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Interviews 卒業生 「当たり前」に疑問を持つことで社会的な課題に貢献できる
研究を続けたい

関西学院大学 社会学部助教
中越 みずき さん
掲載日:2026.08.05
社会学研究科
2025年修了

Introduction紹介文

2025年 社会学研究科にて博士学位取得(博士〈社会学〉)。 日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、2025年4月より社会学部助教(若手研究者スタートアップ制度/特別任用助教)。 専門は社会心理学。

中越みずき 先生に、大学院への進学や研究者を志す魅力等について伺いました。

研究内容について教えてください。

社会には所得や雇用、教育など、さまざまな不平等が存在します。一般的には、現状の社会システムから十分な利益を得ていない人ほど、現状を変えたいと考えると思われがちです。しかし実際には、必ずしもそうではありません。経済的に厳しい状況に置かれていても、現状を支持したり、既存の政治や制度を肯定したりする人も少なくありません。
私は、こうした一見矛盾しているように見える現象を、社会心理学の理論を用いて説明することを目指しています。

研究の面白さや魅力について教えてください。また、研究に興味を持ったきっかけがあればお聞かせください。

研究の魅力は、「当たり前だと思われていること」が必ずしも正しくないことを、データを通して明らかにできる点だと思います。 例えば、「生活が苦しい人ほど現状を変えたいと思うはずだ」という考えは直感的にはもっともらしく聞こえます。しかし実際のデータを見ると、必ずしもそういった説明に当てはまらないケースもあります。その背景にはどのような心理があるのかを考えていく過程に、面白さを感じています。 もともと不平等や格差の問題に関心があったのですが、学部のときに卒業論文を書きあげていくなかで、社会心理学の観点からもっと掘り下げて研究してみたいと思ったことがきっかけです。

日本学術振興会特別研究員に採択されています。いつ頃から申請をお考えだったのでしょうか。

進学前から、指導教員から日本学術振興会特別研究員(学振)についての話を聞いていたため、大学院に入学した時点で申請するつもりでいました。ただし、前期課程1年の頃から現在の研究テーマが固まっていたわけではありません。文献を読み、研究を進め、指導教員や周囲の先生方から助言をいただく中で、自分が本当に取り組みたいテーマが少しずつ明確になっていきました。

関西学院大学若手研究者スタートアップ制度を活用し、社会学部の特別任用助教として研究活動と教育活動の両方に取り組まれています。この制度が研究活動に与えた影響や、ご活用されたご感想をお聞かせください。

博士課程後期課程に所属する多くの大学院生が不安に感じることの一つは、博士論文提出後のキャリアだと思います。将来への不安を抱えながらポスドクとして研究を続ける方も少なくありません。そのような中で、関西学院大学の若手研究者スタートアップ制度は、非常にありがたい制度だと感じています。研究を継続しながら教育経験も積むことができ、安心して次のキャリアを考える時間を持つことができました。

今後のキャリアについて教えてください。差し支えなければ、現在考えておられる研究活動や今後の展望、ご予定などについてもお聞かせください。

引き続き教育と研究に携わっていきたいと考えています。社会学研究科では、私の専門である社会心理学だけでなく、社会学や文化人類学・民俗学など、さまざまな分野の先生方や大学院生と交流する機会がありました。異なる専門分野の視点に触れた経験はとても影響大きかったです。今後も専門分野にとらわれず、多様な研究者との議論を大切にしながら、社会的な課題に貢献できる研究を続けていきたいと考えています。

大学院進学を考えている方や、研究者を目指している方に向けてメッセージをお願いします。

大学院での研究や生活は、決して楽しいことばかりではないと思います。予想外のアクシデントで研究計画が頓挫したり、論文がリジェクトされて悔しい思いをすることもあります。そうしたなかで、そうしたなかで大切なのは、一つひとつの結果に一喜一憂しすぎず、長い目で研究と向き合うことだと思います。 研究者を目指すうえでは、成果を出すことももちろん大切ですが、それ以上に、「なぜだろう」という素朴な疑問を持ち続けることや、失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢が重要だと感じています。少しでも研究に興味がある方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。