents Go Sustainable!

関西学院サステナビリティ推進本部は、持続可能な社会の実現に関するアイディアを学生から募集し、審査・表彰するコンテストを実施しています。コンテストでの受賞をきっかけに、学生たちの活動が起業やイベントの開催に発展しています。

産学連携によるサステナブルなキャンパス運営

神戸三田キャンパス(KSC)内アカデミックコモンズに設置された「BiZCAFE」は、学生のキャリア形成とSDGs推進を目的としたカフェ型の学びの場です。「BiZCAFE」は、株式会社エンリッションが展開する「知るカフェ」ブランドの一環で、理系学生のビジネスマインド醸成を支援する拠点として国内で初めて設置されました。
また、学生グループ「CAMP×US」が学内のペットボトル消費量の削減を目指し、株式会社スノーピークと共同でオリジナルマイボトルを開発。このボトルを学生が「BiZCAFE」に持参すると、コーヒーや紅茶等の飲料が無料で提供されます。
KSC では、大学と2つの企業が一体となった「エコシステム」を通して、産学連携で「サステナブルキャンパス」を実現し、学生たちの意識・行動の変容を促進しています。

兵庫県・関西・全国・世界をフィールドとする多種多様な組織に参画

関西学院大学は2019年にSDGs宣言を発出後、国連大学SDG大学連携プラットフォームや関西SDGsプラットフォームなど、国内外の様々な組織に参画し、他大学や企業・自治体との連携を進めています。

ひょうごSDGs Hub

社会的課題の解決と地域活性化の両立を実現することを目的に設立された公民連携組織です。兵庫県の企業・団体など、多様な主体が連携・協働するこの組織に、関西学院は2022年12月、県下で初めて総合学園として加盟。地域の自治体や企業との連携を進めています。

関西SDGsプラットフォーム

SDGsの重要性を広く発信し、関西の多様な主体が連携・協働して持続可能な社会と価値ある経済活動を推進することを目的としたプラットフォームです。
関西学院大学は大学分科会に所属し、運営委員会の委員を務めています。代表教員が月例のオンライン会合に出席し、学院に関連するイベント情報などを積極的に発信しています。運営委員会の中では、大阪大学と連携し「SDGs教育」に関する活動を担当しています。2023年には、国際ボランティアに関する事例報告会(ウェビナー)を共催しました。

国連大学SDG大学連携プラットフォーム

国連大学が主導する「SDG大学連携プラットフォーム」は、日本の大学と国連大学が連携し、SDGs達成に向けた高等教育の取り組みを推進するための枠組みです。関西学院大学は2020年に加盟。カリキュラム分科会において、国際基督教大学およびノートルダム清心女子大学とともに幹事校を務めています。2022年度からは、分科会メンバー校との連携による共通教育コンテンツの構築を主導しています。構築されたコンテンツは各加盟校での授業に活用されており、本学では「SDGsスタディーズ入門」にて導入されています。

カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション

本コアリションは、中央省庁の主導のもと、カーボンニュートラルに向けて積極的な取り組みを行う大学等が情報共有や発信を行うための場として設立されました。関西学院大学は「地域ゼロカーボン」および「イノベーション」ワーキンググループに参加するとともに、先進的な大学での視察企画にも職員を派遣し、本学での施策検討に活用しています。