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2026.06.11

菅原智・商学部教授の研究成果が Journal of Business Ethics に掲載されました

 関西学院大学商学部の菅原智教授と県立広島大学地域創生学部の加納慶太専任講師による共同研究論文が、ビジネス倫理分野の国際的トップジャーナルである Journal of Business Ethics に掲載されました。
近年、ChatGPTをはじめとする生成AI(Generative Artificial Intelligence: GenAI)が急速に普及し、会計や監査など専門職の意思決定場面においても活用が進んでいます。しかし、生成AIによる助言が人間の倫理的判断にどのような影響を与えるのかについては、十分な実証研究が行われていませんでした。 本研究では、日本国内7大学の会計学専攻学生390名を対象とした実験を実施し、ChatGPTによる助言、人間の監査人による助言、そして助言を受けない場合を比較分析しました。その結果、ChatGPTから助言を受けた参加者は、人間の監査人から助言を受けた場合と同様に、会計基準や専門職倫理を重視する「義務論的(deontological)」な判断を行う可能性が有意に高まることが明らかとなりました。 さらに、生成AIによる助言を信頼できると評価する参加者ほど、その影響を強く受けることも確認されました。一方で、会計基準に関する知識や会計事務所でのインターンシップ経験を有する参加者は、生成AIと人間のいずれから助言を受けた場合でも、より専門職としての規範に基づく判断を行う傾向が示されました。
本研究は、生成AIが会計専門職の判断形成において人間の専門家と類似した影響力を持つ可能性を実証的に示した世界初の研究の一つです。今後、生成AIを活用した会計教育や専門職教育の設計に重要な示唆を与えるとともに、AI時代における専門職倫理やガバナンスの在り方を考える上で重要な研究成果として期待されます。

 

雑誌名:Journal of Business Ethics

論文タイトル:The Impact of ChatGPT’s Advice on Professional Judgment Related with Accounting and the Role of Accounting Education

著者:Satoshi Sugahara, Keita Kano

DOI:10.1007/s10551-026-06365-x