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Interviews 卒業生 子どもたちの頑張りに寄り添えるチアリーダーのような先生になる

堺市教育委員会小学校教諭
前田 真歩さん
掲載日:2025.08.18
教育学部
2024年度卒業

Introduction紹介文

小学生時代、挑戦したことを先生から温かく認められた体験を原点として教員の道を志した前田さん。応援団総部チアリーダー部DOLPHINSでの活動に情熱を注ぎ、失敗を乗り越える強さを学びました。現在は小学校教員として、これまでの経験を胸に、児童一人ひとりが主体的かつ楽しく学べるような温かいクラスづくりに取り組んでいます。

先生に寄り添ってもらった経験が私の原点。 子どもたちが楽しみながら学べる環境をつくりたい。

先生を目指したきっかけは、小学5年生の時の水泳の授業で、泳げなかった私を先生が熱心に指導してくださったことです。努力の過程をちゃんと見て、認めてくれた先生の存在が心強く、私も児童一人ひとりの頑張りやチャレンジに寄り添える教員になりたいと強く思いました。
関西学院大学教育学部では、教職課程の科目に加え、国語科や社会科などの各教科の教育法を学びました。グループで新しい授業を考案したり、模擬授業を行ったりする中で、人前で話すことへの苦手意識を払拭することができ、毎日の授業や研究授業にも活かされています。特に、菅原先生のゼミでは、特別支援教育は教育の原点であることを学び、障がいのある子どもの心身を想像することや、適切に接するための準備の大切さを理解できました。教育学部には、教員に限らず様々な進路を考えている学生がいたため、ディスカッションを通して、教育だけにとらわれない多角的な視点を得られたことも貴重な経験です。
現在は小学校教員として、1年生のクラスを担任として受け持っています。授業はもちろんのこと、子どもたちが毎日ワクワクしながら学校生活を楽しめるように日々アイデアを考え、実行しています。特に力を入れているのは班活動です。昨年、4年生の担任を受け持っていた時には、単に日直をランダムに回すのではなく、班対抗で日直の仕事ぶりなどを評価し合うゲームのような形式を取り入れていました。例えば「音読グランプリ」では、一人ずつ前に出て朗読し、気持ちを込めてハキハキと音読できているか得点をつけ、班ごとに合計点を競います。このような工夫で、子どもたちが楽しみながら主体的に学習する環境をつくっています。主体性を養ったことで、授業態度を指導した際には、子どもたちが自発的に話し合いを始めるなど、学習面以外にも良い影響が見られました。

1年生に算数の授業をしているところ

チアリーダー部での失敗と挑戦が、 現在の教員生活を支える貴重な糧になっている。

在学中に情熱を注いだのは、応援団総部チアリーダー部DOLPHINSの活動です。関西学院大学応援団総部は厳しいことで知られていますが、幼い頃からチアリーダーに強い憧れがあり、入部を決意しました。DOLPHINSは、「Mastery for Service(奉仕のための練達)」というスクールモットーを体現することを大切にしています。チアリーダーは自分が目立つのではなく、選手と観客を繋ぎ、必死に練習したパフォーマンスを通して応援する存在です。この精神を胸に、関学の名に恥じないよう練習に励みました 。
また、初等部のチアリーディングチーム「キッズドルフィンズ」で2年間コーチとして子どもたちと関わっていた際には、チアの楽しさだけでなく、チームワークや思いやりの大切さを伝えました。この経験は、現在の教員としての仕事にも直接的に活きています。
部活動では多くの失敗も経験しました。スタンツという組体操のような技で怪我をし、トラウマになったこともあります。また、試合に出るためのセレクションに落選し、自信を失ったこともありました。私は運動神経が良い方ではなかったため、自分にしかできないことは何かを考え、新体操のリボンを習いに行くなど、自分から行動を起こしました。周りのレベルの高い仲間たちに置いていかれないように必死に取り組む中で、失敗したことにとらわれず、次へと行動を切り替える力が養われました。この経験は、現在担任としてクラスを受け持つ中で困難に直面した際に、一度は落ち込んでも(たくさん泣くこともあります)、そこからどう行動に移すかという点で、今の自分を支える大きな力となっています。

2023年甲子園ボウル アメリカンフットボール部FIGHTERSが優勝した時の花道
ハーフタイムショーの様子

私にとってのミカンセイノカノウセイ

チアリーダーのような先生になるために。

「一生懸命」の形は一人ひとり違い、例えば毎日学校に来ること、テストで100点を取ることなど、どれもが大切な“がんばり”です。私は、どんな小さな“がんばり”も見逃さず、「すごいね」と認め合い、思いやりを持って応援し合えるあたたかいクラスを作りたいです。チアリーダーは、常に笑顔で、選手と観客を繋ぐ架け橋のような存在です。同じように、私は子ども同士を繋ぐ「チアリーダー」のような先生になりたいです。そのためにこれからも自分を磨き続けたいと思います。