Interviews 学生 困難を抱える人を支援する社会福祉士を目指して。

Introduction紹介文
高校卒業後の進路に迷う中で、全国の大学の学部・学科を紹介する本を手に取り、社会福祉学に出会った松村さん。多様なバックグラウンドを持つ人たちの支援について学べることに魅力を感じ、社会福祉士を志して本学科に進学しました。1年生の夏から続けている重度訪問介護のアルバイトや、大学の授業の一環として行われる実習を通して、現場での経験を積みながら、資格取得という目標に向かって日々取り組んでいます。
社会福祉士を志して本学科へ。まずは現場を知って経験を積むために、1年生の夏から重度訪問介護のアルバイトを始めた。
社会福祉士の国家資格取得を目指して、本学科に進学しました。私は高校3年生の秋ごろまで進路に迷っていましたが、全国の大学の学部・学科を紹介する本を図書館で手に取り、目に留まったのが社会福祉学という学問。もともと対人援助職に関心があり、保育や幼児教育に興味を持っていたのですが、社会福祉学科なら、大人から子どもまで幅広い世代の人たち、多様なバックグラウンドを持つ人たちの支援について学べると考えました。
社会福祉士が支援する対象は、高齢者や障害者、子ども、低所得者などさまざまです。働く場所も、福祉施設や病院、教育現場など多岐にわたります。そのため、資格取得後にどんな道に進むのかを考える上で、まずは現場を知らないといけないと思い、大学1年生の夏からアルバイトを始めることにしました。NPO法人で、7月に3日間の研修を受けて重度訪問介護従業者の資格を取得し、8月から重度訪問介護の仕事をスタートしました。
重度障害を持つ人たちの介助に携わり、福祉の仕事のやりがいや喜び、そして難しさも日々実感している。
私は現在アルバイトとして、重度障害を持つ3人の女性の介助を担当しています。仕事内容は大きく分けて2つあります。1つは、ご自宅での身体介護や家事援助。24時間介助を必要とする1人暮らしの利用者さんのご自宅に行って、家事や食事・入浴介助を行います。もう1つは、移動支援。車椅子を押したりお金の計算をお手伝いしたりしながら、利用者さんといろいろな場所におでかけをします。
この仕事を通して、利用者さんはそれぞれ全く異なる人間性を持っているという当たり前のことに改めて気づきました。利用者さんが楽しんでいる姿を見たときや、その人らしさが感じられたときは、一緒にいる私もうれしくなります。例えば最近は、丸の形が好きな方が電車のつり革を見て楽しそうにされている様子を見て、私もとても楽しい気持ちになりました。
私が関わっている3人のうち、2人は言葉を発しない方です。そのため、コミュニケーションを取る上で困難を感じる場面もあります。私の言葉がどのくらい相手に伝わっているのかわからず、初めの頃は緊張や不安を感じていました。でも、あるときスタッフの方から「もっと積極的になっていいよ」と声をかけていただいたことで、気持ちを切り替えて、自信を持って利用者さんをリードするような介助もできるようになってきました。これからもできるだけ長くアルバイトを続けて、利用者さんとの信頼関係を積み重ねていきたいと思っています。

大学で学んだ理論と実践を、実習やアルバイトの場で生かしながら、もっと社会福祉の知見を深めていきたい。
社会福祉士になるためには、現場での実習を240時間以上かつ2施設以上で行うことが必須です。本学科では、3年次の「ソーシャルワーク実習」の授業で現場での実習を行います。私は6月に、高齢領域で計40時間の実習を経験しました。8月には病院で、残り200時間の実習を行う予定です。私は、母が親族の病院への付き添いをしている姿をそばで見ていたことから、医療ソーシャルワーカーの仕事に関心を持ち、病院での実習を希望しました。アルバイトや実習の授業でさまざまな現場に出てみると、大学で理論と実践の両面から学んできたことが、社会福祉士としての実際の仕事につながっていると実感します。資格取得に向けて、これからもっと社会福祉の知見を深めていきたいと思います。

資格取得という大きな目標への一歩として、 まずは実習に万全の準備で臨みたい。
これから始まる病院での実習に向けて、今は準備や事前学習に力を入れています。いくら現場に行っても、土台がなければ学びは少なくなってしまいます。だからこそ、事前学習で知識を身に付け、実習における自分の課題を明確化しておくことが大切だと思って取り組んでいます。実習では緊張や不安も相まって、うまくいかない場面もあるとは思いますが、専門職を目指す者としてだけでなく、人としても成長できるように頑張りたいです。