世界的登山家・中島健郎氏 関西学院賞授与式を開催
2025年10月24日、西宮上ケ原キャンパスの中央講堂で、本学卒業生で世界的登山家である中島健郎氏の関西学院賞※授与式を執り行いました。
本学の山岳部で活動していた中島健郎氏は、2008年に卒業後、海外トレッキングや登山のツアーガイドを務めながら、山岳カメラマンとしての活動をスタートしました。国内外の山岳撮影で活躍し、優秀な登山家に贈られるピオレドール賞を3度受賞しています。2024年7月に、K2西壁に挑戦中に遭難し、39歳という若さで帰らぬ人となりました。
関西学院では、世界への視野、確立した自己、大きな志及び行動力と存在感の点において、関西学院賞を贈るに相応しい人物であり、その授与は本学院の歴史にとっても意義深いことであると判断し、今回の授与を決めました。
授与式には、山岳部の関係者をはじめ、在学生などおよそ200名が参加しました。はじめに、妻の中島妙さんが、中道基夫院長より記念の楯を受け取りました。
受賞について中島妙さんは、「夫は、未踏峰への登頂やテレビ番組で注目を浴びましたが、おごることなく謙虚で努力を続ける人でした。何よりも山を愛し、楽しんでいた素直な姿が、多くの人の心を動かしたのだと思います。夫が繋いでくれたみなさまとのご縁を大切にして、子どもたちと歩んでいきたい」と挨拶をしました。
続いて、中島健郎氏の作品を手掛けた映像ディレクターの和田萌さんが「山に線を描く 〜”登山家“ 中島健郎と “人間” 中島健郎〜」をテーマに記念講演を行いました。中島健郎氏が登山中に撮影した映像を紹介しながら、和田さんは「登山家としてだけでなく、カメラマンとしても素晴らしい技術を持っていることを知って欲しい」と話しました。また、中島妙さんに加え、中島健郎氏が所属していた山岳部の監督や部員も登壇し、生前の様子を懐かしんでいました。
※中島健郎氏で5人目の受賞となる関西学院賞は、関西学院の創立125周年を記念し、「“Mastery for Service”を体現する世界市民」として功績が顕著な者を顕彰することを目的として2014年に創設した賞です。