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2026.10.19

横野青紗さん(理工学研究科 環境応用化学専攻 博士前期課程1年生)が第38回カロテノイド研究談話会で「小山賞」を受賞

左端が横野青紗さん

横野青紗さん(理工学研究科 環境応用化学専攻 博士前期課程1年生・橋本秀樹研究室)が、2026年9月26日から9月27日にかけて京都大学で開催された第38回カロテノイド研究談話会において、「小山賞」を受賞しました。

「小山賞」は、関西学院大学教授であった故・小山康先生のカロテノイド研究への貢献ならびにご寄付に敬意を表して設けられており、優秀発表賞に相当する賞として位置づけられています。

受賞した研究の概要は以下のとおりです。

【タイトル】

NMR組成比を基準とするHPLC相対定量法による幾何異性体のモル吸光係数決定:シス-アスタキサンチンへの応用

 

【著者】

横野 青紗

 

【概要】

機能性発色団の定量的な分光学的特性評価には、正確なモル吸光係数(ε)が不可欠である。しかし、幾何異性体が不安定で、測定・分析過程において異性化が進行する場合、個々の異性体について正確な濃度と吸光度を対応づけることは困難である。特に、アスタキサンチンのシス異性体は極めて不安定であり、単離・精製後にも異性化が進行し得るため、そのモル吸光係数の精密な決定は容易ではない。そこで本研究では、分析過程で生じる異性化を定量的に評価・補正し、アスタキサンチン幾何異性体のモル吸光係数を高精度に決定するためのHPLC-NMR相対定量法を開発した。

オールトランス-アスタキサンチンを熱異性化しHPLC分離により9-シス体および13-シス体に富む画分を得た。各画分の異性体組成はNMRを3回測定して求めた。さらに、NMR測定後に生じたシス体からオールトランス体への異性化率を定量し、これを用いて組成比を補正した。異なる異性体組成をもつ試料について、補正したNMRモル組成比とHPLCピーク面積比の関係を求め、HPLCピーク面積からモル比を得る相対定量関係を構築した。この関係とベンゼン中でのUV-Vis吸収測定を組み合わせ、個々のアスタキサンチン幾何異性体のモル吸光係数を算出した。

本法の特徴は、高純度の各異性体を個別に絶対定量することなく、NMRによる組成情報を基準としてHPLCにおける異性体間の応答差を補正できる点にある。また、測定中に生じる異性化を補正することで、不安定な異性体にも適用できる。したがって、本法は、標準物質の調製が困難で、相互変換を伴う構造類縁発色団のモル吸光係数決定に有用と考えられる。

 

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