Interviews 学生 対話と行動で切り拓く、未来への挑戦の旅路

Introduction紹介文
高校時代に環境や平和といった国際課題に出会い、その関心を原動力に、世界へと視野を広げてきた中西さん。国際学部に進学した現在は、高校時代から取り組む「食べられるおかずカップ」の開発や海外での交流を通じて社会課題の本質に迫る学びと実践を重ねています。異なる価値観と向き合いながら「世界と直接対話すること」にこだわり続ける日々。その先に描くのは、次世代により良い未来を手渡せる社会の実現です。
世界中の人と語り合い、課題の本質に触れる。
“学び”の第一歩は高校時代の交流だった。
幼い頃、父の海外赴任先を訪れた際に見た外国の風景が、私にとっての“世界”の始まりでした。見たことのない街並み、違う文化の中で生きる人々、全てが刺激的で「もっと知りたい!」という思いがこみ上げてきたことを覚えています。また広島で育った私は、世界平和について考える機会が多くありました。高校の「総合的な探究の時間」では、環境や国際問題など幅広いテーマに向き合い、世界の見方について新たな視点を得ることに。中でも印象的だったのが、ハワイにある姉妹校を訪れた時のことです。現地の高校生と平和について語り合う中で「対話を通じてこそ分かり合える」という気づきを得ました。
高校時代は、他にも国連ユニタールの授業や広島ジュニア国際フォーラムへの参加も含め、さまざまな背景を持つ人と関わる中で、国際課題の複雑さにふれると同時に、自分の視野がどんどん広がっていくのを感じました。もっと多様な人々と語り合いたい――。その思いから、国際学を中心に幅広い分野へ挑戦できる関学国際学部への進学を決めました。
「食べられるおかずカップ」で挑んだ国際課題。
海外への挑戦で得た気付きと自分自身の成長。
大学に入っても継続している私の活動の一つが「食べられるおかずカップ」の開発です。高校時代、ごみ問題や食品ロスについて探究する中で、お弁当用プラスチックカップが環境負荷の一因になっていること、規格外野菜や余った食材が多く廃棄されていることを知りました。そこで「それなら、捨てずに食べられるカップを作ればいいのでは?」とアイデアが生まれたのが始まりです。私はほうれん草や米粉、卵など身近な材料を使い、見た目はクッキーのようで食後にそのまま食べられるカップを試作。高校ではチームで、大学では個人で研究を続け、企業や研究者に協力を仰ぎながら改良を重ねてきました。昨年秋には関学主催のSDGsアイデアコンテストで最優秀賞を受賞し、その後さまざまな場でプレゼンや意見交換する機会に恵まれています。
これらの活動を通じて試行錯誤を重ねるうちに、自分の視野や考え方が確実に成長していることを実感してきました。日々、外務省のサイトや「きっかけポータル」などで情報を集め、世界とつながる機会を逃さないようにしています。今年1月には、海洋汚染問題で関心のあったマルタ共和国への短期留学にも挑戦しました。自作のおかずカップを写真や動画を用いて現地の学生に紹介したところ「広めたい!」といった反応に励まされました。一方で「お弁当文化がないと使いづらいかも」といった率直な意見もあり、商品としての視点をより広げる必要性を痛感。またこの夏には中国・北京大学での日中学生交流プログラムに参加予定です。

在学中の目標はおかずカップの商品化。
将来は教育を通し、国際課題に向き合う次世代を育てたい。
今の大きな目標は「食べられるおかずカップ」の商品化です。大学での学びと社会とのつながりを生かし、在学中に実現させるべく奮闘中。そして卒業後は自分の強みや専門性をさらに高めながら、社会課題との向き合い方をさらに深く探るために海外の大学院への進学を視野に入れています。将来の具体的なことはまだ模索中ですが、夢は、教育を通じて国際課題に向き合える次世代を育てること。これからの社会では、多様な価値観を認め合い、対話を通して共通点を見つけ出す力がますます必要されるでしょう。そんな力を持つ次世代を育てるために教職課程も履修しています。教育現場や国際的な場で、誰かの「知りたい」「変えたい」という気持ちに寄り添い、後押しできる存在になることが人生の目標です。


未来の自分を形づくるのは今の私と信じて、語学も資格もアルバイトも挑戦あるのみ!
将来の夢に向け、大学では学部の学びにプラスして教職課程を履修中。また最近は英語に加えフランス語・韓国語・中国語の勉強を始めました。さらに課外ではテーマパークと空港でのアルバイトに挑戦中です。さまざまな人やお客様と接する中、語学力やコミュニケーション力が磨かれていると実感。時間の使い方に悩むこともありますが、今の挑戦すべてが自分を成長させる貴重な経験になると信じて、未来の自分に期待しながら「今できること」を一つずつ積み重ねています。