2026.06.13
2025年度個人特別研究費研究成果報告(紺野友彦・総合政策学部准教授)
紺野友彦・総合政策学部准教授が、2025年度関西学院大学個人特別研究費を活用し、深層学習による科学的知識探索に関する研究を行いました。
近年、AIは文章生成や画像生成だけでなく、科学研究そのものを支援する技術として急速に発展しています。論文の検索や要約、実験データの解析などを支援する研究ツールとしての活用が進む一方で、将来的にはAIが論文を読み、仮説を立て、実験や計算を計画し、その結果をもとに次の研究を進めるといった、一連の研究活動を自律的に行うことも期待されています。物理学における新しい理論の探索、数学における定理の証明、新素材や新薬の探索、生物学における実験計画の立案や自動実験、情報通信技術における新しいアルゴリズムの発見など、様々な分野で研究活動の自動化が進みつつあります。このような技術が発展すれば、人間だけでは探索できない広大な知識空間や仮説空間を、大規模な計算資源を用いて強力に探索できるようになります。その結果、人間だけでは到達が難しかった新たな法則、理論、技術、物質の発見につながると考えられています。
本研究では、その基盤となる科学的知識の表現や探索について検討を行いました。科学論文や各種データベースを対象として、AIが既存知識を整理し、新たな研究課題や仮説の発見につなげるための手法について調査・検討を進めました。今後は、AIが研究者と協調しながら、あるいは自律的に研究を進めるための技術へと発展させることを目指しています。