2023.01.19.
第168回芥川賞 卒業生の井戸川射子さんが受賞

井戸川射子さん ⓒ田中尚樹

井戸川射子さん ⓒ田中尚樹

第168回芥川龍之介賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が1月19日、都内で開催され、本学社会学部を2010年に卒業した井戸川射子(いどがわ・いこ)さんの『この世の喜びよ』(『群像』2022年7月号掲載、単行本・2022年11月10日 講談社発行)が選ばれました。

このたびの受賞を心よりお祝い申し上げます。今回の受賞を機に、井戸川さんの更なる活躍が期待されます。

井戸川さんは2018年に第一詩集『する、されるユートピア』(青土社)を私家版にて発行。2019年に同詩集で第24回中原中也賞を受賞。2021年、小説集『ここはとても速い川』(講談社)で第43回野間文芸新人賞を受賞しました。他に詩集『遠景』(思潮社)などがあります。

指導教員 藤井美和・人間福祉学部教授のコメント

『この世の喜びよ』(『群像』2022年7月号掲載、単行本・2022年11月10日 講談社発行)

『この世の喜びよ』(『群像』2022年7月号掲載、単行本・2022年11月10日 講談社発行)

井戸川さん、おめでとう!死生学ゼミでのあなたの姿を思い出しています。積極的で明るい笑顔、自転車こいであちこち出没。一方で、心底友を心配する姿、自身の世界観を大切にする態度、そして自分の世界を表現しようとする力。あなたの中に動と静を見てきました。手書きの作品を送ってくださったとき、中原中也賞の受賞を連絡してくださったとき、いつか大きな賞をとるだろうと思っていました。あなたは、賞を得ようが得まいが、ご自身の中からあふれ出す世界を書き続ける人。でも、こうして評価され、世の多くの人に語りかけることができる。それは大きな喜びに違いありません。射子さん(本当は本名で呼びたい!)、おめでとう!ありのままのあなたの道を進んでください。