Interviews 学生 授業と開発を往復する日々。起業家を目指す私の現在地
Introduction紹介文
高校時代からアプリ開発に取り組み、現在は工学部で学びながら起業を目指す酒井さん。「社会に届くサービスをつくりたい」という思いを胸に、学生でありながら社会へ挑戦を続けています。学内での学び、個人事業主としての開発業務、仲間とのプロジェクトを行き来する毎日は多忙を極めているそうですが、その表情はとても前向きです。関学での学びと課外活動がどのようにつながっているのか、そのリアルな学生生活を聞きました。
大学で学ぶ意味を問い直しながら起業家という夢に本気で向き合う今
私が関学の工学部情報工学科を選んだ理由は、「つくる」だけで終わらせたくなかったからです。高校時代、独学でプログラミングの学びを深め、いくつものアプリを開発しました。友達に使ってもらえた経験は純粋にうれしかった反面、だんだんと「これは本当に社会に届いているのか」「もっと大きな価値を生めるのではないか」と感じるように。学校の中や身近な範囲で完結するのではなく、社会に実装され、誰かの課題を解決するサービスをつくりたい。そのためには技術の背景にある理論や、システムが成り立つ仕組みをきちんと理解する必要があると考えました。
工学部での学びは決して楽なものではありませんが、知識・スキルを基礎から積み上げていく過程は、自分の夢と確実につながっている実感があります。今は起業を見据えたプラットフォームの開発に取り組みながら、学びと実践を往復する日々。授業で学んだことをヒントにアイデアを練り、形にしていく。その繰り返しが、学生生活を一層面白くしてくれています。
留学で芽生えた危機感が原点。
実践先行でやってきたからこそ、基礎の大切さを実感する
起業を明確な目標として意識するようになったきっかけは、高校1年生の時に参加した海外研修です。神戸市が主宰する高校生向けの起業家育成プログラムでシリコンバレーを訪れました。もともと起業に強い関心があったわけではなく「海外を見てみたい」という気持ちが動機でしたが、現地で出会った同世代の若者たちが自分のアイデアを形にし、社会へサービスを届けている姿に強い衝撃を受けました。そしてそこで何度も耳にした「とにかく形にすることが大事」という言葉が、その後の私の行動を大きく変えたのです。
帰国後は手を動かし続け、高校時代に10個以上のアプリを開発。ただ、高校3年生で参加したビジネスコミュニティでは、同年代や年下の参加者がすでに事業を動かしている現実を目の当たりにし、改めて衝撃。「自分にももっとできることがあるはず」と、大きな焦りと悔しさを感じました。その思いから、大学入学と同時に個人事業主としてWeb開発の受託を開始。中小企業向けにWebサイトやチャットボットを開発し、実際に「反響があった」「思いを形にできた」と言ってもらえた経験は、大きな励みになっています。
一方で、AIの進化によって開発のスピードが加速する中、仕組みを理解しないまま進んでいた自分にも気付きました。アプリやシステムを「つくる」ハードルが下がった今だからこそ、学部で基礎を学び直すことに大きな意味を感じています。授業や学内外の仲間との学びを通し、実践と理論が少しずつ結び付いてきました。この環境が今の自分を支えてくれていますし、熱量ある仲間から受ける刺激が私の原動力です。
過去の自分のように孤立する学生を支えたい。
サービスに込めた想いと未来像
現在、これまで注力してきた“学生エンジニア向けのキャリア支援プラットフォーム”のリリースに向けて大詰め段階を迎えています。このサービスで目指すのは、学生一人ひとりの技術力や成長の過程を可視化し、次に挑戦すべき環境や機会を提示できる仕組みをつくること。開発した背景には、高校時代の自分自身の経験があります。やりたいこと・熱量はあるのに、同じ志を持つ仲間が周囲におらず、どこに向かえばいいのか分からない。以前の私はそんな孤立感を抱えながら手探りで進んできました。だからこそ、同じように悩む学生の背中を力強く後押しするサービスを届けたいと考えています。
将来なりたいのは、先頭に立って引っ張る存在ではなく、仲間と同じ目線で並走する起業家。周囲の成長に本気で向き合いながら、自分自身も学び続ける。学生だからこそできる挑戦を積み重ね、目指す未来を形にしていきたいです。
人との交流を通し社会を立体的に捉えたい。
挑戦と、知見を広げる旅がつなぐもの
中学生の頃に「英語ができれば世界が広がる」と考え、以来、語学学習に力を入れてきました。その一方で国内では神戸から稚内までヒッチハイクで移動するなど、一人で考え行動する旅にも何度も挑戦。近年は海外にも目を向け、次はカンボジアへの渡航を予定しています。大きな目的は、現地の人と交流し、貧困や格差が生まれる背景を自分の目で知ること。知見を広げる旅を通して、社会を多面的に理解できるようになりたいと考えています。