Interviews 卒業生 「学び」を翼に、「好き」を原動力に、世界と協働する

Introduction紹介文
「子どもの頃に伊丹空港で見た一機の飛行機、それが空への憧れの始まりでした」と語る野口さん。大学での学びや努力して磨き続ける語学力を武器に、現在は民間航空機エンジンの修理業務を担う現場で活躍しています。専門性が求められる仕事に、時にはくじけそうになることもあるとのことですが、尽きることのない飛行機への“好き”を原動力に挑戦を続け、人々の移動や物流を支える重要な社会インフラの一翼を担っています。
憧れ続けた空の世界。航空機産業を手がける企業に就職し、子どもの頃からの「好き」を仕事に
民間航空機に搭載されるエンジンの、部品修理に関わる仕事をしています。勤務先は世界中から届くエンジン部品の修理や整備を担う一大拠点。まだ新人ですが、ボーイング787やエアバスA320など、一般的に「ジャンボジェット」と呼ばれる航空機のエンジンに搭載される部品のうち、3種類のメイン担当を任されています。
航空業界に関心を持ったのは、幼い頃に両親に連れられ、伊丹空港(大阪国際空港)の近くで飛行機を見たことがきっかけでした。何十トンもある金属の塊が空を飛んでいく……その光景にロマンを感じ、ずっと飛行機が大好き。「大人になったら航空機に関わる世界で働きたい」と思い続け、今、自分の“好き”を仕事にできたことに心からのしあわせを感じています。

苦しさの先に見えた自分なりの成長。「空飛ぶ機体の中で自分が関わる部品が動いている」その代えがたい喜びを胸に
業務は大きく2種類あります。ひとつは修理の依頼内容を確認し、お客様に納期などを案内するカスタマーサポート業務。もうひとつは、修理現場と連携しながら予定を調整する生産管理の業務です。仕事では専門性が求められる場面が多々あり、修理内容にあわせた臨機応変な対応も必要です。自分の判断が結果につながる責任の重さはプレッシャーですが、それだけにやりがいも大きい。ただ、配属当初は無力さを痛感することもありました。ある部品の不具合が発覚した時のことです。担当者になって間もない時期で対応に追われる中、現場との調整もうまくできず心が折れそうになりました。でも「ここを乗り越えればきっと一人前と認めてもらえる」と思い懸命に対応。この件で一歩成長できたと思いますし、周囲に相談する大切さも学びました。今は報・連・相を大切にしながら、先輩に頼れる時は頼り、知識の生かし方や関係の築き方などを学んでいます。
最近の何よりの楽しみは、空港で飛び立つ飛行機の姿を見ること。私自身も帰省や旅行で飛行機を使用します。その際、自分が携わるエンジンが実際にお客様を安全に運ぶ様子を見ると、私の仕事が社会を支えているんだと大きな喜びを感じます。

広く・深く学び続けて、世界を舞台に活躍できるビジネスパーソンになりたい
大学時代の学びで特に生きているのが「心理的安全性」の考え方です。心理的安全性とは、発言や行動を否定される心配がなく安心して自分を出せる状態のこと。たとえば作業計画を明確に伝えたり、不安をすぐに相談できる環境があったり、特に生産管理業務では皆がパフォーマンスを発揮するために心理的安全性が大切だと実感します。環境整備も私の仕事なので、学びを生かして現場との関係性構築に努力しています。またカスタマーサポート業務では海外の担当者を相手に英語を使う場面が多く、日常的に会議やメールで調整を行っています。これまで磨いてきた英語力を駆使し、踏み込んだ内容まで議論できた時は思わずガッツポーズ。語学は地道な積み重ねが大切なので、学生時代に始めた「1週間に10語、新しい英単語を覚える習慣」は今も欠かしません。
今後の目標は、担当部品だけでなく周辺分野にも知識を広げ「ゼネラリストかつスペシャリストな存在」となること。多くの人と協働し、世界を舞台に働けるビジネスパーソンに成長したいです。

ビジネスで生きる表現力を高めたい。
世界と対等に向き合うために、英語力にさらに磨きをかける。
英語が好きで中学・高校の頃には留学を経験し、大学では集中的に英語を学べるコースを履修して英語力アップに努めてきました。ただ今の仕事は日本を代表するエンジンメーカー、その窓口として世界と向き合う立場にあります。日常会話ではなじみのない丁寧な表現や専門的なやり取りを必要とされる場面も多く、自分の力不足を感じることがしばしば。表現の幅を広げようと、新しい言い回しを見つけては業務の中で実践することを繰り返しています。