村上慧・理学部教授による「ラジカル移動を鍵とした第3級アミンの遠隔C–H官能基化」の研究がNature Synthesisに掲載されました
関西学院大学理学部の村上慧教授と榊原陽太助教らの研究グループが、第3級アルキルアミンの分子内において、窒素原子から離れた特定の位置(γ位)のC–H結合を選択的に変換する新手法を開発し、その研究成果が『Nature Synthesis』に掲載されました。
本研究では、研究グループがこれまでに開発してきた「α-アンモニオラジカル」に新たな反応性を見いだし、このラジカルが分子内で1,5-水素原子移動(1,5-HAT)を起こすことで、反応点を分子内で移動させることを実証しました。この成果は、「分子の狙った場所だけをピンポイントで編集する」ことを可能にする新しい分子変換技術であり、複雑な医薬品分子に対しても、必要な位置だけを選択的に改変できる点に大きな特徴があります。
本研究により、第3級アルキルアミン医薬品分子を効率よく改変できるようになり、既存医薬品の誘導体合成や構造最適化の迅速化が期待されます。今後は、より多様な官能基導入や複雑分子への適用を進めることで、創薬における化合物ライブラリー構築や分子設計の効率化に貢献することが期待されます。
雑誌名:Nature Synthesis
論文タイトル:Taming Distonic Radical Cations for Precise γ-C–H Functionalization of Alkylamines
著者:Takumi Kinoshita+, Kazuki Hirate+, Kosuke Hamawaki+, Shoma Chiba+, Kosuke Terada, Yota Sakakibara, Kei Murakami (+共同第一著者、*責任著者)
DOI:10.1038/s44160-026-01042-3