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Interviews 学生 建築学部で植物を研究。自然界から描く未来の設計図

丸岡 択斗さん
掲載日:2026.03.03
建築学部

Introduction紹介文

中学生の頃、自宅の新築に関わった経験から建築の世界に魅了されたという丸岡さん。図面が立体となり、家族が過ごす“空間”として形になっていく……そんな過程に強く心を動かされたことが興味の原点だと語ります。建築学部生となった今は、留学や研究に積極的に挑戦し、オオオニバスの葉の構造を建築に応用するというユニークな研究にも取り組み中。自然を相手にした研究に苦労を重ねながらも、学びの楽しさに満ちた日々を過ごしています。

図面に描かれた空間が現実に現れる。
あの日の感動を原点に、建築を学ぶ道へ

建築に興味を持ったのは、中学2年生の時に両親が自宅を新築したことがきっかけでした。住宅展示場に足を運び、図面を見てインテリアを一緒に選ぶ……そんな工程に私も参加し、何もないところに家という空間が立ち上がっていく様子に心をおどらせた日々。「こんなふうに、人の暮らしをつくる仕事に関わりたい」と思ったことが建築学部への進学の決め手になりました。
中でも関学を選んだのは、留学制度が魅力だったからです。建築の仕事は海外とのつながりも多いので、学生のうちに英語力を伸ばしたいと考えました。学部のプログラムでオーストラリアのアデレード大学へ短期留学した際には、現地の学生と課題に取り組み、世界的に有名な建築事務所を訪問するなど視野が一気に広がる貴重な経験ができました。
そして今、熱中しているのが「オオオニバスの展開構造」の研究です。オオオニバスとは、南米のアマゾン河流域などに生息する、世界一大きな葉を持つ水生植物です。「建築学部で植物の研究?」と不思議に思われるかもしれませんが、生物の構造や機能を参考にして建物などの設計手法を考案する「生物模倣」という観点から、建築と自然をつなぐ新しい発想に挑戦しています。

アデレード短期留学での課題発表の様子
アデレード短期留学での課題に取り組む様子

自然の仕組みを建築へ。
試行錯誤の連続が、未来につながると信じて

私の研究は、オオオニバスの“葉の開き方”を建築構造に応用できないかを探るものです。もともと不得意だった構造分野ですが、だからこそ挑戦したくて構造系のゼミを選択。そこで出会った生物模倣の概念に惹かれ、研究テーマとしてのオリジナリティを求めてたどり着いたのが現在の研究テーマです。
直径2メートルを超える巨大な葉が、小さく折りたたまれた状態から数日で美しく広がる。そんなオオオニバスの動きに、災害時に使える「持ち運びやすく、すぐに展開できるテント」の可能性を感じました。日本は災害の多い国。「必要なときに素早く安全な空間をつくれる仕組みを探したい」という思いが研究の軸になっています。
研究は、葉の折り目や規則性を観察してトレースし、3Dモデリングソフトで形を再現した後、紙や素材で折りたたみを検証する……という地道な作業の積み重ねです。専門ソフトでのプログラミングは苦労しながらも独学で習得し、だからこそ理解が深まりました。
加えて、研究は自分一人ではできないことが多く、さまざまな方に支えていただいて、その出会いにも感謝しています。たとえばオオニバスを観察するのに大阪の植物園・咲くやこの花館の方々にご協力いただきました。自然の生物を相手にする研究なので、観察用の撮影では夜間で葉が写らなかったり、夏場はカメラが熱で止まったりとトラブルもありましたが、失敗を乗り越えて成功した時はすごくうれしかったです。また、オオオニバスの展開構造を理解するには「折り紙工学」の知識が不可欠。折り紙工学とは、紙を折るだけでさまざまな形を作り出す折り紙の原理や技術を工学に応用する学問領域ですが、関学には専門とする先生がおらず、ゼミの教授が紹介してくださった九州大学の先生方にご指導いただきました。皆さんの力を借りながら試行錯誤し、新しい形が見えてきた瞬間の喜びは格別です。

植物園でのオオオニバスの観察の様子

まだ見ぬ建築を形にするために。
描きはじめた自分の道を、大きく広げていきたい

目下の目標は、オオオニバスの「折り目構造」をより精密に解析することです。そして、知的好奇心を追究する楽しさから大学院への進学を決めたので、大学院では研究をさらに展開し、実際に応急仮設テントの模型をつくったり荷重実験を行ったりして、構造として成立するかどうかを確かめたいと思っています。自然から学んだ仕組みを実用化に近い形にする、それが私の次の挑戦です。
将来は研究者になる道も見えていますが、大きな建築物に携わる仕事にも魅力を感じていて、まだ悩んでいるところ。ただ一つ確かなのは、建築を通して人の暮らしに役立つものをつくりたいという思い。研究で得た知識と挑戦する姿勢を武器に、自分だけのキャリアを切り拓いていきたいです。

 

私にとってのミカンセイノカノウセイ

資格取得/英語力向上に向けて勉強中

将来は、世界を舞台に活躍したい。
留学で得た「まずはトライ」の精神を力に前進!

将来を見据え、一級建築士の資格取得と英語力の向上に取り組んでいます。この目標意識を高める契機になったのは、アデレード大学への留学でした。参加前は英語が苦手で不安でしたが、「当たって砕けろ」の精神で現地の人々とコミュニケーションに挑戦。意外と意思疎通できたことが大きな自信になりました。この留学経験は、私を「まずトライしてみる」と前向きな性格に変えてくれました。留学で得た挑戦の精神を力に、これからも成長を続けていきます。