Interviews 卒業生 お客様に寄り添える商品で、三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)を目指す

Introduction紹介文
志望校を決めるにあたり、将来自分がやりたいことが見えなくて困っていたという重本さん。関学の社会学部を選んだのは、自分の可能性を狭めることなく学べて、ゼミや専攻分野を決める3回生になるまで、「走りながら考えていい」ところが魅力的に感じたからだそうです。現在は清涼飲料メーカーの営業担当として、専攻した「データ社会学」のスキルを活かし、担当小売企業での自社商品提案や売上作りや、会社が力を入れるヘルスサイエンス商品のPRに充実した毎日を送っています。
小学校6年生で体験した東日本大震災を振り返り、震災教育の実態について調査データを活用して取り組んだ卒業制作。
将来に対して何も決められていなかった私にとって、「データ社会学」で「働くこと」を研究テーマとする長松ゼミは、まさに求めていた学びでした。社会に出ればどんな職種に就こうともデータを扱うスキルは必須。学生の間に一から学んでおきたいという思いもありました。学びの総仕上げとなる卒論に選んだテーマは、「地元福島県郡山市を事例とした小学生への震災教育の実態」。震災当時12歳だった私は、震災そのものが印象的な出来事であったものの、日常を奪われ苦しい思いをしてきた人たちの存在があったこと、安心安全な暮らしのため尽力してきてくれた人たちの存在があったこと、そのような現実と近い位置で生活を送ってきたのにも関わらず、その現状とこれまでしっかり向き合ってこなかったことが恥ずかしく、卒業制作が今一度震災と自分自身が向き合うきっかけになればとテーマとして扱うことにしました。調査には6校の小学校の協力を得て、児童にアンケートを実施し量的データを収集、当時教員をされていた方々へのインタビュー調査から質的データを加え、何千という母数は望めない中でも、まとめ方や論文の構成の仕方を先生に指導していただき、調査データに基づく卒業研究を仕上げることができました。
大学時代に学んだ一通りに限らない見方を活かした得意先提案
就職活動はコロナ禍が始まった2020年だったので、OB・OG訪問も大半は電話でした。そんな中でもキリングループの社員には対面で話を聞ける機会があり、自分の働く姿をより具体的にイメージすることができました。もともと生活に寄り添えるような商品を扱いたいと考えていた上に、飲料には格別な思いがありました。飲料は災害が起きたら命を確保するため必要なものであり、日常では、人と人とが大切な時間に彩りを与えてくれるもの。そんな二面性を持つアイテムはなかなかないと思います。また、将来的にはグループ内のさまざまな会社や職種を経験できる点にも今の会社に惹かれました。
現在は入社5年目で、小売企業様の担当を持ち、食品卸(おろし)の方と協業して担当先の売り上げをつくることが私の基本的な業務です。提案書作成では、事前に定量データをみますが、数字を見ても一通りの見方ではなく、他の考え方や視点はないか、違う見せ方はないかと、長松教授に教わった丁寧に見て考える習慣を心がけるようにしています。
「ものを売るだけじゃなく、価値を売る」それが私たちメーカー営業がめざすミッション。
健康志向の時代に応えて、会社でもヘルスサイエンス商品に力を入れています。健康な人の免疫機能の維持をサポートするプラズマ乳酸菌を取り入れた商品シリーズがあり、健康管理のツールのひとつとしてお役立ちできるように、売場内外でのお客様への訴求を積極的に手掛けています。まさに「ものを売るだけじゃなく、価値を売る」仕事です。
現在、会社はグループ全体のビジョンとしてCSVを進めていて、私たち営業社員もCSV営業に取り組んでいます。CSVというのはCreating Shared Value「共有価値の創造」で、社会の問題解決と自社の成長を両立させる企業活動のことです。私も地域や行政とタイアップしたイベントに挑戦し、ヘルスサイエンス商品の普及活動や、免疫ケアに関する講演会などを実施しています。その過程では、社内の広報担当や上長など多くの人に意見をいただきながら、ひとりで仕事を進めないよう取り組むことを心がけています。
企画するとき頭に浮かべるのが、新入社員の1年目に店頭活動として、首都圏の小売店を巡回し自分の手で売場づくりをした経験です。好きな商品への思いや思い出を私に話してくださったお客様のことは今でも深く印象に残っています。その体験がいつも自分を支えてくれているのを日々感じています。


息抜きの機会を作ること。ときには仕事を離れ、視野を広げてみる。
学生時代は体育会のボート部の活動、最後の一年はコロナ渦の影響もあり海外へ行く機会がなかったため、今年思い切ってイギリスとフランスを旅行しました。イギリスでは趣味であるミュージカル鑑賞をウエストエンドで毎晩楽しみ、充実した幸せな時間を過ごしてきました。ちょうど仕事で悩んでいた私にとって狭まりかけていた視野を改めて広げてくれた体験でした。これからも上手に息抜きして、仕事に新鮮な気持ちで向き合い、キャリアアップしていきたいと思っています。