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Interviews 学生 19世紀の女性作家から「自己表現」を学ぶ

小仲 葵さん
掲載日:2026.03.10
文学部

Introduction紹介文

小仲さんは、自他ともに認める「本の虫」。子どもの頃、ある一冊の本との出会いから、知らないことを知ることができる本の楽しさに魅了されて今に至ります。さまざまな作品を読む中で海外文学にも触れ、作者が作品に表現した「想い」を理解するために「原書を読みたい」と英米文学英語学専修に進学。現在は19世紀イギリスの女性作家・シャーロット・ブロンテを研究対象とし「現代における自己表現」の解決方法を探っています。

夢は、この世に存在する本をすべて読み尽くすこと。
海外文学作品を原書で読むために英米文学英語学専修へ。

幼少期に祖母や母が絵本を読み聞かせてくれていた時間は、本を好きになった原体験でもあり、今も幸せな記憶として残っています。そして初めて自分で選んだ本が『黒魔女さんが通る!!』(講談社青い鳥文庫)という、当時の小学生に人気の小説シリーズでした。しかし、最初に手に取ったのはなぜか途中の巻。今となっては笑い話ですが、内容がわからないながらも読み進めていくうちに、ストーリーのおもしろさに引き込まれました。それをきっかけに全巻を読破したことが自信につながり、本の世界への興味が一気に広がりました。
日本の作品の他にも、海外の文学作品は日本語訳で読んでいましたが、翻訳者の解釈によって同じ本でも表現の違いがあることに気づき、原作者の想いをしっかりと理解するには原書を読む必要があると痛感。自分で翻訳できるほどに英語力を高め、表現の解釈を身につけたいと英米文学英語学専修に進学を決めました。

現代において「考えを伝えること」の難しさを実感。
イギリスの女性作家の作品を通して解決策を探る。

卒業論文は「女性の自己表現」をテーマに研究を進めています。今の時代、自分を表現する方法は多種多様にありますが、SNSでの誹謗中傷など表現そのものが過激になりすぎていて、「考えを伝えること」の難しさを感じています。そんな時、3年生の授業で19世紀の英国女性作家、アン・ブロンテの小説と出会いました。当時のイギリスは個人が尊重されつつも、社会の中で女性が声をあげることはまだ難しいとされていた歴史背景があります。
彼女の作品を読み、女性が文学の力を使って自分の考えを表現できているのに、なぜ表現の選択肢が多いはずの現代に生きる私たちにはできないのか。その解決の糸口を19世紀の女性作家の作品から探りたいと、ゼミではアンの姉であるシャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』を選びました。まずは作品を読み込み、主人公を始めとする登場人物のセリフをそれぞれの身分などを踏まえながら、表現の解釈を比較・検討。シャーロット・ブロンテが考える19世紀当時の女性たちの表現方法を模索しています。

「スタディツアー」で、作家の故郷を訪れた経験は一生の宝物。
考えを適切に言語化する力を身につけ、表現を磨きたい。

所属する横内ゼミでは、作品内の場面についてゼミ生同士で議論を重ね、表現の理解を深化させています。自分の解釈を言語化できた時は達成感がありますし、他のゼミ生の異なる解釈から、多様な視点で物事をとらえる大切さを実感し、研究にも活かすことができています。
また、「北イングランド・スタディツアー」に参加し、短期間ではありますが、在学中に一度は留学したいという夢も叶いました。ツアーでは、ブロンテ姉妹が生涯のほとんどを過ごした西ヨークシャーの小さな町・ハワースを訪問。姉妹が町の人たちにとって誇りであり、今も愛され続けていることにも感動しました。本の中にある風景を実際にこの目で見て、町の人とも交流できた経験は、作品へのより深い理解と研究テーマに掲げる「女性の自己表現」を解決する手がかりにもつながる一生の宝物になりました。
考えを伝えるための言語化は、私たち人間だけに与えられた手段であり、人生においてやりがいのある彩りの一つだと思います。シャーロット・ブロンテが描き出す人物を掘り下げ、自分が今の社会を柔軟に生き抜くための表現を磨いていきたいです。

湖水地方ウィンダミアの人気アイスクリーム屋さん。イチゴ味は行列も納得の味でした。
マンチェスター大聖堂での一枚。大聖堂の係の方に上手な写真の撮り方を教えていただき素敵な写真を撮ることができました。

私にとってのミカンセイノカノウセイ

キャンパスで読書を楽しむ

いろいろな表現方法を知れば、相手への理解が深まる。
本を通して得た私の世界はこれからも広がっていく。

「知らないことを知りたい」と思った時、本を読めば答えがあります。そこでわからないことがあれば、また別の本を読む。本は今も私の世界を広げる助けとなっています。美しいキャンパスに惹かれ、好きなことを学べた4年の間、図書館で過ごすことも多く、特に落ち着いて勉強できる温かい日なたの席がお気に入り。関学でなければ出会えなかった年代や背景が異なる人たちとの対話からも「伝えることの大切さ」を実感する日々です。