K.G.

災害復興制度研究所主催「災害に強いまちづくりシンポジウム」を開催

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災害復興制度研究所は2026年3月20日、ANCHOR KOBE(神戸市中央区)において「災害に強いまちづくりシンポジウム ― 神戸から考えるこれからの災害の備えと復興」を開催しました。当日は約50名の参加者が来場し、研究者、行政、学生による発表を通じて、災害復興および防災に関する知見を共有しました。本シンポジウムは、阪神・淡路大震災から能登半島地震に至る災害経験と教訓を踏まえ、復興・防災をめぐる実践と学術的視点を広く共有することを目的として実施したものです。

 

 

第1部では、災害復興制度研究所顧問の岡田憲夫氏(京都大学名誉教授)が「激甚災害からの地域復興 ― 阪神・淡路大震災から能登半島地震まで」と題して講演し、自然災害のみならず過疎化や感染症など多様な課題が重層的に影響する中で、地域コミュニティのレジリエンス向上の必要性を指摘しました。岡田氏は、さまざまな主体が継続的に議論し課題解決に取り組む「出会い続ける場」の重要性について述べました。
続いて、災害復興制度研究所主任研究員の羅貞一准教授が「『人間の復興』を目指して ― 市民・地域とともに歩む災害復興制度研究所」をテーマに講演しました。羅氏は同研究所の20年にわたる活動を紹介し、地域人材育成、国際的な連携、震災経験を伝える情報発信など、大学・研究機関の立場から生まれる「出会い続ける場」の創出事例を紹介しました。
また、神戸市危機管理局の加古裕二郎副局長は、「災害に強いまちづくり ― 過去の教訓とこれからの取り組み―」について、災害に関する神戸市の取組みを紹介したうえで「行政の取り組みに加え、いざという時には市民の力、地域の力も重要になる。日頃から自宅での食料備蓄(ローリングストック法等)や、災害に関する情報収集の手段を把握しておく等の備えをしていただくことで、災害への対応力、復元力が向上する」と述べました。

その後学生による報告では、能登半島地震の現地ボランティア活動について紹介されました。七尾市豊川地区および中島町における仮設団地での交流イベント企画・運営などの活動内容が共有され、学生は「多様な立場の方々との交流を通じて、一方通行の支援ではないと感じた」「行く度に新たな出会いや学びがあり、何度も参加したい、経験を周りの人にも伝えていきたいと思う」と活動を振り返りました。

 

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第2部のパネルディスカッションでは、「神戸から考える これからの災害の備えと復興」をテーマに、災害復興制度研究所長の山泰幸教授がモデレーターを務め、岡田氏、羅氏、加古氏が、人々が共に居合わせ交流や共同活動を通して仲間意識や社会的つながりを育む場である「コミュニカティブ・スペース」や、日本と韓国におけるコミュニティの在り方、防災の取り組みの違いについて議論を行いました。

 

 

災害復興制度研究所は今後も、平常時からの防災・減災に関して研究成果と現場での実践を往還させながら、防災と災害からの復興に関する知見の蓄積と社会への提供を進めていく予定です。

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