元阪神タイガースのマット・マートン氏のトークショーを開催
2025年12月8日、元阪神タイガース選手マット・マートン氏のトークショーが関西学院会館で行われ、およそ350人が参加しました。
マートン氏は2010年から6年間、阪神タイガースでプレーし、現役引退後も日本、特にチームの本拠地である西宮市への思いを持ち続けてきました。このイベントは、2018年に発生した大阪北部地震や台風20号・21号で関西が甚大な被害を受けた際、マートン氏が被災地支援や野球教室を実施し、西宮市で浸水被害地域を訪問した活動がきっかけとなって開催されました。
「“BEYOND THE GAME”-人生を支える“もう一つの軸”」と題されたトークショーでは、学生時代から日米でのプロ野球選手時代、それに現在の活動を通じて大切にしてきた考え方について語りました。この中で、マートン氏は日本への移籍について、「当初はまだメジャーで活躍できると考えていたので、難しい決断であった。その時に、妻と一緒に神様に祈る中で、日本に行くことを決めた」と決断の裏側を話していました。その上で、「どこで野球をするかよりも、どんな時もベストを尽くすことが大切である。思い通りに行かない時こそ、周りの人と支えあうことが重要だ」と参加者にメッセージを送りました。
また、参加した学生から「メジャーへの移籍話があったと聞くが、なぜ阪神に残ってくれたのか?」という質問に対して、マートン氏は「実際にオファーはあったが、周囲のサポートが素晴らしかったので残ることにした。家族も1~2年で帰るつもりだったが、日本が好きになっていた」と答えていました。
マートン氏は、トークイベントの前に中央講堂で行われたアドベントチャペルも参加し、「暗闇の中の光」をテーマに語りました。メジャーリーグから阪神入団を決断した際の葛藤とモーセの物語を重ね、「未知の日本に行くことは当初の計画にはなく、メジャーリーガーとしてのプライドもあった。しかし、“そこに神様のプランがあるのかもしれない”と考え、決断をしていなければ、多くの機会を逸していた」と述べ、日本で育まれた友情や文化との出会いを紹介しました。最後に「クリスマスは、神が人間と同じ苦しみを経験し、希望を与えるために来られたことを象徴しています。神様との関係によって得られる人生の目的、平和、希望、そして変わらない愛を信じて、未来への一歩を踏み出してほしい」とエールを送りました。