2025.06.25.
工学部・巳波研究室と株式会社WAVEの共同研究成果を万博で披露

巳波弘佳(みわ ひろよし)・工学部教授の研究室と株式会社WAVE(以下:WAVE)による共同研究を基にした未来型メンタルヘルスチェックシステム「WAVE MENTAL NAVI」が、6月10日から16日にかけて、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンで披露されました。
今回の大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンへの出展は、学生生活サポートAIサービスの開発など、DX・AI事業を推進しているWAVEが、巳波研究室と協力して実現しました。
人間は自らのメンタル状態について、必ずしも自覚しているとは限らず、周囲も気付かない間に悪化してしまう危険性があります。しかし、その兆候は行動などに現れるため、それを早期に発見して対応することが重要とされています。この研究では、普段の言動のわずかな変化をAIとの対話など様々な手段を組み合わせて検出し、データサイエンスに基づく高度な分析によって評価する方法を作り出しました。これにより、普段の日常生活の中でメンタル状態を自然に把握することができます。

大阪・関西万博では、研究成果の一部をわかりやすく体験できる、未来型メンタルヘルスチェックシステム「WAVE MENTAL NAVI」を出展しました。このシステムでは、顔の表情や身振り手振りなどをAIで分析して数値化し、メンタルに関する日々の記録を管理するものです。

今回の展示では、大きく分けて3つのAI診断を体験できるようにアレンジしました。初めに大型モニターに表示された顔文字などの選択肢を気分に応じて選択し、次にAIがカメラを通じて表情を読み取り分析し、最後に空中で図形をなぞる指の動きを分析します。
さらに未来型の体験ができるよう、結果として表示される全48種類のキャラクターを3次元化しました。特殊なディスプレイで3Dホログラムとして現れると共に、体験者は診断結果のキャラクターを2次元バーコードで持ち帰ることができます。

展示には、7日間でのべ5,000人以上が訪れ、巳波研究室の学生も来場者の対応を行いました。訪れた人たちは、初めて体験する健康管理の方法に驚きながらも、自らの測定結果で出てきた3Dキャラクターの愛くるしい動きを楽しんだり、3Dホログラムと一緒に記念写真を撮ったりしていました。来場者からは「これでメンタル状態がわかるとは驚いた」や「オリジナルキャラクターがかわいい!」などの声が上がっていました。
巳波弘佳・工学部教授は「今回の取り組みによって、本学の産学連携の一つの成功例を多くの方々に知っていただくことができました。未来の社会を先取りした技術を、楽しく体験していただけたと思います。AIの進化はとても速く、私たちのシステムも日々性能を向上させています。メンタルヘルスを守る未来のシステムの実現とその普及は実はすぐ目の前です」と話していました。