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Interviews 学生 なぜ、祈りのかたちが違う?その驚きが研究の出発点

青山 莞太朗さん
掲載日:2025.08.18
神学部

Introduction紹介文

幼い頃からキリスト教に触れ、もっと深く知りたいという思いから神学部への進学を決めた青山さん。学部での学びは想像以上に奥深く、「まるで世界を知る窓を広げてくれるようです」と語ります。現在は信仰と教会のあり方をテーマに研究に熱中しつつ、自ら発足した学生会の活動や、大好きな馬に関わる学生馬術連盟での活動にも奮闘。青山さんの語りからは、信仰・思想・社会が交わる学びの場で、自分の価値観や未来を育てる様子が見えてきます。

「キリスト教についてもっと知りたい」
幼い頃に出会った祈りの言葉が、今、人生の学びに変わった

幼稚園と高校でミッションスクールに通っていた私は、聖書や讃美歌に自然と親しんできました。その延長線上で「もっとキリスト教を知りたい」と考え、神学部への進学を決意。入学してみるとキリスト教思想を軸に多宗教や哲学、現代社会の課題にも触れられる学際的なカリキュラムがあり、これまでとても楽しく学んできました。
今、私が熱中しているのはゼミでの研究活動です。テーマは「日本におけるプロテスタント教会のあり方」。このテーマを選ぶことになったきっかけは、2年生の夏に参加した「Mission in Dialogue」という学部独自の国際交流プログラムでした。韓国・ソウルで見学した礼拝のスタイルに衝撃を受けたことでわが国の教会への好奇心が生まれ、以来、研究への情熱が膨らんでいます。

アドヴェントに神学部のチャペルアワーで司会をしました。この時期、時計台の前の木々もクリスマスのライトアップがされていて綺麗です。

「なぜ、祈りのかたちはこんなにも違うのか?」
韓国で見た礼拝スタイルへの驚きが、私に新たな視点を与えた

静かな教会、にぎやかな礼拝。
その違いの奥にはそれぞれの社会と信仰の歴史が重なっていた

韓国で体験した礼拝は「バンド形式の演奏に皆が声を合わせて賛美歌を歌う」という、私にとって斬新なスタイルでした。それまで教会といえば静かに祈る厳かな場所というイメージしか持っておらず、同じプロテスタントでも国が違えばこんなにも礼拝の形が変わるのかと驚きました。帰国後に日本の教会を訪ねてみると、やはり静かに祈るスタイルが多く、それが日本のキリスト教の特徴になっていることを改めて発見。なぜこのような違いが生まれたのかを調べてみると、日韓でキリスト教が受け入れられる過程で歴史的・文化的な背景が大きく影響してきたことが見えてきました。そして「信仰は常に時代と向き合い実践されていくのだ」という事実に触れたとき、神学が単なる宗教の学びではなく、社会と深く関わる学問であることを実感。そこからキリスト教の実践や思想に興味を深め、現在の研究に繋がっています。

歴史的背景によって異なる教会の姿勢。
それらを読み解き、今後、現場で役立つ論文を完成させたい

研究は、教会ごとの「信仰告白」に注目して進めています。信仰告白とは教会が大切にしている信仰の姿勢を言葉にしたもので、企業でいう経営理念のようなもの。それぞれの信仰告白には各教会の歴史や背景が反映されていて、そこを読み解くことに面白さを感じます。思想や礼拝のスタイルはさまざまなあり方が存在しますが、いま取り組んでいる研究が教会の多様性を理解するヒントとなり、今後、現場での働きに役立つものになればうれしいです。
またゼミ活動では合宿でキリシタン史跡を巡ったり礼拝に参加したりと、フィールドワークの機会も豊富です。知識と体験が重なり合っていく中で学びがどんどん立体的になっていく感覚があり、やりがいを感じます。

祈りと繋がりと奉仕。人と結ぶ関係を大切に、社会に貢献していきたい

神学部は1学年約30人で学生同士の距離が近いところが魅力です。ただ、私たちが入学した当初はまだコロナ禍が尾を引いていたのもあり、学年を越えた交流の機会がほとんどありませんでした。大学生活にも慣れ、コロナ禍も収まってきたことで、「学部内の繋がりをもっと深めたい」と、仲間と共に神学部学生会を発足。現在は執行委員長としてチャペルアワーをはじめとするイベントの企画・運営に取り組んでいます。
神学部の仲間たちとの関わりで印象深いのは、友人が主導していた大阪市西成区・あいりん地区での奉仕活動に参加したこと。キリスト教の学びが実社会の課題とどう関わることができるのかを考えるきっかけになりました。この活動に影響されられたのか、将来的には神学部での学びを活かし、教会の働きの中で主に福祉分野に関わる予定です。神学部での学びと人との繋がりが私の未来の軸になると確信しています。

神学部学生会有志でチャペルアワーを主催。学生それぞれのルーツを持ち寄った音楽中心の礼拝形式で、楽しく讃美することができました。

私にとってのミカンセイノカノウセイ

大好きな月飛鳥との写真。上ヶ原キャンパス奥にある厩舎(きゅうしゃ)で日々を過ごしています。関学の馬は、校章にもあるように「月」や「ムーン」が名前につけられます。

大好きな馬との自分なりの関わり方。
より良い運営体制を目指し、後進を育成中!

課外活動で、関西学生馬術連盟の一員として馬術大会の運営に関わっています。幼い頃から馬が大好きでしたが、学業との両立を考えて馬術部の選手としてではなく大会の運営に関わる道を選択。全国の学生と連携しながら大会プログラムの作成や事務業務を担ってきました。現在は幹事長として組織をまとめつつ、後輩たちに経験や知識を還元することに注力しています。これまで培ってきたことがより良い運営体制づくりに役立つよう、最後までしっかり務めていきたいです。高校までは硬式野球部に所属し、日々グラウンドを走り回っていましたが、学生馬術連盟では選手のサポートなど、全く異なる立場を経験し、たくさんのことを学ぶ機会を得られました(何より馬たちが愛くるしいです)。4年間の感謝を胸に、関学から離れた後も馬との関わりを続けていきます。